
紀伊半島縦走前半戦はこちら

和歌山県古座川町平井集落 11:20
肝心要のR371の点線国道部分、まだこの先なのに通行止めにあって途方に暮れる。はるばる名古屋から5時間以上もかけて走ってきたのに。。。
「どこへいくんだね?」軽トラのおじいさんが声を掛けてきて立ち話となった。この先の林道を越えて龍神へ行きたいんです。「んなら、対岸の国道にでれば、上流へ行ける」え〜、そうなんですね。国道は川の反対側ですか? 「鉄砲を撃つから山には行くが、嵐の後だから林道がどうなっているかは知らんがね」目の前に「陽射しが差したような」うれしさに、おじいさんを思わずハグしたくなったが、そそくさとバイクをU-ターンさせる。「そんなおっきな単車見たことも無いわ」などど、お褒めの言葉を頂いて会釈と共に引き返した。そ〜だろうな、この集落の小径にMT-01が紛れ込んできたことはないだろうな。

集落に入る前に立ち止まった分岐に橋があったのだが、それを渡るのが国道だったよう。振り返れば、ガードレールに赤い矢印が手書きされていた。兎にも角にも、これで「首が」つながった。気分はがんばるぞモードに切り替わった。

ほどなくしてR371のおにぎりが描かれた分岐に出くわす。これを見て安堵。再び川の左岸に移って上流を目指す。もうすでに対向するクルマには出会わない。


山の端がだんだんと近づき、谷も狭くなってくる。最後の集落、といっても2,3軒の人家だがこれを過ぎるとめっきりと交通量が少ない林道のようになってきた。そろそろR371の通行止めポイントも近いだろう。「路欠のため通行止」と書かれた案内を見る。「路欠」などという表現は見かけないが、なるほど路が欠けているのだから的を得ているか。

木守平井林道 11:36
とうとう、点線国道の部分にやってきた。WEB上でしか知らないこの分岐と標識の光景を目の当たりにする。点線部分はこの先しばらくして人道となるはずだ。右に続く林道は「木守平井林道」で峠をはさんで17kmほど。さて、通り抜けられるのだろうか、

林道の簡易舗装で路はそれなりにきれいだ。手入れのされた状態と思われる。落石はあるものの、倒木の類いはキレイに覗かれていて路が生きていると感じた。これなら、峠の向こうまで行けるかもしれない。



木守平井林道
なんて、楽観していたら、土石流でアスファルトが浮いてしまった災害箇所に遭遇。引き返せる手前でMT-01を止めて歩いて偵察に。クルマ1台分の幅だけ除石が済んではいるが、残ったアスファルトは波状路のように波打ち、大小の土砂が路上に溢れている。引き返そうかとも思ったが、ここまで来たのだから行けるところまでいこうと決心。
スタンディングをとって、1速で等速を心がけて荒れた路面に繰り出す。リアが振られようがフロントタイヤの接地感だけを大事に進む。目に付く大きめの石は避けるのだが、小さなモノはありすぎてどうしても踏んでしまう。「パーン」とタイヤが石をはじく音がいやらしい。タイヤのサイドウオールを傷つけたらあっさりパンクの悲劇に出会う。こんなところでパンクなどしようものならえらいことだ。

木守平井林道 11:55
土石流跡区間は数百メートルで済んでホッとする。それでも舗装路面には沢山のがれきが落ちているのでまったく気が抜けない。ハンドルを取られて谷に落ちてしまわないよう、見通しがいい限りは山側の路面を選んで進む。手書きの標識には「大塔まで3.2km」とある。コンマが後で書き込まれたようにも見える、3.2kmと32kmはえらい違いだ。こんな路を32kmも走りたくは無い。峠の行政境界までが3,2kmなんだろうと都合の良いように解釈した。


