ごそごそとベッドから抜け出して日の出の気配もない街に走り出す。早朝午前4時、明るくなるにはまだ2時間はかかろう。名古屋ICから北上し、長距離トラックが列をなしている中央道の流れに乗った。

名古屋IC 4:20

秩父ツアー 2日間行程
同じMT-01、しかも同じOS仕様のキットを取り付けたバイクはとても希、ネット上で知り得る台数は国内で10台もいないだろう。なのでオーナー間では、情報交換や実際に走りに行ったりと横の繋がりをもっている。フェイスブック上の「Yさん」もそのような知り合いで、キレイなMT-01 OSを所有している。Yさんのバイクも拝見したかったし、何よりお会いしてお話がしてみたいという思いが以前からあった。バイク乗りでは知られている「秩父の大滝食堂」を切り盛りしているのもこの方で、そのバイク弁当を頂きながら秩父まで行ってみることにした。
土曜が祝日のタイミングで、金、土と2日間の日程、秩父の周囲はお初の地域、これをぐるりと見て回る。十国峠を随分前に通過したぐらいで、秩父を中心にこのあたりは初めて訪れる。紅葉も良い時期だから非常に楽しみだ。

諏訪湖SA 6:40
早朝の高速連続走行は寒いに決まっている。秋とはいえ、装備は完全冬仕様、上下のサーモアンダーにブーツ、グロブ内には「ホカロン」、さらにウインタージャケット・レザーパンツの上にはレインスーツという、雪だるまさん状態だ。格好なんかにはかまってはいられない。。
朝4時の名古屋から6時着の諏訪湖SAまで約200kmをノンストップで走りきるとようやく東の空から日の出となった。路上の気温標示は6度以下、体感温度は0度以下だろうが、さすがに着こんでいたので指先の痛みくらいで我慢できた。

双葉SA 7:20
太陽の暖かさを感じつつ、正面にはずーっと富士山が見えている。小淵沢、須玉とだんだんと富士が大きくなって美しい。甲府まで入ってしまうと手前の山で富士は見えなるので、予定外の双葉SAで休憩して富士山の写真を1枚。地域の人にはありふれた富士山の姿だろうけど、名古屋人にはたまにしか経験できない景色。

甲府市内 7:50
甲府昭和ICで甲府市内におり、朝のラッシュタイムの中を雁坂トンネルに向かう。国道20号甲府バイパスは片側2車線のメイン道路なのだが、朝の渋滞がすごい。交通機関の少ない地方都市ではクルマへの依存が高い。おいそれ通勤時間となるとクルマで小さな都市もあふれかえることになる。秩父への取り付きとなる西関東道路にでるまでに、すり抜けや信号待ちでプチ疲れてしまった。

甲府から西関東道路で一路北上、2000mクラスの山脈をトンネルで抜ければ、甲州から武州に地域がかわる。さてさて、山脈の向こうはどんな景色が待っているんだろう!

甲武信ヶ岳 8:40
西関東道路という標示から、R140 「雁坂みち」に変わっている。道の駅も過ぎて道は快適でどんどんと高度を上げてゆく。やがて左手に広瀬ダムを見つつ、正面には凛々しい甲武信ヶ岳の姿がでーんと現れた。あの麓をトンネルで抜けて向こう側に行くわけだ。

広瀬ダム湖
湖畔の公園には1本だけ紅葉の絶景。慌てて路傍にバイクを停めて写真を一枚。夜間の霜などに触れるほど、紅葉は赤くなる。なのでこのように周囲に木々が無いと見事に全身まっかっかになる。美しい!

