小生の備忘録

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GL1200サイドカー 12 寸又峡温泉 大井川鉄道


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 師走が近づいてきた。名古屋よりも北の領域、奥美濃、飛騨、信州などでは雪や路面凍結でバイクはおしまいの時期になってきた。今季最後の北方面ツーリングで高山、御岳あたりを巡ってこようと思っていたが、朝の天気予報ではこの地域は降水確率40%と悲しいお知らせ。
しかし太平洋側の静岡県の降水確率は0%! それであればと行く先変更で高速道路を一路東に向かう。定番の寸又峡周囲は今期訪れていないし、美味しい温泉も思い出しゴールは寸又峡温泉に決定。

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塩郷の吊り橋

 名古屋を7時半に出発、西の空には雲がいっぱい。対して東の空はぴーかん!、よしよし、これなら静岡方面、期待できる。GLサイドカーで東名高速道路を太陽をまぶしく感じながら東進する。2時間と少しで大井川の河口の街、島田に到着。下道に下りると案内標識に従って右岸の国道、左岸の県道を行ったり来たりしながら上流をめざす。
 ながーい吊り橋、塩郷に寄り道する。川幅の広い大井川には今も吊り橋が現役で残っている。もっとも下流にあってもっとも長いのがこの塩郷の吊り橋。220mの長さがあって、真下の塩郷の駅と対岸の集落をつないでいる。2本の太いワイヤーで支えられた吊り橋は、とても揺れる。水面からの高さは知れているのだが、スリル感はかなりのもの。
 まさにナイスなタイミングで大井川鉄道の蒸気機関車が上がってきた。蒸気機関車の運転手さんもこちらの手振りに応えてくれる。吊り橋の真下を通るので、居合わせたら面白い体験だ出来たのに、残念。

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 線路と道路がくっついたり離れたりしながら、機関車を追跡するような状況となって、黒煙を受けながらGKサイドカーで走る。直線スピードは50〜60kmだろうか、GLばあさんでも十分ついて行ける。素敵な時間を過ごせた。


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大井川鉄道 C10形8号車 千頭駅

 下泉で途中停車する蒸気機関車を追い越して、終点の千頭にお先に到着。蒸気の音をたてながらホームに滑り込むのを待ち受けた。間近に生きた蒸気機関車を見るのは久しぶり、人間が運転しているのだろうけど、命の宿った生き物みたいだ。平日にもかかわらず、大勢の乗客が降りてきて先頭の機関車をパシャパシャ撮影タイム。
 このC10形8号機は、大井川鉄道に所属する蒸気機関車の中でも最古参の昭和5年製。石炭などを別の台車に乗せているC57などのテンダー形蒸気機関車は優雅で格好いいが、小粒で一体感のあるこのC10形のタンク形機関車は可愛いスタイルだ。勾配のある大井川鉄道では、C10形の最後尾から「こっそり」と電気機関車が後押ししている。




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寸又峡駐車場

 金谷のICから約60kmで終点の寸又峡に到着。途中の道も非常に狭くって、サイドカーでは気を遣う区間だ。幸いにもすれ違えないところには簡単な信号機がついているので、まだ救われるが。。バックが出来ないサイドカーは狭い山道は苦手だ。道は概して改善されており、バイパスやトンネルが完成し走りやすくなっていた。それにしても、寸又峡まで入り込んでくると、山も谷も深くって山奥感がいっぱいだ。

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ハイキングコース入り口

 平日の午後のためか、それほど混んでいなくってラッキー。寸又峡入り口の駐車場に駐めるつもりだったが、係員の誘導で温泉街のいちばん奥までサイドカーで上がることができた。さて、ここにバイクを停めて寸又峡観光のハイライト、「ブロムナードハイキングコース」に挑戦。

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寸又峡 ブロムナードハイキングコース

寸又峡温泉の集落を外れると、その先は森林鉄道の跡地に林道が出来ていて、夢の吊り橋と飛龍橋をぐるりと巡ることができる。入り口でもらったパンフだとブロムナードコースで約90分の道のりだそうな。寸又峡温泉には何度か来ているが、肝心の吊り橋たちを見たことが無かったので、今回は意を決して歩き出した。

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大間ダム

 トンネルなどを通り越してついた先は、切り立った谷に囲まれてグリーン色の湖面がキレイな大間ダムだ。午後の日射しが山の東面に日陰をもたらしていて、明暗のコントラストがきれい。ダム湖に向かって下りてゆくと、旅の口コミサイト「トリップアドバイザー」で「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊り橋10」に選ばれた「夢の吊橋」が現れる。

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夢の吊り橋

 訪れた日は平日だからパラパラと観光客はいたけど、ここまですんなりとくることが出来た。ハイシーズンだとこの橋を渡るのに1〜3時間も待たされる人の波になるそうだ。吊り橋は、歩行する部分の板の幅が30cmほど、渡りきるのには90mの距離がある。水面までの高さが10mほど、大間ダム湖がエメラルド色で神秘さを高めている。
 10人までの重量制限のために頃合いを見て小生も渡ってみる。塩郷の吊り橋のほうがより長くって迫力があったが、ダム湖の色や静けさでは夢の吊り橋の方が雰囲気があった。「夢」のネーミングは、「夢に出てきそうな幻想的な橋」とも「渡るのが恐ろしいから夢にでるかも」などと言われるからだとか。橋の作りは新しく良く整備されていそうなので安心だ。

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寸又渓谷

 吊り橋から北にのびる寸又川は、この渓谷の先に山深い谷を広げている。「やまさ行がねば」のヨッキれんさんが綿々とレポートを残している「千頭森林鉄道」はこの狭い峡谷からさらにずーっと奥まで続いていた。時代は昭和30年代、森林開発を国を挙げて取り組んでいた遺産だ。さきほど歩いてきた林道も、千頭森林鉄道の線路だった。

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山岳路案内(前黒法師岳)

 夢の吊り橋からは、300段を越えるきつーい鉄製の階段が待ち構えていた。回りは小生よりも年配の方々が多くって、これは膝の悪い人たちには堪えるだろう。というか、リタイアする人が出てきてもおかしくない。周囲はすっかり日陰になって寒いはずなのに、一気に登ってみたら湯気が出そうなくらいに汗ばんでしまった。やっとの思いで再び森林鉄道跡の林道に復帰、飛龍橋をめざして寸又川の支流沿いに歩き出した。橋の手前にはこの上にある前黒法師岳への登山ルートが示されていた。

