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MT-01 OS 17  ダム巡り( 佐久間・水窪・平岡・矢作)



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肋骨の痛みも分からなくなり、家族を説き伏せつつMT-01で出かけた(^^ゞ。約1ヶ月ぶり、近めで済まそうなんて思って出かけたが、佐久間町の原田橋のその後を見たくなって東へ走った。


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原田橋仮設道路案内

浜松市佐久間町は奥三河と天竜をつなぐ要所にあたる。その要所を支えていた吊り橋が「原田橋」だ。50年以上の酷使により老朽化した吊り橋の掛け替えを始めたが、2015年1月に壁面の崩壊とともに老朽化した原田橋も、さらに掛け替えようとしていた新原田橋も崩落してしまう。他に迂回する橋がなかったために、周辺住民の生活のみならず、観光・商業にもおおきな災いとなった。クルマはもちろん、バイクや自転車、歩行者までも通行できない期間が続いた。近隣の東栄町は原田橋があれば20kmに満たない距離なのに、原田橋が使えないと狭い山道をつかっても80km以上の遠回りとなる。

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原田橋崩落現場

上の写真は斜面が崩落して、新旧の原田橋を落橋した場所で、左に国道473号が見える。橋が架かっていた周辺は険しい山合いにあり、同じ個所に安易に付け替えることは困難であったようだ。そのため、緊急で河川敷に新たにコンクリート道路が作られて、沈下橋をつかって渡河できるようになった。しかし天候や車種に制限があり、いまだに自転車や歩行者は渡ることがでない。1年半以上の間、町内が分断された状況が続いている。

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在りし日の原田橋 (ウイキペディアより)

この橋はとてもレトロなイメージがあって、何度か渡っているが印象に残っている橋だった。老朽化して国も対策を取っていたにもかかわらず、崩落する直前に小規模な土砂崩れがあり、その状況調査に来ていた土木職員2名が原田橋とともに川に転落し命を落としている。


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佐久間ダム

その原田橋のすぐ上流に位置する佐久間ダム。規模も雰囲気も堂々としたダムで戦後の日本復興のシンボルともいえる土木構造物だそうだ。東側の静岡県道288号線は日本屈指の酷道で有名なところ、その対岸は愛知県県道1号線がいくつものトンネルで繫いで走っている。完成当時はこの僻地にたくさんのバスがやってきて一大観光地であった。


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どんどん渕

佐久間の街から狭い谷を駆け上がってゆく県道290号、箱庭のような茶畑や村落が続く大好きな峠道。途中には地元の昔話に因んだ看板が立っている。その一つの「どんどん渕」の言い伝えは以下のようであった。” その昔、亡くなった両親を弔うにも客をもてなす器がなかった農夫は、どんどん渕に住む大蛇にお椀を20組借りることができた。その後村人達が代わる代わる器を借りたのだが、うっかり者が違う器を返してしまったために二度と借りることができなくなったとさ” この類いの伝承は日本にたくさん広まっていて、「椀貸し伝説」といわれている。モノの本によると日本中に広がっている伝承であるが、特に中部、関東に多い。これは木地師の多かった地域と重なっており、山にやってきた木地師たちと地元の村人達との繋がりが「椀」を借りるという伝承につながったともいわれている。日本各地に広がった同じような言い伝え伝説、その起源など調べたら面白いだろうなあ。


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北条峠 静岡県道290号 水窪羽ヶ庄佐久間線

この県道は「二つ杉峠」と「北条峠」の二つからなっている。二つ杉のいわれはそのまま・・・二本の立派な杉があったから。北条は、北条ゆかりの落ち武者がこの峠を抜けていったことによるそうだ。この峠には茶屋があって地元のおばちゃん達がそばを食べさせてくれる。ついつい立ち寄ってしまう心休まる峠の茶屋だ。


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佐久間町奥領家

県道沿いには「山岳集落」といえる集落がある。谷間から山の頂上付近に至るまで家屋が点在し、その標高差は驚くほどで山全体が一つの集落になったかのようだ。中央構造線沿いの街道 (有名なのは日本のマチュピチュ下栗の里)や紀伊半島の十津川あたりでも遭遇する景観だ。なんでこの山奥に、なんであのような高い場所に、などと疑問は次から次へと沸いてくる。ひとつの答えは・・http://www.shurakumachinami.natsu.gs/02system-page/system_sangaku.htm を知ってなるほどと納得。人間の知恵がこのようなすばらしい景観をもたらしている事に感嘆する。しかしこの先は利便性を求めて人の住まいは都市部に集中化し、数十年後の日本の人口分布は今以上に偏っているのではないだろうか。50年後の山々の村落はどうなっているんだろう。


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水窪ダム

草木トンネルが無かった頃、国道152号を北上するには水窪から水窪ダムに向かって林道を迂回するルートしか無かった。今回はその旧ルートを走るために、まずは水窪ダムにやってきた。ロックフィルダムのどでかいスケールに圧倒される。堰堤は車でも走れるのだが、ガードレールなどがなく、トライアルのバイクならその壁面を下まで降りてゆけそうな景観が面白い。この奥の林道はやがて浜松の春野にぬける楽しそうなルートで、いつかセローで走ってみたい。


