
小生の身の回りに、病と闘っている仲間がいる。治療に小生が関わっていないのでせいぜい愚痴を聞くくらいしか出来ないのだが。。。困ったときの神頼み、仲間の代わりにここはひとつお宮参りにでも行こうと思い立った。ならば熊野三山を巡ってこようと、朝5時に家を出た。

花窟神社(はなのいわや)
高速をひた走り、尾鷲から熊野の海岸に出ると右手に高さ50mにも届こうかとする巨岩が見えてくる。この巨岩をご神体として「いざなみのみこと」が亡くなった墓所とされている花窟神社は日本最古の神社とされる。長いお縄掛けが巡らされた巨岩を見上げると、なんとも厳かな気持ちになるのが不思議だ。


熊野速玉大社
名古屋を出てから3時間で新宮に到着。熊野三山は「熊野速玉大社」「熊野那智大社」「熊野本宮大社」を総称したもので、全国に広がっている熊野神社の本山だ。熊野速玉大社は新宮市内にあって国道からもすぐの場所で、三山最初の参拝をした。時間も早く訪れているのは地元の人だけの静かな雰囲気であった。ここの祭神は熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)のふたりの神、いわゆる夫婦の神といったところか。
それにして、ずいぶんと道路が整備されたものだ。大泊〜新宮の未開通区間を除くとほぼ名古屋から新宮までの200km以上が自動車道でつながっている。熊野や新宮までが日帰り旅行範囲なんて30年前には考えもしなかった。

那智の滝
次いでさらに西に向かって那智の滝。写真にしてしまうと削がれてしまうが、その場で見る滝の迫力はなかなかのモノ。天気もいいから滝の白さと青空が際だって良い景色。

熊野那智大社
熊野那智大社は熊野夫須美大神をまつるとあって、熊野速玉大社の祭神の奥さんにあたる(^^)。夫婦で熊野三山を支えてるわけで、子孫繁栄・子宝の神様でもあったんだろう。 那智の滝を自然崇拝した古代の姿が熊野那智大社の始まりであったから、このお社が歴史に名前が出てくるのは他の二社に比べてやや後になる。有史よりも古くから、数え切れない人たちがこの滝を崇めてきたと思うと、なるほど世界遺産になってもおかしくない。
長い石段を上がって参拝するのが普通だけど、南からつづれ折りを登ってくると本殿近くの社務所駐車場に止めることが出来る。ここまでクルマ・バイクで上がってこれると本殿までは目と鼻の先。ずいぶんとずるをしたけど、二礼二拍手一礼で本願を伝えた。お隣には那智山青岸渡寺も控えて、古代からの神仏習合をよく表している。



神倉神社
再び新宮の町に戻る。町の北側、岩山の上に小さな社が見える、熊野速玉大社の案内図にも載っていた神倉神社。熊野権現が最初に降り立ったのがこの神倉神社とされ、熊野三山の始まりの地とされる。ゴトビキ岩と呼ばれる巨岩がこの神社のご神体で、創建年代は128年頃で神話の天磐楯として登場する。これも那智の滝同様に自然崇拝から発生した聖地で、やがてそこに神話や仏教が混ざり合って近代に至ったのであろう。最初に権現が降り立った場所としてこのお宮を「旧宮」、そして新たに創設された速玉大社を「新宮」と呼んでいるが、これはこの地「新宮市」の由来。朝一で寄ってきた「花窟神社」の岩壁と神倉神社の巨岩は「対」とされ、この「ゴトビキ岩」と花窟神社の「ほと穴」はそれぞれ男性・女性のシンボルで古代信仰の姿を残している。
新宮市内の住宅地にニョッキリと断崖絶壁のお山、この麓から120mの高さの拝殿まで、恐ろしく急な石段を538段登ってゆかなくてはならない。30度を超えようとするこの日の夏空では、バイク装備のブーツやウエアが辛い。この石段は源頼朝が寄進したとされるが、もうちょっと斜度を下げて安全に登れるようにして欲しかった。この石段を転げ落ちた気の毒な信者がきっと何人もいるにちがいない。逆に・・・この石段を安全に上り降りができるってことは、その信者が健全で長生きもできることを示してるのかも。
たかだか120mとはいえ、清風がふく山の風が心地よい。目前には新宮の町並みが一望できる。時間はもうすぐ11時、お腹が空いてもきたんで、このお山の麓にあるお店にむかって石段を駆け下りた。