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飛龍橋からの眺め

 ハイキングコースの最深部、飛龍橋も千頭森林鉄道の遺産。川底まで70mあるという深い谷にかかっている。下をのぞき込むと足がすくむ。当時はもっと細い橋桁で柵などもなかったろうから、小さな電車でこの橋を渡るのは恐ろしかったろうなあ。

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寸又峡温泉

 ガイド図には90分の行程とあったが、さくさく歩いて60分で戻ってきた。水平に歩くのはマシだが、あの300段の階段をもう一度行くかと問われたら返事にこまりそう。なにはともあれ、寸又峡のハイライトというべきハイキングコースを看破したんで満足。
 寸又峡温泉には、お風呂だけ利用できる旅館もあるが、今回は町営の露天風呂に入ってきた。入浴料400円と持ってくるのを忘れたタオルも購入し、独り占めの露天風呂にドボン。寸又川のエメラルドを思い起こすようなブルーがかったお湯は硫黄泉で白い湯ノ花が舞っている。驚くことに酸性泉と思いきや、ヌルヌル感たっぷりのアルカリ泉だった。硫黄泉でアルカリのお湯というのはとてもめずらしい。小生の好みにぴったり当てはまったいいお湯だった。

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朝日岳

 山の西側にあたる道路はとっくに日陰になり、夕まづめの陽射しを浴びて対岸の朝日岳(1827m)がすっきりとそびえ立っていた。今日は終日快晴、名古屋から東に走って正解だった。

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前黒法師岳

 後ろを振り返れば、先ほど歩いてきた山あいが望め、1943mの前黒法師岳が見えた。小生はオリンパスのコンパクトカメラTG-4を愛用しているのだが、こういった明るさの極端に違う被写体ではどちらに合わせたら良いのかよく分からない。オートを多用する撮影しかできない小生には後ろの明るいお山に合わせると手前のバイクはまっくろけ、暗いバイクに合わせると背景のお山が飛んでしまう。カメラに詳しい人ならば、も少しマシな写真も撮れるだろうか。

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さわやか 島田店

 島田までお山を下りてきたら、あとは高速をひた走って名古屋に帰るだけ。夕飯にはまだちょいと早い時間ではあったが、せっかく静岡に来ているのだからとご当地グルメの「さわやか」で夕食を取る。つなぎのほとんど入っていないソーセージのような噛み応えのあるハンバーグが売りだ。とりわけ「げんこつハンバーグ」が人気のようで、250gのまさにげんこつのような肉の塊を目の前で半分にカットして「レア」な断面を鉄板で焼いて頂く。一度食べると、くせになってリピートしたくなるのも頷ける。しっかりと完食して、名古屋までひた走る。島田を出たのが午後5時過ぎ、すでに夕刻の闇がせまっている。名古屋の自宅までの150kmは久しぶりの夜間走行となった。




# by akane8150 | 2018-12-04 20:19 | Motorcycles | Comments(4)

Team TOKOTOKO 4 モンCub耐久〜秋〜


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美浜サーキット

 ツーリング仲間の酒の席で、レースやろうと言い出したのが3年前。当時、近隣の幸田サーキットでは、250クラスのロードバイクやモンキーなどの草レースが開催されていた。カブ耐久レースなら敷居も低いし転けても大けがは無いだろうと参戦を目論んだ。しかし、レース用にカブを手に入れたものの、肝心の幸田サーキットでカブレースが消滅、仕方なく富士サーキットや近畿サーキットまで遠征してこの2年が過ぎた。
 そして今年からお膝元の知多半島にある美浜サーキットでカブ耐久レースが開催されるようになり、我らのTeam TokoTokoも地元チームとして参加できるようになった。コースは全長1200m、ストレート250mの立派なサーキット、設備もちゃんとしていてこれは楽しそうだ。


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裂けたチューブ

 メカニック兼、エースライダーのなおさんから前日の夜に不安な連絡が入った。なんとリアタイヤのチューブが裂けていて替わりがないというのだ。もうその時間帯ではどうしようもない。まずは早めにゲートインして手を打とうということになった。

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美浜町 イエダモータース

 現地でお仲間のチームに声を掛けてみるが、流石に予備のチューブを持っているところもない。もし持っていても自分たちのカブがパンクするかもしれないので、譲ってもらえることは虫がよすぎだろう。朝の7時にグーグル検索を頼りにバイクショップを探して走り回る。2件目のバイクショップに到着して様子を伺えば、隣接するのが自宅のよう。これなら助けてもらえるかと「藁をもすがる気持ち」で迷惑を知りながら早朝に電話をかける。
パジャマ姿の親父さんがチューブを片手に玄関から出てきてくれたときには嬉しかったし、これで今日もレースが出来るって安心した。朝7時に応対してくれたイエダモータースに感謝感激だ。

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スーパーカブ50デラックス キャブ最終型(2002〜2006)

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車検風景

 大喜びで皆でチューブを組み込む。チューブが裂けていたのはバルブの根元で劣化というよりはタイヤの変形が強いからだと思われた。リアタイヤの基準空気圧は2.25kgf/c㎡、それに対してレースでは1.00kgf/c㎡くらいまで落としている。コーナーのスピードを維持するためにグリップ重視のセッティングがチューブの破損の原因だった。
 このレースではリアサスペンション、マフラー、メインジェットなどの改造は許されているがエンジン本体に手を入れることは出来ない。レースを始めた頃、リアのショックはノーマルで挑戦したが、ストロークが少ないのでリアが滑って勝負にならなかった。
 ドタバタのレース準備であったが、なんとか車検時間には間に合って無事にポンダーを受け取ってリアフェンダーにガムテープで貼り付ける。競技委員からは、「鼻先の差でチェッカー受けるときのためにも、フロントフォークに取り付ける方がいいですよ」なんてアドバイスを受けるが、転倒したときにポンダーが破損する心配が有り。


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ルマンスタート

 このシリーズ戦もスタートはルマン式。第一ライダーはエースのなおさんにお願いして小生はカメラマンに徹する。美浜ではレースクイーンのお姉さんまで登場し、レースアナウンサーが場を盛り上げていた。演出がないよりも、雰囲気があってよろしい。お仕事とはいえ、こんな草レースにまで営業に来ているレースクイーン役のお姉さんは大変だ。
 改造クラスとノーマルクラスの混走14台で2時間の耐久レース。ルマン式で走り出したのが、足がもつれてこけているライダーもあったりと笑えるシーンで幕が開いた。

