千尋峠 水呑峠
住古川
東紀州、後半戦。紀伊長島も通り過ぎR42号を西に進む。今日の主目標は、千尋峠の探索と未踏の水呑峠リベンジ。最初に目指すは秘境大杉谷の入り口、千尋峠だ。


大台林道
分岐部から数キロ走ると集落から外れて舗装からダートに変わる。いいな〜、やっぱり林道は砂利道じゃなくっちゃ。踏みしめられているので走りやすくどんどん川沿いを上がってゆく。路肩はワイヤーガードレールが備わっていてこれも安心、人が行き交いしていることで管理もしっかりされている印象。しかしすれ違うクルマも民家も全然途絶えて山奥感ありあり、さっきまで賑やかな海沿いを走っていたとは思えないほどだ。ところで側溝に使われているフタ、よーくみるとレールのようだ。なんで??

小木森滝
急流の左岸をどんどん高度を上げて登ってゆく。この林道を予習しておいたので、そろそろ滝が見えるんじゃないかと。。。お〜ありました、ありました。川むこうの尾根からぷっつんと滝が流れてるのが見える。これは落差がある滝だと素人目にもわかる。奥にひかえる山の端はすぐそこに見えるのに、水流があれほど豊かなのはなんでだろう??

小木森(おごもり)滝 (花鳥風月さんより)
対岸の滝に近づくには林道を外れてルートを示すテープを頼りに30分ほどでたどり着くそうだ。晴れた日に訪れた「花鳥風月さん」の写真はみごとにスケールのでかさを示している。落差100m以上の上段、さらに50mほどの下段、那智の滝を思わせるような豪快さだ。滝巡りをしている同好の中でもこの小木森滝はトップクラスの滝とされるのも頷ける。



千尋峠 千尋隧道
国道から約10kmで終点の千尋峠に到着。走りごたえのダートは路面のえぐれや脆弱な路肩などは少なかったけど、断崖絶壁のカーブが続き十分にクネクネ道を満腹した。似たような景色もあったりで、「多賀の大杉林道」を思い起こした。路面のガレ石は大杉林道の方がひどかったような。それにしても、林道はやっぱり未舗装であって欲しいなあ、全然おもしろい。
千尋峠のトンネルは昭和34年に竣工、なんとほぼ小生と同じ生誕。妙に親近感がわいた。隧道の手前にはクルマを遮断するゲート、数年前のWeb上の記事ではこのゲートを見かけないので、最近追加されたようだ。トンネルくぐった先で閉め出されても困るわねえ、、、。


千尋トンネル(大台町側)
トンネルの向こう側に出てみると展望はきかないけど、大杉谷に至る林道が続いている。この先に秘境が広がってるんだと感慨深く眺めていたら、その秘境側から軽トラがやってきた。作業を終えたご夫婦のお帰りのようで、「よくも上がってきたな」と声をかけられる。手慣れた手つきでゲートのカギを外してポッポっと通り過ぎていった。ゲートの上げ下げはご主人、その間は奥さんが運転、毎度の事ではあろうが、極めて手慣れたお二人だった。
降りてゆく軽トラを見送った後、小生も下山開始。セローだと2速に入れたまま エンジンブレーキでトコトコおりてゆく。軽トラもいいペースで降りていったようで、なかなか追いつけない。あっという間の下山で海が見えるところまで戻ってきた。

県道603号
大杉谷周囲は山が深いためか、山の稜線を貫いて、南北に通過できる幹線は県道603号が唯一だ。3年前の春に訪れていたが、災害復旧の工事で撤退した苦い思い出。バイク仲間のRipさんが最近、北からこの峠を抜けたとの情報を得て、前回のリベンジを果たそうと今日の〆のルート。まずはR42号の船津にある分岐部の電光掲示板、お〜〜、今日は通行止めとは書いていない!!
川沿いに登ってゆくといつしか民家は途切れ、県道はうっそうと茂る雑草に挟まれながら、奥に進んでいる。十分に走った頃にT字路に出会しこれを右「大杉」方面へ。大っきなゲートで本線も遮断できるようになっているけど 今日はちゃんと開いている。後述の「インクライン跡」はこの分岐を左にとって突きあたりまで行くとあるようだ。


大がかりな高架まで用意された最後の左ヘアピンを登ると、上がってきた下の道が斜面をえぐるようにくっきりと見える。このヘアピン部分は高度差もかなりのもので大がかりな構築が難儀だったろう。深い山奥にこれだけの立体構造物を作らなくてはいけない理由は何だったんだろう、木材の搬出路の確保のためだけだろうか。

森林鉄道 索道 インクライン (三重森林管理署より)