木守平井林道
林道のもっとも奥の沢を越えると、峠までは南斜面をひたすらあがってゆくことになる。見上げればまだまだ先まで路は続いている。がれきと折れた枝は相変わらず路面に溢れていて、安全なルートを探すのに目が離せない。景色見るなんて二の次だ。


無名峠 木守平井林道 12:00
林道起点から10km、30分かけてやっと峠に着いた。途中、バイクを止めて路を偵察したことも数回会ったが、換算で時速5km、えらく時間がかかったものだ。見渡してもお地蔵さんや標識など峠を示すモノが見当たらない。近代にクルマのために作られた林道はこのようなものだろう。まずは、ひと息休憩。この林道を越えさえすれば、今日の目標「R371による紀伊半島縦走」が現実味を帯びてくる。

のんびりもしていられないので、峠を下り始める。嵐の名残だろう、路はずーっと折れた枝葉と枯れ葉、大小の土砂が堆積している。下りは尚更怖い。フロントタイヤだけはグリップを失わないように細心の注意をはらってどんどんと下る。林におおわれて景観は楽しめないが、時折ぱっと視界が開けて岩肌を見せるキレイなお山が望める。しかし、まだまだ集落は見かけていないし、気が抜けない山奥だ。

木守 12:16
峠から下ること7kmでやっと人里に出てきた。林道の名前にもなっている木守の集落だ。なんとなくこれで名古屋まで帰れるような気がしてきた。

木守平井林道で地獄を見てきたはずだったが、まだまだ試練は残っていた。主要道路のR311の龍神街道に出会うまで、R371は50kmをひたすらくねくねした川に沿って走る事になる。路の中央は苔むした堆積物でおおわれ、バイクが安心して走れるのはクルマのわだちだけ。見通しのきかないカーブが嫌ほど続くので、対向車も気にしつつ転けないように走るのはかなりの忍耐力が必要だった。

さらに合川ダム湖あたりで時間通行止めをしているとの情報を持っていた。午後12時からの1時間だけ工事が止まって通行できるのだが、これを外すと40~50kmを迂回する大ピンチとなる。計画では午後12時に通過予定であったが、ここまでで随分と時間がかかってしまっていた。時計を睨みつつ、間に合うようにプチ飛ばした。飛ばした甲斐あって、通行止め再開10分前に工事ヶ所を通過することが出来た、よかった〜。


時間通行止め区間もクリアして、底なしにブルーな川底、朽ちた吊り橋、すでにぎんなんの香りを放つイチョウの木など、景色を見る余裕が出てきた。


中辺路 川合 13:20
R311の龍神街道に出てしまえば、これまでも見かけた風景で「もう大丈夫」ってな安堵。それにしても、湯の峰まで27kmって、まだ小生はそんなところにいるわけ?? 安心のR311との重複区間はあっという間で、またまたR371は中辺路を左に折れて孤独に山の中に入ってゆく。

再び登りになるけど、先ほどの林道を思えば極楽、天国。これから越えるであろう山の頂も正面に見えて気分良し。中辺路から龍神を繫ぐルートは幾つもあるが、最も遠回りなコースがR371だろう。だから交通量も必然的に少なく走りやすい。



右手に谷を隔てた向こう側の山嶺くっきりと見えてきれい。ゆるやかに登った先には峠の「笠塔トンネル」が口を開けている。トンネルを出ると視界は広がり出来たての国道に変身。立派な橋も架かっていい感じだ。。

R425 龍神街道 13:50
勿体ないくらい立派な笠塔トンネル前後の山道を抜けてくると交通量の多い龍神街道にぶちあたる。あとはごまさんスカイタワーや高野山を目指すのみでナビも不要だろう。
あれ?? そういえばこの手前のR371に点線部分があったはずだけど、全然気付かず素通りしてきてしまった。途切れた国道の代わりに県道が繫いでいたはず。まあ、それくらい路は快適に走れたわけだ。ならばその県道を国道に格上げしちゃえば、みっともない点線部分が解消されるのに。お役所事にはいろいろあって簡単にはいかないんだろう。