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なおさん

 小生より一廻り若いなおさんは、ほっておいたらいつまでも周回を続けてしまうタフガイだ。整備とトランスポートはいつもお任せで頼りにしている。このところラインの返答出来ないくらい本業が忙しく大変なようだが、そんなときこそバイクに乗らなきゃね。
 小生とはバンク角度がすでに違っている。イン側の膝がするほど体が低く寝かされて、小生も真似をしてみるのだが全然出来ない。

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ミユパパさん

 ミユちゃんのパパだから「ミユパパ」さん。小生よりも年上だが、Vmaxをこよなく愛する御仁、ふくれあがった小生と比べると体重差15kg以上あるかもしれない。非力なカブにおいて、軽量化がどれだけ優位であるかは、ミユパパさんのストレートスピードをみれば分かる。するすると車速が伸びていく。

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小生

 昨シーズンの反省会では、仲間から「もっとアグレッシブに」と指導を頂いた小生、今年はハングオンを意識して速く走れるように挑戦。気分はハングオンなのだが、写真をみると??。ストレートのスピードを殺さないようにカーブをつなぐことが大事と思っているので、コーナーを速く走れる術を身につけなくちゃ。3人のベストラップでも小生が最も遅いだろうから、成績挙げるためには小生がもっと速くなって(もっと倒して)チームの底上げにがんばろう〜〜。

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残り30分

 120分の耐久レースではあるが、合計7回以上のピットイン、ライダー交代がルールとなっていて、レース作戦も重要であった。作戦では120分を15分走行の8回に分けて、これを3人で回そうというモノ。タイムのことだけを考えれば7回もピットインしたくないのだが、それがルールなら仕方ない。ピットロード手前でバイクから降りて、その先はカブを押して」ライダー交代ラインまで走るっていうのも面白いライダー交代ルールだった。ラスト30分の状態で総合11位、クラス6位 なんとかこのポジションをキープしなきゃ。

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チェッカー

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 120分チーム誰ひとり転けることなく完走!! 最後もエースライダーのなおさんがチェッカーをくぐり抜けた。今回は、なおさんが4スティント ミユパパさんと小生は2スティントづつ分担して走った。成績は以下のごとく。。。

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リザルト

 小生達はノーマルクラスなので出走7台のうち、6位(1台はリタイア)であった。つまりは「ビリ」だ。120分間の周回数80周、ベストラップ1分23秒 クラストップとは、周回で10周遅れ、ラップで8秒遅れていた。
 これだけの大差があっては、上位に食い込むことはかなわない。なにせ、ストレートでぐんぐん離されていくのが現実だからだ。小生達のマシーンセッティングが劣り、ライディングでも遅れているなど遅い理由は幾つも挙げられようが、これじゃあ面白くない。





 次回は富士で行われるCub Cup 6時間耐久レース。次回はもっともカメな小生が心機一転、速く走ってチームに貢献したい!!





# by akane8150 | 2018-11-20 18:08 | Motorcycles | Comments(5)

MT-01 OS 35 秩父の旅2/2 秩父神社 志賀坂峠 ぶどう峠


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秩父だいます旅館

 翌土曜も晴天に恵まれた。荷造りをささっと済ませてバイクに括り付ける。素泊まりだから朝食は昨夜に買っておいたおにぎり1個、食べてみたらご飯が「ぱさぱさ」。一晩、部屋に置いただけなのにこんなに乾燥しちゃうんだ。朝の8時に宿を出立。

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秩父神社

 リストに上がっていた秩父神社に寄ってみる。近所の人たちが散歩しているくらいで静かな境内。秩父駅にも近く賑やかな立地は、前日の三峯神社とは異にしている。御神体は「やごころおもいかねのみこと」「ちちぶひこのみこと」いずれもこの地域の祖神たちで、神代からのいわれを持つ古いお宮さんだ。1ヶ月後の12月3日には「秩父夜祭」として知られる大きなお祭りがあって、この小さな町に20万人以上の人出があるらしい。


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子宝 子育ての虎


 朱塗りの神門は鮮やかに彩色されてなかなか派手だ。境内の奥にある総本殿は三峯神社と同様に、柱や梁が彩色され、社殿正面にはすばらしい彫刻が施されていた。17世紀に描かれたこの虎の親子の彫刻は、小生でも聞いたことのある彫刻家、左甚五郎の作品と書いてある。日光東照宮の「眠り猫」が左甚五郎の名を知らしめているが、実在の人物だったかどうかは疑わしいらしい。全国に100近くの遺作があるが、なんと安土桃山時代から江戸時代までの300年ほど活躍されたとしている。いずれかはホンモノでそれ以外は地方の腕の立つ彫刻師の作品とされている。

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秩父盆地

 さて、ここからどこへ行こう。今回は秩父を隅々までというテーマ?なので、これまで未踏のR299の志賀坂峠を抜けて、これまた未踏のぶどう峠を目指すことにした。R299にのっかってお山に向かうと、東には逆光の秩父山地がスッキリ見える。その手前が秩父盆地だ。さて、これで秩父ともお別れ、また今度。


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ようばけ

 R299を走っていたら、案内標識に「天然記念物 ようばけ」なんてあったものだから、何か分からないままに向かってみた。川縁にバイクを停めてしばらく歩くと対岸が真っ白な崖になっていて、そこが「ようばけ」って書いてあった。なにやら壊れやすい崖のようで、川沿いには落石した石が滞積している。これが何だか現地に行っても全く分からないままに帰宅して調べたら、ようばけのいわれは、夕日の当たるハケ(崖)から「ようばけ」と命名されたとある。またこの層からは化石がたくさん見つかっていることも知られており、太古は遠浅の海であったそうな。

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 センターラインがあってキレイに整備されたR299は小鹿野の街をぬけると、いよいよ山に囲まれた渓谷を走るようになる。バイクも多くって関東方面から大挙してやってきている。今日も晴天でお山と空の境目もくっきり、日照があれば寒さも無くって、良いときにツーリング出来たことに感謝だ。

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志賀坂峠(トンネル)

 国道はやがてつづら折れとなってお山を登りはじめる。ヘアピンカーブで向きを変えながら、どんどん高度を上げてゆく。それでも道幅は確保されていて走りやすい。左手に上がってきた谷を見下ろしながら、すばらしい展望の峠のトンネルに到着。バイクを停めて来た道を見下ろしながら休憩。小生の横を、バイクがどんどんと通りすぎてゆく。バイク日和だもんなあ。
 地理院の地図を見てみると、この峠の右手には石灰岩の露頭した採石場があるらしい。そしてここから秩父市内のセメント工場まで、20km以上の長きにわたり、ベルトコンベアが敷設されている。そのほとんどが山をくり抜いたトンネルで、全国でも名の知れた「秩父セメント」らしい産業土木の技だ。