西沢大橋
雁坂みちは湖を過ぎると、大きくカーブする西沢大橋陸でいよいよトンネルに近づく。この先にある西沢渓谷は関東でも屈指の紅葉の名所らしい。寄ってみたいのだが、今日の目的地はまだまだ先なので残念だけど、またいつかの機会に。植林のされていないお山は全体が紅葉していて最高の景色、見事な見頃にくることが出来た。
雁坂トンネル 8:50
地図を読んでいて、いつか尋ねてみたかったトンネルがここだ。お初の走行にワクワクだ。雁坂トンネルは20年前に開通したトンネルで、一般山岳国道としては最長の6625mの長さがある。出来るまでは、山梨と埼玉を分断する「開かずの国道」であり、地域にとっては悲願のトンネル開通であったようだ。
トンネル手前の気温標示は「0℃」、日射しを背中に浴びているせいか、それほど寒さを感じないがまだまだ「レインスーツ」の重ね着を脱ぐのには早い。
国越えの基幹道路だけど、思いの外交通量は少ない。トンネル内は温かかった、なのでトンネルの北側に出た時の激寒さには目が覚めた。トンネルの先は深い谷をガンガン下っていく。
秩父往還 栃本集落 9:12
トンネルの先は大型車両用のバイパスを避けて旧道を選ぶ。旧道「秩父往還」は武蔵の国と甲斐の国を結ぶ山梨の古道の一つで、日本三大峠の難所「雁坂峠」を越えるこの道は、緑深い美しい道だ。とにかく谷が深い、そこにへばりつくように集落が街道沿いに続いている。古くは日本武尊から一千年を越す人々の足跡が辿れ、秩父道、雁坂路、甲州裏街道とも呼ばれ古代から甲斐と秩父を結ぶ第一の道だった。
秩父往還の旧道は、秩父の深くて険しい地形の典型的な姿を経験することが出来る。峠の手前の栃本には大きな旅籠のような建物も残っている。ドラマなどのロケ地にもなるようだが、なるほど印象に残る山岳集落だ。


栃本関所跡
栃本の集落には今も関所跡が残っている。これを作ったのは武田信玄で、この雁坂口を重要拠点とし秩父侵攻の拠点とした。200年以上にもなる関所の家屋も残っているが、朝早いためか見学することはかなわなかった。

三峯神社 9:50
やっと目的地の秩父の領域に入った。秩父の観光地を勉強してみたが、いずれも三峯神社はオススメされていたので、まずは山奥の三峯神社に訪れてみた。午前4時に名古屋を出て、このお宮に着いたのが午前9時半。ずいぶんと遠くまできたものだ。さすがにレインスーツの重ね着も脱いで身軽になる。それにしても、寒いときには格好に拘っていられない、レインスーツを着こんだのは正しかった。

随身門 三峯神社
「三つ鳥居」「三輪鳥居」といわれる左右に小さな鳥居をくっつけた珍しい鳥居を過ぎて参道を行くと豪華な山門をくぐる。奈良の大神神社にもこの形の鳥居が伝わっており、神代以前からの古い伝承だろう。山門は鮮やかで300年以上も昔からここに建っていると思うと神々しい。

狛犬 三峯神社
狛犬ならぬ「オオカミ」が神の使いとされる三峯神社では、スリムなオオカミが鎮座している。ヤマトタケルの道案内を行ったとされているのは、熊野大社の「八咫烏」のお話によく似ている。



拝殿 三峯神社
神代以前からの神社に多い「いざなぎ」と「いざなみ」が主祭神、ヤマトタケルの伝承も伝わることからも、大昔からこの地で信仰を集めていたに違いない。たどり着いた拝殿は、石段の下から見上げる建築で、色彩の鮮やかさが際立つ。隙間なく施された彫刻と彩色、周囲に巡らされた緑色と朱の対比がきれいだ。思い出すのは日光の東照宮の鮮やかさ。正面の左右には2本の神木がでーんと構えている。

赤い目の龍神さま
ここは、自然の“気”が満ち溢れる関東最強のパワースポットらしい。2012年、三峯神社の石畳に突如現れたのが、赤い目の「龍神様」。金運上昇とツキを呼ぶこむ三峯神社の「龍神様」を拝めば、運気UPすること間違いなし!なんて、商売っ気たっぷりな宣伝が目に付く。目のようにはみえるが、鼻先が妙に長くて、小生には「龍」には見えないなあ、敢えてたとえれば「でっかいヤブ蚊」かなあ。こんな発想の小生には運気アップは望めない。

三峯神社 門前
駐車場までの門前でみかけたモミジの紅葉、オレンジから赤に変わるのか、太陽の光を透かしてごく鮮やかに。艶やかさでは小生の見る今季最高のモミジだ。さて、モミジを調べて疑問に思ったこと、カエデとはどう違うのか?答えをまとめてみると・・・「カエデの中で葉の色が変わるものをモミジという。」さらに「モミジは葉の切れ込みが多くて深いもの、カエデは葉の切れ込みが浅いもの」などという鑑別が出てきた。ナルホド、ナルホド。

