小生の備忘録

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MT-01 OS 35 秩父の旅2/2 秩父神社 志賀坂峠 ぶどう峠


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秩父だいます旅館

 翌土曜も晴天に恵まれた。荷造りをささっと済ませてバイクに括り付ける。素泊まりだから朝食は昨夜に買っておいたおにぎり1個、食べてみたらご飯が「ぱさぱさ」。一晩、部屋に置いただけなのにこんなに乾燥しちゃうんだ。朝の8時に宿を出立。

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秩父神社

 リストに上がっていた秩父神社に寄ってみる。近所の人たちが散歩しているくらいで静かな境内。秩父駅にも近く賑やかな立地は、前日の三峯神社とは異にしている。御神体は「やごころおもいかねのみこと」「ちちぶひこのみこと」いずれもこの地域の祖神たちで、神代からのいわれを持つ古いお宮さんだ。1ヶ月後の12月3日には「秩父夜祭」として知られる大きなお祭りがあって、この小さな町に20万人以上の人出があるらしい。


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子宝 子育ての虎


 朱塗りの神門は鮮やかに彩色されてなかなか派手だ。境内の奥にある総本殿は三峯神社と同様に、柱や梁が彩色され、社殿正面にはすばらしい彫刻が施されていた。17世紀に描かれたこの虎の親子の彫刻は、小生でも聞いたことのある彫刻家、左甚五郎の作品と書いてある。日光東照宮の「眠り猫」が左甚五郎の名を知らしめているが、実在の人物だったかどうかは疑わしいらしい。全国に100近くの遺作があるが、なんと安土桃山時代から江戸時代までの300年ほど活躍されたとしている。いずれかはホンモノでそれ以外は地方の腕の立つ彫刻師の作品とされている。

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秩父盆地

 さて、ここからどこへ行こう。今回は秩父を隅々までというテーマ?なので、これまで未踏のR299の志賀坂峠を抜けて、これまた未踏のぶどう峠を目指すことにした。R299にのっかってお山に向かうと、東には逆光の秩父山地がスッキリ見える。その手前が秩父盆地だ。さて、これで秩父ともお別れ、また今度。


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ようばけ

 R299を走っていたら、案内標識に「天然記念物 ようばけ」なんてあったものだから、何か分からないままに向かってみた。川縁にバイクを停めてしばらく歩くと対岸が真っ白な崖になっていて、そこが「ようばけ」って書いてあった。なにやら壊れやすい崖のようで、川沿いには落石した石が滞積している。これが何だか現地に行っても全く分からないままに帰宅して調べたら、ようばけのいわれは、夕日の当たるハケ(崖)から「ようばけ」と命名されたとある。またこの層からは化石がたくさん見つかっていることも知られており、太古は遠浅の海であったそうな。

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 センターラインがあってキレイに整備されたR299は小鹿野の街をぬけると、いよいよ山に囲まれた渓谷を走るようになる。バイクも多くって関東方面から大挙してやってきている。今日も晴天でお山と空の境目もくっきり、日照があれば寒さも無くって、良いときにツーリング出来たことに感謝だ。

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志賀坂峠(トンネル)

 国道はやがてつづら折れとなってお山を登りはじめる。ヘアピンカーブで向きを変えながら、どんどん高度を上げてゆく。それでも道幅は確保されていて走りやすい。左手に上がってきた谷を見下ろしながら、すばらしい展望の峠のトンネルに到着。バイクを停めて来た道を見下ろしながら休憩。小生の横を、バイクがどんどんと通りすぎてゆく。バイク日和だもんなあ。
 地理院の地図を見てみると、この峠の右手には石灰岩の露頭した採石場があるらしい。そしてここから秩父市内のセメント工場まで、20km以上の長きにわたり、ベルトコンベアが敷設されている。そのほとんどが山をくり抜いたトンネルで、全国でも名の知れた「秩父セメント」らしい産業土木の技だ。

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高反山

 志賀坂峠を下りきるとR299は緩やかにカーブしながら十国峠に向かって再び上りになる。真正面には形の良いお山がすっと立っている。後学では高反山 1130m、高くて反り返った姿から名が付いたに違いない。露頭した岩肌が猛々しい。