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高反山

 志賀坂峠を下りきるとR299は緩やかにカーブしながら十国峠に向かって再び上りになる。真正面には形の良いお山がすっと立っている。後学では高反山 1130m、高くて反り返った姿から名が付いたに違いない。露頭した岩肌が猛々しい。

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道の駅 上野

 走行中に職場から電話がかかる。スマホとヘルメットのインターコムが繋がっているので、走りながら電話を受ける。内容は入院中の患者さんが血圧が高くってどうしましょう?というものだった。食事がとれない患者さんなので、降圧剤注射を微量点滴で投与するように指示。ひとまず、口頭での指示で対応できてやれやれ。今から名古屋まで戻れといわれたって無理なこと、そんな時にはあっさり当直医に助けてもらうしかない。小生の仕事でつくづく嫌だと感じることは、完全なプライベートな時間がないってことだ。人情と義務感で応対し、必要とあれば時間に関係なく職場に向かう。
 9時半に十国峠にかかる手前の道の駅で立ち寄り休憩、宿を出てから1時間半経過。整備中なのかバイクを止める場所がよく分からない、とりあえず先客の横に止めてみる。東京方面からはバイクがどんどん上がってくる。クルマよりも多いくらいだ。どの時間帯も人で溢れてる山手線ではないが、田舎の名古屋人には、首都圏の人の多さ、特に今日はバイクの多さに目をみはる。

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ぶどう峠へ (上野村森の体験館)

 道の駅からさらに上がって行くと、右手には峠まで最後の休憩施設があっていよいよ十国峠への峠道にさしかかった。十国峠への国道は随分前から工事中で、林道を迂回して行くことになる。まずはここを左折して迂回する林道に向かう。

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林道矢弓沢線と群馬県道124号

 左折した先の旧道を選ぶと分岐が出てくる。まっすぐが林道矢弓沢線で十国峠への迂回路、左は県道124号でぶどう峠へ。今回はお初のぶどう峠をチョイス、まずはその名前もいい感じだ。どんな道なんだろう、これから現れる初めての景色に期待が膨らむ。

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 センターラインも真新しいキレイな道路をあがってゆく。すると道路標識に「左 御巣鷹山」の標示、そっか日航ジャンボ墜落事故の現場が近いんだ。それにしても街からえらく離れた山奥で事故になったものだと感じ入る。ここから御巣鷹山の慰霊碑までは山道を15kmあがってゆく。救助の人たちもこの山奥では大変だっただろう。

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ぶどう峠の紅葉

 峠までの山道は県道とはいえ、幅員も広くなく枯れ葉の絨毯がバイクで走れるところをさらに狭くしている。対向車がいつ来ても良いようにゆっくりと路肩によって登ってゆく。紅葉は最高にまっさかり、ブナを中心に全山真っ黄色にあでやかだ。クヌギの木と思われるオレンジの強い紅葉がアクセントをつけている。真っ青な空との対比も美しく、今日の天候に感謝だ。
 見上げれば、峠道は折り重なってまだまだ高度を上げてゆく。幸いに交通量が絶対的に少ないので、ゆるゆると登ってゆける。秩父の旅で幾つかの峠を越えてきたが、このぶどう峠は静かで雰囲気がよく、小生はとりわけ気に入った。

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ぶどう峠

 午前10時半に峯を横切るような低い切り通しに到着、ぶどう峠だ。イグニッションを切ると、風も微風で「チンチン」とエンジンからの音だけで怖いくらい静かだ。東西の展望も美しいモノで、この峠を選んでよかった。峠までの道すがらの景観、峠の眺め、十国峠よりも展望が望めると思う。

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八ヶ岳

 峠の信州側は幅員もひろがってどんどんと坂を下り、ほどなく佐久甲州街道の国道141号に合流した。頂きは雲に隠されているが、これまで山深い秩父の山を走ってきたので、八ヶ岳山麓のだだっ広さはとても開放的で気分を良くしてくれる。

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野辺山 JR最高地点

 小生は「鉄ちゃん」ではないと思っているのだが、標識にJR最高地点と書いてあれば立ち寄りましょう。JR小海線が国内で最も標高の高い1375mを越える踏切がある。道路脇には「鉄道神社」が祭られていて電車の車軸がご神体としておかれてあった。運良く踏切の警報が鳴って、小淵沢方面の上り電車が通過していった。動くモノを写真に収める技術が無いので、見事にピント外れな1枚だ。

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レストラン最高地点
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ルーレット式おみくじ器

 踏切の隣に山小屋風のレストランがあったので、そのまま昼食に。お薦めが「キノコ丼」とあったので試してみたが、予想通りその後は胸焼けに襲われた。マイタケなどのキノコが3種、エビ天はご愛敬だが半熟卵をまるまる天ぷらにした具は初体験だった。天ぷら好きにはきっといいのだろう。
 それよりも興味はテーブルに置いてあった「星座占い」。これって、幼い頃の記憶にも残っていて、当時の食堂などには必須のアイテムだったんではなかろうか。いまどきこれを置いているお店もほとんど無かろう。
 と決めつけていたけど、後学では現在でも100万台が稼働していて、再び注目を集めているそうだ。100円を自分の星座のスロットルに入れて、レバーを引くと上部のルーレットが回って、出てきたおみくじの数字を照らして占いを読むらしい。自分の星座を選んで投入しても、落ちる先は一緒なのでいい加減にもほどがある(笑)。昭和50年代がブームであったそうで、その頃から100円。コーヒー一杯が150円ほどの当時で、100円を投じておみくじを引くのが流行ったなんて考えられない。

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八ヶ岳 東沢大橋展望台

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MT-01 10th Anniversary 全国ミーティング(2015.9) ぽんつゆさん提供

 清里に入る手前から右折して八ヶ岳高原ライン(県道615号)にはいる。真正面に頂きが見える八ヶ岳の駐車場で一服。今回のツーリングも後は帰るだけ、山麓の快走路をのんびり走って小淵沢まで走る予定だった。ここは3年前にMT-01 10th Anniversary 全国ミーティングで60台以上のMT-01がパレードしたコース。 60台ともなるとまとまって移動するだけでも大変だった。たとえ千鳥走行として車間を詰めても、隊列は長大になってしまう。