林道 大血川線 終点
神社の駐車場を抜けてさらに奥に続く山道があり、大血川線と標示がある。手前が広場になっていて、今朝通り抜けてきた雁坂トンネルのあった山々が逆光に見えていた。秋の紅葉とススキの穂、とても静かな景色だった。

大滝食堂 11:05
さて、今回のツーリング最大の目的、大滝食堂にやってきた。三峯神社から山を下りてくると程なく、大滝食堂に到着、主のYさんとは11時頃と約束していたが、まさにオンタイムでの到着だった。暖簾をくぐるとすぐに調理場から出てきて頂き、初対面の挨拶をさせていただく。お話聞きたいことは山ほど有るが、まずは食券を購入して料理を待つことにした。

バイク弁当 ノーマル
大滝食堂は基本メニューは「豚からあげ丼」でボリュームの違いで3種類有る。これがバイクのタンクを模したお弁当箱に入って出てくるので、バイク弁当ともいわれる。すぐに注文の品が目の雨に出てきてかぶりつく。甘辛に炒めた豚肉のからあげが食欲をそそり、なるほど人気の訳が分かった気がした。弁当箱は持ち帰っても良いように、コンビニ袋までテーブルに用意されていた。


大滝食堂オーナー Yさん MT-01 OS
珍しいMT-01を選び、なおかつ見かけないOSカウルに拘って所有しているYさんがどんな人で、何が気に入ってMT-01を選んだのか、などなど興味は尽きない。接客しながらの小生への応対なので、申し訳ないかぎり。できればゆっくりとお話がしたいけど、まずはお会いできただけでもよしとしなきゃね。
伺った中では、やはり小生と同じように、MT-OSのショーモデルをみて気に入られたようだ。だから量販車になってショーモデルよりもリア回りのデザインが変わってしまったことを嘆いていた。これまた小生も同じ思いだ。いつかゆっくりとバイクを並べてお話をしましょうと約束してお暇した。

中津峡 12:05
秩父のオススメ観光地の一つ、紅葉のキレイな中津峡にも足を伸ばした。大滝食堂を出て、来た道を戻る形だ。ダム湖沿いから支流を上ってゆくと谷は次第に狭く険しくなって、そこを彩る紅葉が左右から迫ってくるような迫力がある。平日ではあるが、訪れる人たちも多め、カメラを片手に散策していた。

秩父めぐり
さて、今晩は秩父で一泊の予定、ならば夕方までもうすこしこのあたりを回ってみようと。まずは、聞いたことのある「定峰峠」を走るべく秩父の街を通り抜ける。しかし、これがなかなか大変で、お昼時でもあったが、秩父市内は信号もクルマも多くってノロノロだった。秩父市内には迂回したりバイパスになるような抜け道もない、年中渋滞していそうな雰囲気だ。


定峰峠 13:50
以前にYou Tubeで定峰峠をVmav1200で駆け上がる動画を見たことがあるのだが、カメラのマウントや音取りが優れていて何度も見た覚えがあった。その定峰峠がすぐそこにあるのを知ったからには行くしかないでしょ。秩父の町から定峰峠の登りにかかる。思っていたよりも狭くてタイトなくねくね路、峠道というよりも舗装林道の山越えのような雰囲気だ。頂上からは尾根伝いに道が続いていて、このあたりを熟知したらおもしろそうだった。動画でみた覚えのある景色にも遭遇。

道の駅 花園 14:30
秩父に入り込む主要なルートを体験してみたかったので、もう一度東から回り込んでR299へ向かうこととした。下道でも良かったのだが、名古屋人には理解できない道路の混雑が予想されたので高速道路を使って迂回する事にした。まずは最も近い花園ICに向かって山を下りてきた。その先にあったのが道の駅花園、トイレ休憩やコーヒー缶でひと息休憩。

