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GL1200サイドカー 13 GL1200 ディテール


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大神神社

 我が家の守り神、奈良の大神神社のお札を頂きにGLで訪れた。1月最初の日曜日とあって神社の周囲数キロはすっかりと大渋滞。バイクで行けば二の鳥居に駐車させてもらえる事を知っているので、桜井の町から狭い山辺の道をたどって渋滞知らずで二の鳥居に滑り込み。名古屋の自宅から約160km 2時間半で到着だ。大神神社は多くの参拝者でとても賑やか、去年の感謝と今年のお願いをして、お札を頂き無事任務完了。3回目のキャブ修理が終わり車検から上がったばかりのGLは快適だった。一時はキャブの不調で高速道路を走ることも気が引けたが、3回目のキャブ修理で無事に解決。組み込んだメインジェットに付属する樹脂のネットが溶けてガソリンの流れを塞いでしまっていたのが絶不調の原因だった。しかも4つのキャブのうち3つに起きていた。これでは高速道路などで「走らない」わけだ。

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 GL1200は1986年製、正規輸入されていない頃だから「レッドバロン」で購入されたようだ。32年前のバイクだから痛んでしまうパーツがあっても致し方ない。その代表がこの液晶パネルで、譲り受けたときにはオドメーターも止まり液晶も薄れてデカール文字も痛んでいた。たまたま未使用のパネルが手に入って完治。燃料、水温が液晶バー表示され、シフトポジションも読み取れる。後述するエアサスの圧力もここに表示される。1981年のソアラで登場した液晶パネルがバイクにも流用され、当時の流行「液晶インパネ」はきっと誇らしい装備だっただろう。下段にはカセットテープデッキとAM/FMラジオが取り付いていた(小生は使わないので外している)。

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 イグニッションキーの周囲には液晶パネルのスイッチがならび、トリップメーターのリセット、キロ/マイル表示の切り替えなどができる。面白いのはトリップメーターに指定の距離を入力すると、走行にしたがって減算されてゆく機能があることだ。ナビのない時代はこんな機能でも役にたったのかなあ。

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 前後のサスペンションはエアサスとなっていて、このスイッチを使い分けてそれぞれのエア圧の調整をすることができた。これによりソロツーリングから2名乗車の荷物満載状態まで、最適な操安性と乗り心地を得ることができる。クルマでもエアサスが珍しい頃であったから随分と進んだ装備であった。またコンプレッサーは装備品にも空気圧を供給することができたので、ケーブルをここにつなげばタイヤなどの空気圧も加減することができた。これを使って海水浴の浮き袋を膨らませた人がいるかもしれないと思うと面白い。生憎、小生のGLではとっくに普通のサスペンションに交換されているので、これらはオブジェだ。

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 1986年式には、純正のインターコムも装備されたいたとされるが、このGLには見つからない。左のフェアリングパネルには、オーディオのボリュームとトーンボタンがある。前オーナーは常時点灯のヘッドライトを嫌って、ここにヘッドライトスイッチを増設している。

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 ハンドル左側にはオーディオのミューティングスイッチ、カセットテープの走行切り替えスイッチがでーんと居座っている。ウインカースイッチはオートキャンセルの付いた優れもの。

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 後ろに荷重のかかる場合には、ヘッドライトレベライザーが利用できる。ノブをぐりぐりやれば光軸が上下に動く。まるで乗用車だ。エアコンの吹き出しが左右にあるが、これはただカウル前面からの風がくるだけで「エアコン」がついているわけではない(笑)。走っていてもこの風を感じることは「一切」ない、どう考えても「無駄」な「雰囲気」だけのパーツ?

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 カウルの左右には使えるポケットが付いている。左側のポケットには電源を引っ張ってきて、別体型のETC本体を収納して、シガライターソケットからナビなどの電源を取っている。

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 水冷OHC2バルブ、水平対向4気筒の1200ccエンジンは94HP 10.7kg-m を発揮する。1700ccのMT-01が90馬力だから似たようでおもしろい。排気音はかぎりなくジェントルだけど、低速から使える味付けだから単体の車重320kg、さらにサイドカーとして400kgにもなろうとする重量でも過不足なく走らせることができる。しかし搭乗3名の場合には総重量550kg、こうなってくると流石に鈍重感は否めない。もともとGLのリアブレーキはフロントの片側のキャリパーと連動してブレーキがかかる仕組み。さらにカー側のブレーキとも連動するようになっていて、急制動時の車体バランスの崩れを防いでいる。フロントブレーキのみでの制動ではカー側のモーメントの為にバイクが右に切れ込む挙動を見せるので恐ろしい。かといって、フロントブレーキの制動力も大事なので、小生はフロント・リアとも均等にかけるように心がけている。