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南アルプス

 八ヶ岳高原ラインを気分良くノンビリ走っていたら、天女山入り口の交差点から先が災害で通行止めとなって小淵沢まで行けなくなってしまう。迂回路に示されたのが1つ東の長坂ICだった。ICの手前で給油して思案。往復とも中央道を使う予定であったが、この時点で午後12時半、日没までは5時間ある。これならテキパキ走れば、新東名で帰る事もできると判断。西に向かうはずを、東京方面の東に舵をとった。双葉ジャンクションを右に折れ、中部横断自動車道路で南に向かう。いずれは清水まで開通するこの自動車道路も双葉JCTから六郷ICまで開通していて、これは全区間の4割ほどに該当するだろう。見延線に沿ったR52も快走路ではあるが、信号フリーの自動車道は時間短縮にはありがたい。下道も含め、新清水ICには1時間半後には到着できた。
 MT-01OSのフロントカウルは高速での疲労軽減には役になってるだろう。OS用の低いハンドルポストも相まって、前傾姿勢が強く高速での風圧が相殺されて快適だ。市街地走行ではこの前傾ポジションがきついことも確かだが、小生もこのポジションになれてきたので当分OSスタイルをキープしようを意を決した。

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東名上郷SA

 日没までに帰宅することを目標に、新東名区間は110km部分もあって制限速度+αで淡々と走る。平日の夕刻前なのでまだまだ3車線は空いている。なのに、いつもながら右端の追い越し車線を制限速度以下で占拠するドライバーには辟易する。プロの長距離トラックやプロボックスのかっとび商用車はマナーが通じるので安心できるが、「わ」ナンバーの小型車や質の悪い小型トラックなどには、高速道路の常識が通じない。
 最後の休憩地、いつもの上郷でひと息。時刻は午後4時前、長坂ICから3時間半で280km先の名古屋まで帰ってこれた。後はコイン洗車で汚れたバイクを洗ってやって、自宅の車庫に戻るだけ。
 本線に戻るレーンには、20代とおぼしき女の子がヒッチハイクで乗っけてくれるクルマを探していた。行く先は「大阪」、無事に親切なクルマに乗せてもらえればいいのだが、自分の娘と同じ年代と思うとかなり心配だった。


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 日没には余裕をもって帰宅。荷物を積めないので、泊まりのツーリングではあるが、お土産らしいモノはなし。2日間、970kmを無事に帰ってきたんだから、お土産は「無事の帰宅」かな。今回の秩父の旅、名古屋からの目的地としてはなかなか選ばないであろう地域であったから、新鮮で面白かった。とりわけ、大滝食堂のYさんにお会いできて、また彼の地にむかう繋がりができたのは楽しいことだ。





# by akane8150 | 2018-11-09 21:23 | Motorcycles | Comments(0)

MT-01 OS 35 秩父の旅1/2 雁坂トンネル 三峯神社 大滝食堂



ごそごそとベッドから抜け出して日の出の気配もない街に走り出す。早朝午前4時、明るくなるにはまだ2時間はかかろう。名古屋ICから北上し、長距離トラックが列をなしている中央道の流れに乗った。

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名古屋IC
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秩父ツアー 2日間行程

 同じMT-01、しかも同じOS仕様のキットを取り付けたバイクはとても希、ネット上で知り得る台数は国内で10台もいないだろう。なのでオーナー間では、情報交換や実際に走りに行ったりと横の繋がりをもっている。フェイスブック上の「Yさん」もそのような知り合いで、キレイなMT-01 OSを所有している。Yさんのバイクも拝見したかったし、何よりお会いしてお話がしてみたいという思いが以前からあった。バイク乗りでは知られている「秩父の大滝食堂」を切り盛りしているのもこの方で、そのバイク弁当を頂きながら秩父まで行ってみることにした。
 土曜が祝日のタイミングで、金、土と2日間の日程、秩父の周囲はお初の地域、これをぐるりと見て回る。十国峠を随分前に通過したぐらいで、秩父を中心にこのあたりは初めて訪れる。紅葉も良い時期だから非常に楽しみだ。

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諏訪湖SA

 早朝の高速連続走行は寒いに決まっている。秋とはいえ、装備は完全冬仕様、上下のサーモアンダーにブーツ、グロブ内には「ホカロン」、さらにウインタージャケット・レザーパンツの上にはレインスーツという、雪だるまさん状態だ。格好なんかにはかまってはいられない。。
 朝4時の名古屋から6時着の諏訪湖SAまで約200kmをノンストップで走りきるとようやく東の空から日の出となった。路上の気温標示は6度以下、体感温度は0度以下だろうが、さすがに着こんでいたので指先の痛みくらいで我慢できた。

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双葉SA

 太陽の暖かさを感じつつ、正面にはずーっと富士山が見えている。小淵沢、須玉とだんだんと富士が大きくなって美しい。甲府まで入ってしまうと手前の山で富士は見えなるので、予定外の双葉SAで休憩して富士山の写真を1枚。地域の人にはありふれた富士山の姿だろうけど、名古屋人にはたまにしか経験できない景色。

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甲府市内

 甲府昭和ICで甲府市内におり、朝のラッシュタイムの中を雁坂トンネルに向かう。国道20号甲府バイパスは片側2車線のメイン道路なのだが、朝の渋滞がすごい。交通機関の少ない地方都市ではクルマへの依存が高い。おいそれ通勤時間となるとクルマで小さな都市もあふれかえることになる。秩父への取り付きとなる西関東道路にでるまでに、すり抜けや信号待ちでプチ疲れてしまった。

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 甲府から西関東道路で一路北上、2000mクラスの山脈をトンネルで抜ければ、甲州から武州に地域がかわる。さてさて、山脈の向こうはどんな景色が待っているんだろう!

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甲武信ヶ岳

 西関東道路という標示から、R140 「雁坂みち」に変わっている。道の駅も過ぎて道は快適でどんどんと高度を上げてゆく。やがて左手に広瀬ダムを見つつ、正面には凛々しい甲武信ヶ岳の姿がでーんと現れた。あの麓をトンネルで抜けて向こう側に行くわけだ。

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広瀬ダム湖

 湖畔の公園には1本だけ紅葉の絶景。慌てて路傍にバイクを停めて写真を一枚。夜間の霜などに触れるほど、紅葉は赤くなる。なのでこのように周囲に木々が無いと見事に全身まっかっかになる。美しい!