新宮 めはりや
新宮名物の「めはりずし」を頂きに「めはりや」さんに到着。しょうゆ漬けた高菜のおっきな葉っぱでご飯をおにぎりのように包んだものがめはりずし。このしみこませた醤油だれがシンプルなんだけど美味しい。串カツ、豚汁も自慢の料理のようで、「おためしセット」がお薦めかな。友人宅と家族へお土産に、自宅で作れる「めはり漬け」を2つ購入してバイクにくくり付けた。完全に凍っているので、発泡のケースだから夕方の名古屋までは持つとのこと。
国道168号 通行止め
さて、新宮の町を出て熊野本宮大社へ向かうべく、168号を北上開始のはずが町を抜けたところで通行止め・・・この先で法面が崩壊したとのこと、直接の迂回路がないのではるか東の国道169号を介して瀞峡方面から迂回する事となった。。もう一度新宮市内に戻って約50kmの迂回路、それでも行かなきゃ、まだ本日の目標を達していない。


熊野本宮大社
熊野三山の〆、本宮大社には12時到着。土砂崩れの通行止めが無ければ、もっと早く来れただろう。通行止めのためなのか、駐車場も空いていて参拝者が少ないように思えた。ここにも石段が鎮座しており。。153段を上がって本殿に到着。本宮大社は家都美御子大神(けつみみこのおおかみ、熊野坐大神〈くまぬにますおおかみ〉、熊野加武呂乃命〈くまぬかむろのみこと〉とも)を主祭神とする。家都美御子大神は唐の天台から飛来した神、のこりの二人の神様の素性は、ウイキペディアをもってしても不明との表現。これだけの歴史をもったお社の祭神がよく分からないって?? 文字の無い大昔からの継承が、祭神の詳細まであやふやにしてしたのか?? いろいろ考えると想像が掻き立てられすっごく面白い。いずれにせよ、巨岩や奇石、滝などに神を見いだしてきた自然崇拝が古代からの宗教であって、そこに神さまや仏様のお話が後付けされて現在に至るって考えるのが妥当か。
明治22年の洪水でそれまであった熊野川中州の大社が流されて、現在の山腹に移転した。明治に入って森林の伐採量が増え、洪水が起きやすくなったのが原因だ。2000年以上にも渡ってお社が熊野川の中州に君臨してきたってのも興味深い、きっと古代にも洪水がたびたび起きたであろうが、敢えて洪水の際には危険となる中州にお社を建設してそれを維持してきたのはなぜなんだろう?? 最初から洪水の心配の無い山に作ればいいのに・・・、。
本願を伝えて参拝、熊野三山のお守りもゲット、本日の祈願参りは達成だ。さて、これからどうしよう?? まだ日は高いし、十津川から北上して三輪大社も回ってこようか、・・・ そうそう、十津川村から入り込む「玉置神社」もお参り甲斐のあるお宮、これに寄ろうと決めて熊野川を上流に向かって走り出した。
十津川 七色
蛇行する熊野川を串刺すように新しいトンネルで168号は快走できる。深い谷沿いに道路がクネクネと続いていくこの景色は、十津川を連想させる景色だ。平日ではあるけど。。。妙に交通量が少ない?? 炎天下はじりじりと暑いけど、連続するトンネルの中は冷蔵庫のようで一時のクーリングが気持ちいい。
十津川 十二滝
クネクネ道の途中には、はっとするほど綺麗な滝に出くわす。水の量は決して多くないが、その高さと容姿がすばらしい。滝フェチではない小生でも思わずバイクを停めてしばし見とれた。