道の駅 龍神 14:10
龍神街道を北に向かう。R371前半部分を思えば、このあたりは大都会だ。山奥の緊張感も不要で制限速度+αでのんびりと流す。流れる景色も馴染みもあって今日のミッションものこり消化試合の感。でも時はすでに午後2時だ。


ごまさんスカイタワー駐車場 14:35
平日もあってか、龍神スカイラインは交通量が少ない。道の駅から峠まで1台のダンプカーに引っかかっただけで、先行するクルマやバイクも無く気持ちよく駆け上がった。今回の縦走路で最も高度のある1200mを越えて行くので上がるにつれて紅葉が深まっていることがよく分かる。頂上付近は落葉がすすんでいた。

駐車場からは東側に横たわる山々がキレイに見える。とりわけ向かい側の峰には気になる林道が走っている。稜線をつないでいる林道のようで、あそこに行けたらさぞかし良い眺めだろう。山は杉やヒノキでほぼ完全に植林されてしまっている。紅葉は中部以北の山々の方がキレイな場所が多いように思う。なぜならこのあたりの山はその多くがすっかり植林されてしまって、自然林があまり残っていないからだ。

ごまさんスカイタワーからは、山の稜線に沿って穏やかな道が続く。気づいたのが路肩に引かれたブルーのライン。100mほどの等間隔で数メートル分だけ塗られている。利用目的が分からないので、知っている人から教えてもらいたい。

高野山 15:10
龍神スカイラインの下りはそれなりに長い、いい加減に飽きた頃に高野山の交差点に到着。すでに夕方の時になっていて観光客もまばらだ。ここを右折して最後のクネクネ道が始まった。


河合橋 15:25

国道なのにバスが通れないトンネル

高野山から橋本までのR371はなかなかの酷道だ。まずは道幅が狭くって車同士の離合ができない場所も数知れず。また舗装の状態もとても悪く、山奥の舗装林道のほうが良いと思えるほど。集落にも出会わないから、観光地で有名な高野山のルートとは思えない秘境感もある。幅員が足りなくってバスなどの大型車は通行できないトンネルもあったり、もしも間違えて観光バスなどが入り込んだら大変な事になるだろう。なんたって、U-ターンする場所もないから。路肩もガードレールがなかったり、カーブミラーが設けてなかったり、R371全区間の中でも、高野山から橋本までの約20km区間は国道とは思えない貧相さだった。


橋本(R370交差点 向副) 15:50
橋本市内まで残り5kmの標示をみて、走りきったことを実感。市街に下りてくると午後3時半すぎにとうとう紀ノ川にぶつかった。串本の海岸から和歌山の紀ノ川まで、200kmの山道を5時間半かけて走り抜けたことになる。道が通行止めになっていなかったことに、また転けなかったことに感謝。紀ノ川の河畔にバイクを停めてちょいと一服、夕日を浴びて紀ノ川がキレイだった。
R371はまだこの先も続いている。もう一つ山を越える紀見峠のむこうに始点の河内長野の街がある。ここから20kmも満たない距離ではあるが、この先はがっつり市街地で夕方の帰宅ラッシュに合いそうだ。ここまでで十二分に堪能したので、今日のR371探訪はこの橋本市紀ノ川で終点とした。

京奈和自動車道 橋本IC近く
紀伊半島の山奥を走ってくると、橋本の市街地が「大都会」のように思える。このまま河内長野まで走れば正真正銘、R371を駆け抜けたことにはなろうが、陽はすでに傾いて長い影を引いている。京奈和自動車道の橋本ICから北上して、橿原バイパスを経て郡山ICから東名阪自動車道に乗った。名古屋に帰り着いたのが午後7時、本日の走行距離697km、無事に帰還した。走り終えた満足感でその夜のビールは旨かった。

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