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道の駅 上野

 走行中に職場から電話がかかる。スマホとヘルメットのインターコムが繋がっているので、走りながら電話を受ける。内容は入院中の患者さんが血圧が高くってどうしましょう?というものだった。食事がとれない患者さんなので、降圧剤注射を微量点滴で投与するように指示。ひとまず、口頭での指示で対応できてやれやれ。今から名古屋まで戻れといわれたって無理なこと、そんな時にはあっさり当直医に助けてもらうしかない。小生の仕事でつくづく嫌だと感じることは、完全なプライベートな時間がないってことだ。人情と義務感で応対し、必要とあれば時間に関係なく職場に向かう。
 9時半に十国峠にかかる手前の道の駅で立ち寄り休憩、宿を出てから1時間半経過。整備中なのかバイクを止める場所がよく分からない、とりあえず先客の横に止めてみる。東京方面からはバイクがどんどん上がってくる。クルマよりも多いくらいだ。どの時間帯も人で溢れてる山手線ではないが、田舎の名古屋人には、首都圏の人の多さ、特に今日はバイクの多さに目をみはる。

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ぶどう峠へ (上野村森の体験館)

 道の駅からさらに上がって行くと、右手には峠まで最後の休憩施設があっていよいよ十国峠への峠道にさしかかった。十国峠への国道は随分前から工事中で、林道を迂回して行くことになる。まずはここを左折して迂回する林道に向かう。

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林道矢弓沢線と群馬県道124号

 左折した先の旧道を選ぶと分岐が出てくる。まっすぐが林道矢弓沢線で十国峠への迂回路、左は県道124号でぶどう峠へ。今回はお初のぶどう峠をチョイス、まずはその名前もいい感じだ。どんな道なんだろう、これから現れる初めての景色に期待が膨らむ。

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 センターラインも真新しいキレイな道路をあがってゆく。すると道路標識に「左 御巣鷹山」の標示、そっか日航ジャンボ墜落事故の現場が近いんだ。それにしても街からえらく離れた山奥で事故になったものだと感じ入る。ここから御巣鷹山の慰霊碑までは山道を15kmあがってゆく。救助の人たちもこの山奥では大変だっただろう。

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ぶどう峠の紅葉

 峠までの山道は県道とはいえ、幅員も広くなく枯れ葉の絨毯がバイクで走れるところをさらに狭くしている。対向車がいつ来ても良いようにゆっくりと路肩によって登ってゆく。紅葉は最高にまっさかり、ブナを中心に全山真っ黄色にあでやかだ。クヌギの木と思われるオレンジの強い紅葉がアクセントをつけている。真っ青な空との対比も美しく、今日の天候に感謝だ。
 見上げれば、峠道は折り重なってまだまだ高度を上げてゆく。幸いに交通量が絶対的に少ないので、ゆるゆると登ってゆける。秩父の旅で幾つかの峠を越えてきたが、このぶどう峠は静かで雰囲気がよく、小生はとりわけ気に入った。

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ぶどう峠

 午前10時半に峯を横切るような低い切り通しに到着、ぶどう峠だ。イグニッションを切ると、風も微風で「チンチン」とエンジンからの音だけで怖いくらい静かだ。東西の展望も美しいモノで、この峠を選んでよかった。峠までの道すがらの景観、峠の眺め、十国峠よりも展望が望めると思う。

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八ヶ岳

 峠の信州側は幅員もひろがってどんどんと坂を下り、ほどなく佐久甲州街道の国道141号に合流した。頂きは雲に隠されているが、これまで山深い秩父の山を走ってきたので、八ヶ岳山麓のだだっ広さはとても開放的で気分を良くしてくれる。

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野辺山 JR最高地点

 小生は「鉄ちゃん」ではないと思っているのだが、標識にJR最高地点と書いてあれば立ち寄りましょう。JR小海線が国内で最も標高の高い1375mを越える踏切がある。道路脇には「鉄道神社」が祭られていて電車の車軸がご神体としておかれてあった。運良く踏切の警報が鳴って、小淵沢方面の上り電車が通過していった。動くモノを写真に収める技術が無いので、見事にピント外れな1枚だ。

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レストラン最高地点
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ルーレット式おみくじ器