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西沢大橋

 雁坂みちは湖を過ぎると、大きくカーブする西沢大橋陸でいよいよトンネルに近づく。この先にある西沢渓谷は関東でも屈指の紅葉の名所らしい。寄ってみたいのだが、今日の目的地はまだまだ先なので残念だけど、またいつかの機会に。植林のされていないお山は全体が紅葉していて最高の景色、見事な見頃にくることが出来た。

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雁坂トンネル

 地図を読んでいて、いつか尋ねてみたかったトンネルがここだ。お初の走行にワクワクだ。雁坂トンネルは20年前に開通したトンネルで、一般山岳国道としては最長の6625mの長さがある。出来るまでは、山梨と埼玉を分断する「開かずの国道」であり、地域にとっては悲願のトンネル開通であったようだ。
 トンネル手前の気温標示は「0℃」、日射しを背中に浴びているせいか、それほど寒さを感じないがまだまだ「レインスーツ」の重ね着を脱ぐのには早い。

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 国越えの基幹道路だけど、思いの外交通量は少ない。トンネル内は温かかった、なのでトンネルの北側に出た時の激寒さには目が覚めた。トンネルの先は深い谷をガンガン下っていく。

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秩父往還 栃本集落

 トンネルの先は大型車両用のバイパスを避けて旧道を選ぶ。旧道「秩父往還」は武蔵の国と甲斐の国を結ぶ山梨の古道の一つで、日本三大峠の難所「雁坂峠」を越えるこの道は、緑深い美しい道だ。とにかく谷が深い、そこにへばりつくように集落が街道沿いに続いている。古くは日本武尊から一千年を越す人々の足跡が辿れ、秩父道、雁坂路、甲州裏街道とも呼ばれ古代から甲斐と秩父を結ぶ第一の道だった。

 秩父往還の旧道は、秩父の深くて険しい地形の典型的な姿を経験することが出来る。峠の手前の栃本には大きな旅籠のような建物も残っている。ドラマなどのロケ地にもなるようだが、なるほど印象に残る山岳集落だ。


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栃本関所跡

 栃本の集落には今も関所跡が残っている。これを作ったのは武田信玄で、この雁坂口を重要拠点とし秩父侵攻の拠点とした。200年以上にもなる関所の家屋も残っているが、朝早いためか見学することはかなわなかった。


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三峯神社

 やっと目的地の秩父の領域に入った。秩父の観光地を勉強してみたが、いずれも三峯神社はオススメされていたので、まずは山奥の三峯神社に訪れてみた。午前4時に名古屋を出て、このお宮に着いたのが午前9時半。ずいぶんと遠くまできたものだ。さすがにレインスーツの重ね着も脱いで身軽になる。それにしても、寒いときには格好に拘っていられない、レインスーツを着こんだのは正しかった。

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随身門 三峯神社

 「三つ鳥居」「三輪鳥居」といわれる左右に小さな鳥居をくっつけた珍しい鳥居を過ぎて参道を行くと豪華な山門をくぐる。奈良の大神神社にもこの形の鳥居が伝わっており、神代以前からの古い伝承だろう。山門は鮮やかで300年以上も昔からここに建っていると思うと神々しい。

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狛犬 三峯神社

 狛犬ならぬ「オオカミ」が神の使いとされる三峯神社では、スリムなオオカミが鎮座している。ヤマトタケルの道案内を行ったとされているのは、熊野大社の「八咫烏」のお話によく似ている。

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拝殿 三峯神社

 神代以前からの神社に多い「いざなぎ」と「いざなみ」が主祭神、ヤマトタケルの伝承も伝わることからも、大昔からこの地で信仰を集めていたに違いない。たどり着いた拝殿は、石段の下から見上げる建築で、色彩の鮮やかさが際立つ。隙間なく施された彫刻と彩色、周囲に巡らされた緑色と朱の対比がきれいだ。思い出すのは日光の東照宮の鮮やかさ。正面の左右には2本の神木がでーんと構えている。

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赤い目の龍神さま

 ここは、自然の“気”が満ち溢れる関東最強のパワースポットらしい。2012年、三峯神社の石畳に突如現れたのが、赤い目の「龍神様」。金運上昇とツキを呼ぶこむ三峯神社の「龍神様」を拝めば、運気UPすること間違いなし!なんて、商売っ気たっぷりな宣伝が目に付く。目のようにはみえるが、鼻先が妙に長くて、小生には「龍」には見えないなあ、敢えてたとえれば「でっかいヤブ蚊」かなあ。こんな発想の小生には運気アップは望めない。

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三峯神社 門前

 駐車場までの門前でみかけたモミジの紅葉、オレンジから赤に変わるのか、太陽の光を透かしてごく鮮やかに。艶やかさでは小生の見る今季最高のモミジだ。さて、モミジを調べて疑問に思ったこと、カエデとはどう違うのか?答えをまとめてみると・・・「カエデの中で葉の色が変わるものをモミジという。」さらに「モミジは葉の切れ込みが多くて深いもの、カエデは葉の切れ込みが浅いもの」などという鑑別が出てきた。ナルホド、ナルホド。

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林道 大血川線 終点

 神社の駐車場を抜けてさらに奥に続く山道があり、大血川線と標示がある。手前が広場になっていて、今朝通り抜けてきた雁坂トンネルのあった山々が逆光に見えていた。秋の紅葉とススキの穂、とても静かな景色だった。

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大滝食堂

 さて、今回のツーリング最大の目的、大滝食堂にやってきた。三峯神社から山を下りてくると程なく、大滝食堂に到着、主のYさんとは11時頃と約束していたが、まさにオンタイムでの到着だった。暖簾をくぐるとすぐに調理場から出てきて頂き、初対面の挨拶をさせていただく。お話聞きたいことは山ほど有るが、まずは食券を購入して料理を待つことにした。

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バイク弁当 ノーマル

大滝食堂は基本メニューは「豚からあげ丼」でボリュームの違いで3種類有る。これがバイクのタンクを模したお弁当箱に入って出てくるので、バイク弁当ともいわれる。すぐに注文の品が目の雨に出てきてかぶりつく。甘辛に炒めた豚肉のからあげが食欲をそそり、なるほど人気の訳が分かった気がした。弁当箱は持ち帰っても良いように、コンビニ袋までテーブルに用意されていた。

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大滝食堂オーナー Yさん MT-01 OS

 珍しいMT-01を選び、なおかつ見かけないOSカウルに拘って所有しているYさんがどんな人で、何が気に入ってMT-01を選んだのか、などなど興味は尽きない。接客しながらの小生への応対なので、申し訳ないかぎり。できればゆっくりとお話がしたいけど、まずはお会いできただけでもよしとしなきゃね。
 伺った中では、やはり小生と同じように、MT-OSのショーモデルをみて気に入られたようだ。だから量販車になってショーモデルよりもリア回りのデザインが変わってしまったことを嘆いていた。これまた小生も同じ思いだ。いつかゆっくりとバイクを並べてお話をしましょうと約束してお暇した。