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 法規上、車体の左右には車幅灯を置かなくてはいけないので、カー側には埋め込みのランプとバイク側にはどこからか流用してきたドライビングランプが取り付いている。これらのランプとリア側の車幅灯は常時点灯となる。

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アールズフォークサスペンション

 サイドカーのフロントサスペンションによく使われる手の込んだ仕組み。普通のバイクにはあり得ない「横」の大きな荷重がかかるサイドカーでは、通常のテレスコピックタイプだと過度の力がかかりスムーズにサスが動かなくなって、操安性に問題がでてくる。またオイルシールの負担も大きくなってオイル漏れも生じやすい。さらに路面の影響を受けやすいサイドカーでは「シミー」と呼ばれるハンドルのブレが生じるが、アールズフォークは起こしにくいとされる(ステアリングダンパーは必須)。などなど、サイドカーにおいては、アールズフォークサスペンションの恩恵は大きいようだ。
 東北ツーリングでは、GLのステアリングダンパー(なんと初代セルシオのステアリンダンパーを流用)の固定ボルトが落ちて使えなくなった場面があったが、路面の凹凸をハンドルひろって、細かく、時に大きくうねるようにハンドルがぶれだしてなんともならなかった。
 サイドカーショップの親父さんは、初心者として前後のサスペンションは最もソフトのセッティングを勧めてくれている。唐突な挙動が出ないような(悪くいえば鈍な)設定が小生にはまだまだ似合っている。

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 リア回りは下からのぞき込まないと全く見えない。GLのシャフトドライブはサイドカーにも有利でチェーンの管理をしなくてもいいのは助かる。タイヤサイズは130/90-16 150/90-15 でなかなか銘柄を選ぶことは困難。もう少しホイールのリム幅があればクルマのタイヤが流用できてサイドカーには最適なんだが、バイクのタイヤでは真ん中ばかりが減ってしまって気分が悪い。GL1500になればリムが広がったようでスクエアなクルマタイヤをはくことができる。ちなみにリアタイヤの交換時はナンバープレートがついているリアフェンダーをごっぞりと外して後方へ引き抜くように整備する。

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 サイドカーの右側、バイク側のサイドブレーキレバーを引くとリアに追加されたキャリパーが作動する。重い車体はちょっとした斜面でも動き出してしまうので、これは必需品。きつい勾配だとギアを1速に入れた状態でサイドブレーキを使う。自宅など駐車する際には、タイヤ止めも咬ませるように心がけている。

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 パッセンジャーシートにトノカバーをホックでとめることができる。開けっ放しでもいいのだけど、一旦中が濡れてしまうと乾かすのが超たいへん。ロングツーリングではここにも荷物が載ってくるので、トノカバーはその際にも飛散防止に役立つ。

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 左右のロックを外して前方にシールドを引き起こして乗り込む。ヒンジが露出していてちょいと無骨だが、サイドカーの作りがほとんど手作りの現物合わせ状態だから、全体の雰囲気に合っているとも。シールドもアクリル板を型紙から切り出し、ボルト穴に合わせてねじ止めする作り。ショップの親父さんにお願いしたら、面前でささっと新調してくれた。

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 パッセンジャーシートはそれなりの厚みもあるのだがお尻部分には低反発クッションを追加している。あしもとは随分と広く足をしっかり伸ばすことができる。右足部分には踏ん張れるようにフットレストが仕組まれている。電源も引っ張ってきているので、スマホの充電や追加のナビなども置くことができるだろう。座ってしまえばシールドでヘルメットの上半分くらいが露出するくらい。巻き込む風はそれなりなので、冬場はしっかりと防寒対策が必要だ。
 左側通行の日本では、左カーが安心だ。センターライン側にカーがあるとパッセンジャーは絶えず対向車と向き合う羽目になり、もしもの事故の際には逃げ場もないだろう。安全といえば、サイドカーには法規上もシートベルトの着用義務が記載されていなし、また実際にシートベルトを装着したサイドカーもお目にかかったことがない。絶対的なサイドカーの希少性から法規上は手付かずになっているのが実際のところか。