さてダムも過ぎてもう少しで十津川の集落と思っていたら、通行止めに出会う。クルマは何台も止まっており、ドライバーも路肩で座っている?? 車列の前で看板を見ると、道路工事の時間規制でこの先50分の通行止めと分かった。開通するまでここで待つのはあり得ない、しかしこれを進まないと玉置神社は断念することに、、、さらにここを抜けないと奈良方面からの帰宅も無理になる。やむなく引き返して、再び本宮大社に向かって走り出した。また同じルートで名古屋に帰るのはいやだな〜、まだちょいと時間があるからどこかに立ち寄ってもいいな、などなど思案。
湯の峰温泉 共同浴場
玉置神社には通行止めで行けない、これはきっと神様の思し召し。ならば、温泉に浸かって帰るべしと湯の峰の共同浴場に立ち寄った。ここは小生の大好きなお湯、ちょっと高い料金を支払って「薬湯」をチョイス。「薬湯」は源泉90度を薄めること無く温度を適温にした贅沢な温泉、湯の峰の御利益を100%味わえる、硫黄泉の湯の花とぬるっとした源泉ゆずりの感触、やっぱりえ〜わ〜。初めの計画では熊野から奈良方面に抜けて名古屋へ帰る予定であったが、メイン国道168号の二か所の通行止めに引っかかってあえなく断念、さらに玉置神社にも行けず今回のツーリングは「道路の神様」に見放された感があった。二度あることは三度あると自分に言い聞かせていたけど・・・
気持ちよく湯船に入っていたら、「バイクで来たお客さん??」みたいに従業員の人から声を掛けられ・・・「あそこにバイク停めてもらっては困るんですよ・・・周りの住人がうるさくって、」なんてお叱りを受ける。湯の峰温泉は学生の頃から来ていて勝手知ったる部分があるので、まさかの駐車禁止??のチョンボだった。反省しつつも、今日三度目の災難に呆れてしまった。
鬼ヶ城歩道トンネル
湯の峰温泉にも浸かったので、本日の行きたいところははこれにて終了、あとは家に向かって走るだけ。お金のかかったトンネルを幾つかやり過ごし、至極快走の奥瀞169号線を突っ走る。熊野市は小さいけど味わいのある町、西から東へこの町を抜けるときにはぜひ寄ってみたい鬼ヶ城歩道トンネル。大正14年に竣工された当時では珍しいクルマ・歩行者用のトンネルだ。煉瓦造りとその大きさ、延長500mを越える堂々さなど、とても味わいがある。二股隧道や旧伊勢神トンネルなどで感じるジメジメさは全くなくって、暖かい人の気配を感じられるものだ。

鬼ヶ城海岸
鬼ヶ城隧道を越えるとそこはもう海、国道42号と合流して鬼ヶ城への分岐部だ。海の色は梅雨に入ったにも関わらず蒼く澄んでいた。もうすぐで海水浴シーズン。このあたりの海岸でのんびりビールでも飲んで日光浴をしてみたいなあ。

災い三度あることは、四度ある?? 友人宅によってお見舞いとお守りを渡して最後のミッション終了、友人夫婦に見送られ格好良く出発したんだけど。。。程なくして「あれ〜っ!!」て気づいて振り返れば案の定・・・・・後ろのシートはひらひらとネットが舞うだけで、自宅へのお土産はもぬけの殻・。友人に1つ渡したのはいいけど、残りの荷物にネットをかけず走り出してしまったのだ。きっと友人宅500m以内に小生の落とした「めはりづけ」とお風呂で使ったタオルが路上に落ちていただろう。小生的には冴えない事が続いた熊野三山ご祈祷ツーリングではあったけど、災いを小生が一手に引き受けたと思えば、病と戦っている友人たちに御利益があることを願ってやまない。
日があるうちに帰宅するようにしているが、今日は寄り道もあってすっかり日が落ちていた。お土産落とした事件は家族にうけたけど。。。家内にはひどく残念がられ。。。再度「めはり漬け」を通信販売で手に入れなおす羽目になった。

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村
にほんブログ村
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-237121853"
hx-vals='{"url":"https:\/\/akane928.exblog.jp\/237121853\/","__csrf_value":"dea57288024f1dc3e4300d4cc5056d7a4d7c27067211bfe7d2adef14fa262bb206b27aebabf7523bcee315ffe24dff8a19e5bf35954f592d4fc4e98d09e3d79a"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">