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中津峡

 秩父のオススメ観光地の一つ、紅葉のキレイな中津峡にも足を伸ばした。大滝食堂を出て、来た道を戻る形だ。ダム湖沿いから支流を上ってゆくと谷は次第に狭く険しくなって、そこを彩る紅葉が左右から迫ってくるような迫力がある。平日ではあるが、訪れる人たちも多め、カメラを片手に散策していた。

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秩父めぐり

 さて、今晩は秩父で一泊の予定、ならば夕方までもうすこしこのあたりを回ってみようと。まずは、聞いたことのある「定峰峠」を走るべく秩父の街を通り抜ける。しかし、これがなかなか大変で、お昼時でもあったが、秩父市内は信号もクルマも多くってノロノロだった。秩父市内には迂回したりバイパスになるような抜け道もない、年中渋滞していそうな雰囲気だ。

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定峰峠

 以前にYou Tubeで定峰峠をVmav1200で駆け上がる動画を見たことがあるのだが、カメラのマウントや音取りが優れていて何度も見た覚えがあった。その定峰峠がすぐそこにあるのを知ったからには行くしかないでしょ。秩父の町から定峰峠の登りにかかる。思っていたよりも狭くてタイトなくねくね路、峠道というよりも舗装林道の山越えのような雰囲気だ。頂上からは尾根伝いに道が続いていて、このあたりを熟知したらおもしろそうだった。動画でみた覚えのある景色にも遭遇。

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 秩父に入り込む主要なルートを体験してみたかったので、もう一度東から回り込んでR299へ向かうこととした。下道でも良かったのだが、名古屋人には理解できない道路の混雑が予想されたので高速道路を使って迂回する事にした。まずは最も近い花園ICに向かって山を下りてきた。その先にあったのが道の駅花園、トイレ休憩やコーヒー缶でひと息休憩。

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西武秩父線 高麗駅

 関越道、圏央道と乗り継いで狭山日高ICで下道に、R299を秩父に向かって登り始めた。このあたりも始めて来た土地、周囲がゴルフ場だらけで驚かされる。西武秩父線を横に見ながら、国道はカーブを描きながら山の中に入って行く。流れている川は高麗川、そして高麗駅の表示があったので、興味をもって駅に立ち寄ってみた。駅の案合図には、この地が高麗人が入植して開拓をおこなった場所だと分かる。太古の7世紀、唐や新羅に滅ぼされた高句麗の帰化人を大和朝廷がこの地を開拓して居住させてと言われている。帰化人達はこの地から、大陸の様々な文化を広めていったであろう。今も地名や史跡が残っていることがすばらしい。

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 R299は幹線国道なので交通量も多いが良く整備された国道だった。旧道へはいる分岐があれば、その都度入りこんでみて集落の雰囲気を感じてみる。古くからの家屋だけではなく、真新しい普通の住宅や企画された住宅地があるのに気づいた。秩父線にのれば、先ほどの高麗駅から池袋駅まで1時間と少しで到着できる。なるほど、都心への通勤圏としてはこんなに離れていても十分にあり得る通勤時間だと思った。

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正丸峠入り口

 夕刻が迫ってきてだんだんと心細くなる時間帯。もう少しで秩父という場所に正丸トンネルが見えてきた。その手前に信号三叉路があり、なにやら「旧道」のにおいがした。夕刻の16時になろうとしていたが、意を決して右折して探索してみる。ナビではこのまま先ほどの定峰峠に通じる林道のようなものもあるし、この峯を取り巻いて反対側に出るルートも確認。「トンネルある場所に旧道あり」の格言(オリジナル)を信じて旧R299と思われる峠道に入り込んでみた。

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正丸(しょうまる)峠

 センターラインがなんとか残っているクネクネ道を上がって行く。交通量は皆無で、これで良いのかちょっと不安になる。数キロ上がっていくと峠に到着。昇ってくる道すがらも周囲の林は紅葉で真っ黄色だった。峠からは関東平野が一望できて、遙か遠くに夕日を浴びた都心の高層ビル群が見える。後に調べてみると、小生が大学生の頃の1980年代は、バイクが大挙して走りに来ていた峠道だったことが分かった。まあ、よくもこのような狭い峠道をかっとんでいたものだ。

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 下りにかかるとキャッツアイまで残された立派な道路になっている。正丸トンネルが出来る40年近く前までは、ここが秩父に行くための大事な峠道であった証拠だ。

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道の駅 あしがくぼ

 旧道を降りきると元のR299に同流する。夕日が落ちてしまった夕方4時半に最後の休憩として道の駅あしがくぼに到着。ツーリングを終えて帰宅ムードのバイクたちが立ち寄っていた。ソロライダーも、数名の小グループも、もっと大勢のマスグループも各の思いでまったりしている。小生は宿の電話番号をナビに入力して再出発。

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秩父 だいます旅館 焼肉まる助

 宿に着いたのが17時、主がバイクの音を聞きつけて玄関まで出てきてくれ、屋根付きの駐車場まで案内してくれる。こちらも一人旅相手には、素泊まり設定。さっそく荷をほどいた後は、気楽な格好に着替えて夕食に出かける。主のお薦めの焼き肉屋まで、宿の雪駄をならしながら散歩する。
 秩父グルメの名物は「わらじカツ」「豚みそ丼」「ホルモン」などなど、いずれも豚肉がメインなことが共通だ。お昼に頂いた「ライダー弁当」も豚肉だった。紹介されたお店の看板メニューが「生ホル」、一人焼肉の寂しさがあったが、まずはお薦めを食べてみた。よくあるホルモンは一度湯がいたモノがおおいそうだが、新鮮が売りのこのお店では切り出したままのホルモンを頂くそうだ。。。。ホルモンは好物ではあるが、日頃食べていたホルモンが湯がかれたモノかどうか、小生には分からない。何はともあれ、口に入ったら旨かった。
 大滝食堂のYさんからは、夕食に一献いかがですかと、素敵なお誘いのメールも届いていた。望外のお楽しみではあったが、直前での承諾はご迷惑にもなろうと泣く泣くご辞退させていただいた。次回お会いする機会には、ゆっくりと酒でものんで語らいたい。
 さて、明日も天気は良いようだ。風呂にもはいってさっぱり、あすはどこを走ろうかと〆の缶ビールで思いめぐらした。