大杉谷森林鉄道(6月なんよ)さんより
帰宅後、大杉谷を調べていると大杉谷森林鉄道なる廃線があったことがわかった。ブログ「6月なんよ」さんの大河内川遡行はこの森林鉄道を探求している。昭和16年から41年までの間、下流の船津からこの県道に沿って森林鉄道が北に延び、中途では「インクライン」や「索道」を介して大杉谷の深い谷まで搬出路が確保されていたのだ。
開拓された昭和の初めの世界恐慌は日本の山村にも多大な貧困をもたらした。対する国策として森林資源の開発を建前に、山奥に向けて林道や森林鉄道などのインフラ整備が推し進められ雇用を作り出した。そのひとつとして大杉谷の国有林に多大な労力をかけて大杉谷森林鉄道が開発されたのであろう。やがて戦後になり大台林道の開通に伴って材木搬出の役が終焉を迎え、大杉谷森林鉄道は廃止となった。
大台林道で遭遇した側溝蓋に流用されたレールは、不要となった森林鉄道のものが流用されたに違いなかった。船津から水呑峠までの県道上にはそれらしき遺構や線路跡などを見かけなかったが、線路は下流の「インクライン」まで続いた。そして峰から「索道」で谷越えをして大杉谷の深い谷間まで搬出路は延びていた。


管ノ峠
3年前に引き返したあたりをスルーしてここから先は未踏の地。やがて深い切り通しの峠に出会う。後に地図で確認すると管ノ峠とある。路面には落石や枝葉が散乱している箇所もあったが、崩落や路肩の落ちたところもなく舗装路が続いている。
水呑トンネル(紀北町側)


水呑トンネル(大台町側)
尾根伝いを走るとついに水呑峠、トンネルに到達。峠はやっぱり抜けることが出来ると達成感もあるってもので、越えてみたかった満足感でいっぱい。急峻な山間だから崩落や落石は日常だろう、道路を管理している方々の労力と努力に感謝だ。
宮川貯水池 大杉谷登山道

宮川貯水池への峠からの下り
トンネルを抜けて大台町に入るとつづら折れであっという間に高度を下げてゆく。雨の多い地域、路面には多量の流水があったことをうかがわせる枝葉やガレの流れ止まりが方々に見られる。それでも道はしっかりしていて、MT-01でも大丈夫そうだ。




新大杉橋
貯水池周囲のクネクネ道を下流に向けて進む。果てしなく続くカーブに不安になったころ、大杉谷への分岐、「新大杉橋」に到着。最後の探索はこの奥に控える登山道入り口まで、バイクで行けるだけいってみようというもの。鉄橋は路面がネット状になっていてなかなかスリル有り。


「六十尋滝」
貯水池にそって対岸を上流に向かうとほどなく沢が右に拓ける。計ったら60尋あったので名前がついた六十尋滝、伊勢神宮遷宮の際の御用材はこのあたりから切り出されることが多かったようだ。この滝がある沢は「美濃ヶ谷」と呼ばれ、尾張美濃のきこり達が大昔にこの沢から御用材を伐採したことに由来する。

宮川第3発電所
新大杉橋から6kmほど上流に進むとついに行き止まり、発電所が現れた。手前には登山者用の駐車場、トイレなどが整備されていた。バイクで行ける最も奥まったところで、この先は大台ヶ原に続く大杉谷登山道(約18km)が延びている。登山道は7つの滝、11本の吊り橋をみながら山小屋を使ってだいたい2泊3日かけて原生林の森を抜けてゆく。小生もいつか日本三大峡谷の1つといわれるこの大杉谷を自分の足で歩いてみたい。

大杉谷方面
車道終点から望む大杉谷方面。水は青く透き通って緑はあおあおと繁り、晴れていればもっと見替えがいいだろう。1000mほどの峰の山々だからそれほど高いわけじゃ無いけど、山奥感・秘境感は半端ない。

大杉谷登山センター
再び折り返して貯水池を下ってゆくと登山センターに出てきた。紀北町側から峠を越えて30km先のこのあたりまで、ほぼ民家はもちろん人の気配がないところばかりだったから、なんとなく安堵する。人里に出てきたんだ~。

宮川ダム
宮川ダムは50年以上前に完成した三重県最大の貯水量をもつダムだ。ここまで来ればもう大丈夫、あとは大宮大台ICまで山道降りれば、名古屋までの帰路につける。高速に乗ってしまえば、2時間後には帰り着くはずだが、、、そろそろ坐骨が痛くなってきて座りポジションが辛くなってきた。時々、姿勢を変えたりお尻をずらしたりと工夫が必要。帰りの高速道路をスタンディングしたままで走っていくKTMオフロード車を見かけたが。。。。きっと彼はお尻が痛かったからに相違ない。
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