 踏切の隣に山小屋風のレストランがあったので、そのまま昼食に。お薦めが「キノコ丼」とあったので試してみたが、予想通りその後は胸焼けに襲われた。マイタケなどのキノコが3種、エビ天はご愛敬だが半熟卵をまるまる天ぷらにした具は初体験だった。天ぷら好きにはきっといいのだろう。
 それよりも興味はテーブルに置いてあった「星座占い」。これって、幼い頃の記憶にも残っていて、当時の食堂などには必須のアイテムだったんではなかろうか。いまどきこれを置いているお店もほとんど無かろう。
 と決めつけていたけど、後学では現在でも100万台が稼働していて、再び注目を集めているそうだ。100円を自分の星座のスロットルに入れて、レバーを引くと上部のルーレットが回って、出てきたおみくじの数字を照らして占いを読むらしい。自分の星座を選んで投入しても、落ちる先は一緒なのでいい加減にもほどがある(笑)。昭和50年代がブームであったそうで、その頃から100円。コーヒー一杯が150円ほどの当時で、100円を投じておみくじを引くのが流行ったなんて考えられない。

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八ヶ岳 東沢大橋展望台

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MT-01 10th Anniversary 全国ミーティング(2015.9) ぽんつゆさん提供

 清里に入る手前から右折して八ヶ岳高原ライン(県道615号)にはいる。真正面に頂きが見える八ヶ岳の駐車場で一服。今回のツーリングも後は帰るだけ、山麓の快走路をのんびり走って小淵沢まで走る予定だった。ここは3年前にMT-01 10th Anniversary 全国ミーティングで60台以上のMT-01がパレードしたコース。 60台ともなるとまとまって移動するだけでも大変だった。たとえ千鳥走行として車間を詰めても、隊列は長大になってしまう。

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南アルプス

 八ヶ岳高原ラインを気分良くノンビリ走っていたら、天女山入り口の交差点から先が災害で通行止めとなって小淵沢まで行けなくなってしまう。迂回路に示されたのが1つ東の長坂ICだった。ICの手前で給油して思案。往復とも中央道を使う予定であったが、この時点で午後12時半、日没までは5時間ある。これならテキパキ走れば、新東名で帰る事もできると判断。西に向かうはずを、東京方面の東に舵をとった。双葉ジャンクションを右に折れ、中部横断自動車道路で南に向かう。いずれは清水まで開通するこの自動車道路も双葉JCTから六郷ICまで開通していて、これは全区間の4割ほどに該当するだろう。見延線に沿ったR52も快走路ではあるが、信号フリーの自動車道は時間短縮にはありがたい。下道も含め、新清水ICには1時間半後には到着できた。
 MT-01OSのフロントカウルは高速での疲労軽減には役になってるだろう。OS用の低いハンドルポストも相まって、前傾姿勢が強く高速での風圧が相殺されて快適だ。市街地走行ではこの前傾ポジションがきついことも確かだが、小生もこのポジションになれてきたので当分OSスタイルをキープしようを意を決した。

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東名上郷SA

 日没までに帰宅することを目標に、新東名区間は110km部分もあって制限速度+αで淡々と走る。平日の夕刻前なのでまだまだ3車線は空いている。なのに、いつもながら右端の追い越し車線を制限速度以下で占拠するドライバーには辟易する。プロの長距離トラックやプロボックスのかっとび商用車はマナーが通じるので安心できるが、「わ」ナンバーの小型車や質の悪い小型トラックなどには、高速道路の常識が通じない。
 最後の休憩地、いつもの上郷でひと息。時刻は午後4時前、長坂ICから3時間半で280km先の名古屋まで帰ってこれた。後はコイン洗車で汚れたバイクを洗ってやって、自宅の車庫に戻るだけ。
 本線に戻るレーンには、20代とおぼしき女の子がヒッチハイクで乗っけてくれるクルマを探していた。行く先は「大阪」、無事に親切なクルマに乗せてもらえればいいのだが、自分の娘と同じ年代と思うとかなり心配だった。


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 日没には余裕をもって帰宅。荷物を積めないので、泊まりのツーリングではあるが、お土産らしいモノはなし。2日間、970kmを無事に帰ってきたんだから、お土産は「無事の帰宅」かな。今回の秩父の旅、名古屋からの目的地としてはなかなか選ばないであろう地域であったから、新鮮で面白かった。とりわけ、大滝食堂のYさんにお会いできて、また彼の地にむかう繋がりができたのは楽しいことだ。





by akane8150 | 2018-11-09 21:23 | Motorcycles | Comments(0)
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