秩父の旅 2/2に続く



# by akane8150 | 2018-11-06 23:02 | Motorcycles | Comments(6)

Z33 ロードスター 8 白川郷 白水湖 白水の滝



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 紅葉を目当てに360°カメラでも回そうと、お出かけを考えた。バイクの準備をしてGLサイドカーで走り出したのだがチョークを引いてかろうじて回るものの、エンジンのふけがまったくおかしい。近隣をぐるっと回ってみたが良くなる気配もないので、GLを諦めてフェアレディZで行く事にした。
 行く先は白川郷の白水湖(はくすいこ)、大白川ダムとしてその前後のお山で紅葉が楽しめるだろう。東海北陸自動車道路の清見ICまでは高速道路、あとはR156をのんびり北上、途中の荘川桜や御母衣ダムなどを見て回ってきた。

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県道白川公園線

 ダムから2kmほどさらに北上すると、国道から左に折れて山奥に進む道が出てくる。岐阜県県道451号「白川公園線」は霊峰白山の東山麓にあたり、例年11月に入れば積雪などで冬季閉鎖になってしまう。延長13kmの終点には大白川ダムと白水湖があり紅葉の美しさが知られている。さて今年の紅葉のぐあいはどうなんだろう!

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 10月最終週の訪問であったが、すっかりと紅葉はすすんでいた。樹種によってはすでに落葉してしまっているが、蔦の朱やぶなの黄は真っ盛りに思える。天気は快晴でブルー1色の空に木樹の色が良く映える。それにしても
県道は1~1.5車線の鎰路の部分がほとんどだから、クルマ同士のすれ違いもやっかいだ。

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白水の滝

 もう少しでダムというあたり、左手に白水の滝の案内を見つける。クルマを停めて路傍をおり紅葉の林を進むと、、、ありました、白水の滝。 一条の真っ白な瀑水が80m下の滝壺までまっすぐに帯を引いている。色彩に溢れた絵画の真ん中にぽっかりと岩肌がそびえ立ち、中央の白水の滝を引き立たせている、このまま描いても絵になる構図だ。後学ではこの滝は日本三大瀑布に含まれるくらい有名で、那智の滝、華厳の滝と肩を並べるのだから大したものだ。
 滝の駐車場では男性ふたりのちょっとした口論に遭遇。70才以上と思しき高齢者のドライバーに後続していたクルマのドライバーが声高に言い寄っていた。「後ろが大渋滞なんだから、あなたはクルマを路肩に寄せるくらいの気を遣うべきだ。」。。。こんな感じの内容だった。すれ違いもままならないようなドライバーがこの県道を走れば、クルマの流れを止めてしまうだろう。相手に道を譲るぐらいのマナーとゆとりは持ち合わせていたいモノだ。

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ブナの林

終点の大白川ダム周囲はキャンプ地や登山道などで賑わっている。この地で手つかずのブナの林が残っていることは貴重とされ、黄色に紅葉するブナの木々がすばらしい。杉やヒノキが植林され、年中緑一色な人工林に比べ、なんて自然林は美しいんだろう。

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白水湖

 約60年前に作られたダム湖で、濃いブルーの水面がすばらしい。湖に流れ込む温泉がこのブルー色を作り出しているといわれる。ダムの周囲には、登山道の入り口、小さな避難小屋、立ち寄り湯、キャンプ場などがあるくらいでとても静か。自然林のお山は黄色、橙、朱に染まり紅葉まっさかり。


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大白川露天風呂

 湖畔にはトーチカのような頑丈なコンクリート製脱衣場の露天風呂施設がある。近くのロッジに仮設のチケット販売所があり、入浴料300円で楽しむ事が出来る。湖の奥の地獄谷というところに、源泉温度96度の源泉があって、ここや下流の平瀬温泉までお湯が引かれている。硫黄の香りのするお湯で、湯船はどうどうと掛け流しで溢れている。正面は湖畔が広がって、何の衝立も壁もない、「すっぽんぽん」の大らかな露天風呂。隣の女性風呂も似たようなモノだろうから、この手のワイルドさが耐えられない人には無理だろう。でもお湯はいいし、景色や状況は最高、これは極楽であった。
 居合わせた初老の男性と湯船で会話。大阪からご夫婦で朝早くからの日帰りで来ているそうだ。「滝マニア」で全国の滝を探して回っているが、「白水の滝」はすばらしかったと感想を述べてみえた。唯一残念なのが、湯船の底に朽ちた落ち葉が貯まっていて、湯船はお茶の葉が舞う急須の中みたいになっている。
 県道の交通が出来る6月から11月初めまで、1年で半分以上雪に埋もれてしまう秘境中の秘境の温泉ともいえるだろう。

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野谷庄司山 1737m

 さくっとお風呂を楽しんで帰路につく。R156に戻り北上して白川郷を目指す。正面には背景の真っ青な空に映える沢崩れのお山がくっきりと見える。家に帰って調べると、「野谷庄司山」という1800mほどのお山でこの峰の向こう側を白山スーパー林道が山越えをしてゆくところだ。ちなみに白山スーパー林道は「旧称」で白山白川郷ホワイトロードに変わっている。「林道」ってのが砂利道を連想させ観光客が敬遠するからだそうだ。旧称の方がよほど格好いい。



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コダック PIXPRO SP360 岐阜県道白川公園線

 ドーム状画像から得られる360°のダイナミックな画像は面白くってこのカメラでいろいろ試しているところだ。専用ソフトを遣えば視聴者は前後、左右、天井と視点を変えることが出来る。編集すれば1台のカメラで幾つもの視点からの画像を作り出すことができるわけだ。
 難点は振動に弱くって、クルマやバイクに直接マウントすると「ブレブレ」の画像になってしまいやすい。形態上、ボディマウントも難しいカメラなので、このあたりのぶれ対策が必要だ。画質もGopro4に比べると粗いものになっているし、外部マイクの拡張性がない。

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白川郷の大渋滞

 帰路はR152を北上して白川郷ICから高速に乗ろうと思った。さて、白川郷にお昼ぐらいにやってきたら、対向車線がトンデモナイ渋滞を起こしていた。国道沿いの観光用駐車場に入ろうとするクルマ達が、ICの料金上近くまで4,5kmのまったく動かない車列を作っていた。反対側から来ていたらと思うとゾッとする。北上してICから帰ろうとする小生はまったく渋滞無し。みなさん、よくも我慢していられるものだ。せっかちな我が家だったら、もうとっくの昔にUターンして諦めているだろう。




# by akane8150 | 2018-10-31 07:38 | Cars | Comments(2)
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