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草木トンネル 

三遠南信自動車道になるはずであった草木トンネル、2kmちょっとのトンネルは岩盤がもろく難工事となった。人しか通れない青崩峠を抜けるために、草木トンネルを自動車道工事全体よりも先行して着工し完成させた。このおかげで、水窪から兵越峠にいたるルートが短縮されて今に至るわけだが、当初の計画したルートがあまりに危険なために、このトンネルから北に向かう峠越えのルートは取り消されてしまった。そのため高規格なインターチェンジにしようとした広々とした路面がこんな山間部に残されている。当初から十分な地核調査を行っていれば、このような税金の無駄遣いはしないで済んだであろうに。

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兵越峠

水窪から兵越峠までの林道は開けた谷を上がってゆく快走路。適度なカーブと木漏れ日の路面は最高に気分がいい。峠の頂は切り通しとなっていて、この先の長野県側はつづれ折りで一気に高度を下げて山を下る。


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峠の国盗りと綱引き合戦

年に一度、遠州軍(水窪町)と信州軍(南信濃村)の間で国境を決める綱引きが行われる。それぞれの商工会議所などが中心になったイベントであり、勝った側が国境を相手領地に1m進めるというルールだ。平成27年度第29回大会では遠州軍が勝利したが、現状は本当の県境よりも3m、浜松寄りに標識が立っている。これまで信州軍16勝、遠州軍13勝で信州軍が3つ勝ち越している。29年間の間に信州側に「国境」が立てられたことは無い。きっと遠州の人たちは捲土重来を思っているに違いない(写真は至福の時間さんより)。


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道の駅 遠山郷

深い山を走ってばかりいるとこのような道の駅はホッとする。トイレ休憩とガソリン補給、どっちも気になることで、特にガソリンタンクの少ない愛車では山奥でのガス欠だけは避けたいところだ。このあたりまでくると日陰に入れば、涼しげな風が心地よい。中央構造線の谷間にあって、一息つける場所だ。


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平岡ダム

遠山郷から天竜川本流に戻る。コンクリートダムでがっしりした平岡ダムは下流の佐久間ダムと並んで日本屈指のダムだ。まあここに来たのはダムを見に来たわけじゃなくって、この先のワインディングロードがお目当て。適当なRをえがくカーブが続くダム湖沿いの面白いところで、クルマも少なく気分よく走れる。


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長野県道46号 阿南根羽線

天竜川から売木村まで山間を抜ける一本道。対向車が来ればバイクならなんとかすれ違える狭い路が延々と続く。こけが生えていたり、砂が浮いていたり、落石があったり、見通しもきかないカーブが続くために気が抜けない。リアが滑るくらいならまだマシだが、フロントがずりっとするときにはドッキリ冷や汗もの。特にMT-01でこのような路を走るときに気をつけるのは、緩やかなアクセルコントロールと路面の把握だ。滑りそうなカーブでは、なるべくバイクを立ててパーシャルアクセルでやり過ごす。見通しがよくって路面も大丈夫であれば、しっかりとアクセル開けてのメリハリ走行。。。 でもなんで 吉野では転けたんだろう?? いまだにわからない。


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月瀬の大杉

売木から平谷村を抜けて根羽村に入る。ここにはでっかい杉の木が鎮座する。樹齢1800年ともいわれる月瀬の大杉だ。長野県で最もおっきな木、全国でみても6番目にでかい杉の木だ。幹周りの迫力は半端ない、根尾の薄墨桜と肩を並べるくらいだ。願掛けで「虫歯」が治るといわれるあたりが面白い。虫歯と杉の木、どんなつながりがあるんだろう??


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矢作ダム

愛知県の山間、アーチ式のコンクリートダム。ダム湖周囲のワインディングロードはクルマやバイク、自転車などの集まる場所となっている。カーブは小さく切り返しが多いクネクネ道、したがって初心者がオーバースピードで対向車線に飛び出して事故するなんていうお話が多い。バイクでもクルマでも、このようなクネクネ道では「アウト・イン・アウト」のライン取りで、なるべく先の路面や対向車の状況をつかむことが必要だ。車線の中央をラインとするのが最も融通が利いて安全のマージンも多くなるが、より積極的に車線を一杯に使うことでブラインドの先の出来事に対応しやすくなる。あとは十分なブレーキングの進入とアクセレーションを伴ったコーナリングが安定した速い走りを生み出してくれるだろう。

リハビリ目的で遠山郷まで足を伸ばしたが、振り返るとおっきなダムを4つ巡ってきたことになる。ダムマニアではないが、好きな山奥にはダムが潜んでいることも多く、ダムのうんちくも知りたくなった。



Commented by Rip at 2016-08-05 15:37 x
完全復活、おめでとうございます。
下道たっぷりツーリング、ご苦労さまです。
名古屋市からだと、中部地方も近畿地方も両方近いからいいですね。

愛知r1とR152は一度走ったことがあるので、なつかしく思い出しながら、読みました。
http://nakanakanarenai.blog20.fc2.com/blog-entry-626.html
r290はいい道みたいですね、走っておけばよかった…。
Commented by akane8150 at 2016-08-06 13:36
こんちは
Ripさんも酷道好きなんですね〜〜 高速道路が好きな人、嫌いな人 狭い山岳路が好きな人、嫌いな人 バイク仲間でもいろいろありますよね。同好と知ってうれしいです。
ブログ大先輩のアーカイブを拝見しました。SRX600よいバイクですね、一度所有してみたかった。山道も面白かったに違いない。MT-01でも未舗装でなければ大体走ってしまいますが、狭い場所でのU-ターンやきつい下りなどは車重を持てあまします。
Ripさんのブログは話題も多いし造詣も深いのでアップを楽しみにしています。これからもよろしくお願いします。
by akane8150 | 2016-08-03 22:43 | Motorcycles | Comments(2)