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 リアトランクの上にはオプションのキャリアーが付いている。これはこれで雨に濡れてしまったバイクカバーやカッパを気楽に括り付けることができて便利だ。雰囲気的には皮のレトロなトランクでも縛り付けるとサマになるだろう。

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 カーのトランクにはバッテリーが移動してきている。軽自動車用のバッテリーで容量は十分だ。開口部は決して広くないけど、深さがあるのでかなりの荷物を押し込むことができる。おっきなスイカを余裕で3個も積むことができた。

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 いわゆるトップケースも深さや奥行きがたっぷりあって、ヘルメットを2個を余裕で飲み込む。ケースの裏側にはバニティミラーが付いているのだが、何に使うのだろうか? ヘルメットホルダーも当初から2個装備されているのが親切だ。GL1200は後席の肘掛けや小物入れ、インターコムなど工夫されている。後席に乗る奥さんが快適にバイクライフを過ごすことをイメージして開発したと言われるので、なるほど「バニティミラー」な訳だ。お財布をにぎる奥さんから、まずはGL1200を気に入ってもらおうとなんて、浅知恵すぎると思えるけど、商品企画でそんなことまで考えてるんだ。

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 サドルケースはツーリングでは重宝する。インナーバックと称してナイロン製の手提げバックがあって、トップケース、左右のサドルケースにぴったりサイズのモノを愛用している。宿に着いたらごっそりと引き出して持ち運ぶだけ。ケース本体の防水はがっちりしているので、パソコンなどの濡らせないものも安心して積むことができる。トップケースの最大荷重は20kg サドルケースは10kg、合わせて40kgまで搭載可能だ。

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1986 GL1200 アスペンゲート + 東海GT

 サイドカーは戦前から国内でも軍用を主に走っていたが、モータリゼーションに沿うように1970年代から多くのビルダーが競うようになって1つのジャンルを作った。特にエポックメイキングだったのが、BMW R90Sにセッティングされた「大陸オートGTⅡ」だった。流線型のシルエットと高性能のGTⅡサイドカーは海外でも絶賛され、一躍バイクフリークの憧れとなった。そして、このGTⅡのスタイルを手本にした後続ビルダーのひとつがこの東海GTで、今も新規に制作されている。
 走り出せば周囲の注目を浴びることは多いけど、高齢者と子供達には「受け」がいい。とりわけ高齢者でも「おばあちゃん」から熱い眼差しや声をかけて頂く事が多いような気がする。なんででしょうねえ??


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Commented by オネ at 2019-01-19 10:41 x
やはり大型GTだとうちの中型DX改とはだいぶ違いますね。
アールズフォークほんと羨ましい装備です。安定性が段違いですしテレスコピックのままだとコーナーでねじれが出て、ブレーキの片擦りでたり挙動も安定しなかったりと苦労が多いので(^^;
サイドカー乗ってると高齢の男性の食いつきようが凄いですよね。いつかは乗ってみたいってな事良くお聞きします。
Commented by akane8150 at 2019-01-19 21:07
こんばんは ネオさん
そーですか、高齢の男性に人気ですか(^^) うちのGLは「おばあさん」に評価が高いですね(^^ゞ 
返って、若いライダー達からは遠巻きに見られるだけで、声をかけてもらえません サイドカーはバイクに似ているようだけど、乗り物としては別物ですね 町中にサイドカーが溢れるような人気が出ることはないでしょうが、サイドカーの世界も認知されるといいなあ。
Commented by Rip at 2019-01-20 15:13 x
さすがホンダのトップモデルとして、当時考えられるあらゆる装備があったんですね。
サイドカーに関する部分はいろいろと知識が必要そうで、ちょっと難しそう。
荷物はZよりもたくさん載るんじゃないですか(笑)

以前に出会ったゴールドウイングの話です。
http://nakanakanarenai.blog20.fc2.com/blog-entry-84.html
Commented by akane8150 at 2019-01-20 20:57
Ripさん こんばんは
ゴールドウイングはツアラーとして確固としたブランドを作り上げています なんたって、1974年のGL1000から今に50年になろうとしています これほど存続しているバイクって他にはないですよ。
by akane8150 | 2019-01-18 22:01 | オートバイ | Comments(4)

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by akane8150