西武秩父線 高麗駅 15:20
関越道、圏央道と乗り継いで狭山日高ICで下道に、R299を秩父に向かって登り始めた。このあたりも始めて来た土地、周囲がゴルフ場だらけで驚かされる。西武秩父線を横に見ながら、国道はカーブを描きながら山の中に入って行く。流れている川は高麗川、そして高麗駅の表示があったので、興味をもって駅に立ち寄ってみた。駅の案合図には、この地が高麗人が入植して開拓をおこなった場所だと分かる。太古の7世紀、唐や新羅に滅ぼされた高句麗の帰化人を大和朝廷がこの地を開拓して居住させてと言われている。帰化人達はこの地から、大陸の様々な文化を広めていったであろう。今も地名や史跡が残っていることがすばらしい。

R299は幹線国道なので交通量も多いが良く整備された国道だった。旧道へはいる分岐があれば、その都度入りこんでみて集落の雰囲気を感じてみる。古くからの家屋だけではなく、真新しい普通の住宅や企画された住宅地があるのに気づいた。秩父線にのれば、先ほどの高麗駅から池袋駅まで1時間と少しで到着できる。なるほど、都心への通勤圏としてはこんなに離れていても十分にあり得る通勤時間だと思った。

正丸峠入り口
夕刻が迫ってきてだんだんと心細くなる時間帯。もう少しで秩父という場所に正丸トンネルが見えてきた。その手前に信号三叉路があり、なにやら「旧道」のにおいがした。夕刻の16時になろうとしていたが、意を決して右折して探索してみる。ナビではこのまま先ほどの定峰峠に通じる林道のようなものもあるし、この峯を取り巻いて反対側に出るルートも確認。「トンネルある場所に旧道あり」の格言(オリジナル)を信じて旧R299と思われる峠道に入り込んでみた。



正丸(しょうまる)峠16:15
センターラインがなんとか残っているクネクネ道を上がって行く。交通量は皆無で、これで良いのかちょっと不安になる。数キロ上がっていくと峠に到着。昇ってくる道すがらも周囲の林は紅葉で真っ黄色だった。峠からは関東平野が一望できて、遙か遠くに夕日を浴びた都心の高層ビル群が見える。後に調べてみると、小生が大学生の頃の1980年代は、バイクが大挙して走りに来ていた峠道だったことが分かった。まあ、よくもこのような狭い峠道をかっとんでいたものだ。

下りにかかるとキャッツアイまで残された立派な道路になっている。正丸トンネルが出来る40年近く前までは、ここが秩父に行くための大事な峠道であった証拠だ。

道の駅 あしがくぼ16:30
旧道を降りきると元のR299に同流する。夕日が落ちてしまった夕方4時半に最後の休憩として道の駅あしがくぼに到着。ツーリングを終えて帰宅ムードのバイクたちが立ち寄っていた。ソロライダーも、数名の小グループも、もっと大勢のマスグループも各の思いでまったりしている。小生は宿の電話番号をナビに入力して再出発。

秩父 だいます旅館 17:00

秩父 焼肉まる助 17:30
宿に着いたのが17時、主がバイクの音を聞きつけて玄関まで出てきてくれ、屋根付きの駐車場まで案内してくれる。こちらも一人旅相手には、素泊まり設定。さっそく荷をほどいた後は、気楽な格好に着替えて夕食に出かける。主のお薦めの焼き肉屋まで、宿の雪駄をならしながら散歩する。
秩父グルメの名物は「わらじカツ」「豚みそ丼」「ホルモン」などなど、いずれも豚肉がメインなことが共通だ。お昼に頂いた「ライダー弁当」も豚肉だった。紹介されたお店の看板メニューが「生ホル」、一人焼肉の寂しさがあったが、まずはお薦めを食べてみた。よくあるホルモンは一度湯がいたモノがおおいそうだが、新鮮が売りのこのお店では切り出したままのホルモンを頂くそうだ。。。。ホルモンは好物ではあるが、日頃食べていたホルモンが湯がかれたモノかどうか、小生には分からない。何はともあれ、口に入ったら旨かった。
大滝食堂のYさんからは、夕食に一献いかがですかと、素敵なお誘いのメールも届いていた。望外のお楽しみではあったが、直前での承諾はご迷惑にもなろうと泣く泣くご辞退させていただいた。次回お会いする機会には、ゆっくりと酒でものんで語らいたい。
さて、明日も天気は良いようだ。風呂にもはいってさっぱり、あすはどこを走ろうかと〆の缶ビールで思いめぐらした。
秩父の旅 2/2に続く
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