
ゴールデンウイークは家族と過ごす時間も多く取ったし、そろそろバイクに乗りたい気分になっていた。連休明けの休日は天気もよさげ、恋しいお山をめざしてバイクで走りだす。

南アルプス公園線(県道60号)
今日の行く先は大井川と南アルプス。7,8年前にVmax1200で通り抜けた県道60号、別名南アルプス公園線の景色が忘れがたく、再訪したいとずーっと思っていた。しかし険しい山道は災害で通行止めになることしばしばで、この3年ほどは通行止めが続いていた。それが今季から通行可能との情報があり、「こりゃ、行くしか無いでしょう。」


県道60号終点
南アルプス公園線はR362の分岐から始まって、山を越えて井川ダムの大井川に至り、そのまま上流をすすんで72km先の第1畑薙ダムの奥、林道ゲートで終点となる。井川ダム方面へは、R362を北上するルートが当たり前だろうから、険しい県道60号をすすむ人は地元の人たちか、物好きな小生のようなツーリストだろう。

南アルプスの南側、この静岡の山は高さこそ低いけど、とても山深い印象だ。道は曲がりくねり斜面は急で、狭い道が山肌を縫うように続いている。峠近くはさらに狭小となり、大型車両は通過できない。


市営 湯ノ島温泉浴場
国道分岐から15kmほどで峠手前の最後の大型集落に出会す。ここに立ち寄り湯の湯ノ島温泉がある。前回は素通りしてしまったので、このお湯に浸かるのも今回の目標のひとつ。運営が市営ってのも面白い。全国の温泉では自治体が主導で頑張っているところ、民間がしっかりと運営しているところ、さまざまだ。


施設HPより
江戸時代からお湯はあったようで、PH8.0の潤沢なお湯は湯船から掛け流しとなり、ヌルヌルの肌触りが印象的。これはいいお湯だ。思い出して入りたくなるようなお湯だけど、いかんせん、名古屋からは遠すぎる。

県道189号と合流
集落の途切れた山道をすすむと尾根の道筋で南からの県道と合流、これを右手に下ってゆけば東の安部川に行き当たる。井川ダムへは左に曲がり、さらに山を駆け上がってゆく。

崩落現場
もう少しで峠っていうところに、大規模な崩落地の工事後が残っている。これだけ大規模な土砂崩れを治すのに数年の月日がかかったんだろう。工事に携わった人たちの苦労に感謝して走らせてもらう。


もう少しで峠ってところで、東の山の端に富士山を見ることが出来た。さすが「富士見峠」だ、連なる手前のお山、左端のあたりに「梅が島温泉」があるはずだ。
静岡市葵区
このあたりの道路標識には、「静岡市葵区」って書かれている。え?、ここが静岡市? しかも区?? なんていぶかしく思う。富士山の手前の山も「静岡市葵区」だ。上の図のように、静岡の町からトンデモナイ山奥まで、ひっくるめて葵区となっており、これは全国でも最大の区の面積だそうな。名古屋市内の区の広さからは想像も出来ない。こんな大きく区を指定する必要があったのかしら。

富士見峠
富士見峠ってのは、富士山周囲にはいっぱいある。この南アルプス公園線には整備された展望台などの設備が整っている。しかし稜線にそった峠なので、切り通しがあるわけでもない、言われなければ峠とは分からない。


大日古道
大井川上流はとても山深いところ、まあだからダムが出来たりするんだけど。そんな山奥にも縄文時代から集落はあったようで、遺跡として残っている。歴史の道として静岡の海の幸、大井川上流の山の幸をつないでいたのが、「大日古道」と言われる古道だ。細い人道ではあったが、延長12kmの道中には100mごとに観音様が奉られていたとされ、現在もいくつかが残っているそうだ。

南アルプスを遠望
標高1100mの峠のさきは再び稜線に沿ったくだり道。北の方角には残雪の南アルプスがよく見える、どんどん高度を下げれば井川ダムだ。

井川ダム
井川ダム工事は、昭和30年頃の中部電力の超大型プロジェクトであったらしい。ダムの内側が中空で作られており、コンクリートを節約するにはよい工法であった。しかしコンクリートが安価になった現在では流行らない方法らしく、井川ダムはめずらしい作りとなっている。

南アルプスあぷとライン 井川駅
千頭までは一般的な狭軌の電車や蒸気機関車が走り、そこから終点井川まではこの小さな赤い電車が走る。1000m走る内に90m高度を上げるこの区間では、普通の電車では登ることが出来ない、そのためアプト式という国内唯一の工夫がなされている。簡単に言えば、線路にのこぎりの歯のように斬り込みがあって、車体裏にあるツメを絶えず掛けながらすすむというわけだ。
しかし崩落による運休はたびたびあって、赤くってかわいい客車をみたのは久しぶりだなあ。開通してよかったねえ。

井川大橋
ダム湖の向こう側にある小さな集落の交通手段として作られたワイヤーの吊り橋。2tまではOKのようだが、すれ違いが出来るような幅もない。全長250m、1957年竣工というから、ずいぶんと長くがんばってるなあ。地図で見ると対岸の集落から上流、下流とも通り抜けができそうなので次回は探検してみよう。

畑薙第1ダム
多くの観光客は井川ダムで満足して帰ってしまうだろうが、その先に大河大井川上流の自然が潜んでいる。井川ダムを通り越し、ダム湖ともおさらばすると再び険しい山道となって川を遡上する。いい加減山道にも飽きてきた頃に、ぽっかりとダムが現れた。畑薙第1ダムだ。ダム湖の向こうには2000m級の山々、茶臼岳などの南アルプスだ。静岡から90km、まだまだここも静岡市葵区。

南アルプス公園線 起点
ダムよりさらに上流をすすむと数キロ先でゲートにであう。一般車両はここまでで、この先は東俣林道となって、大井川の源流近くまでつながっている。この奥の二軒小屋ロッジや椹島ロッジなどの宿泊者や登山者は、管理業者のマイクロバスでこのゲートを通過することが出来る。大井川の源流ってどんな感じだろう、いつかこれらのロッジに宿泊しながら尋ねてみたい。 さて、今日の主たる目標を達成したので、残りは温泉に浸かること。途中で通り越した白樺荘へ。
南アルプス赤石温泉白樺荘

白樺荘は赤石温泉にある一軒宿、近くに集落なんてありゃしないほどの山奥。ここも「静岡市営」って、静岡市は温泉の維持に力注いでるねえ。この手の施設は大抵が民営で、流行廃りがあるものだけど、継続させるには公営の方が都合よかろう。なので、この山奥のスタッフもすべて市の職員となるわけだ。お昼ご飯をたべていないので、ここの食堂でお腹をみたす。秘境なのにメニューはひととおり揃っていてすごいなあ、ちょっと高めの設定だけど、食材を運んできていることを思えば納得だ。

南アルプス赤石温泉
お湯はアルカリ性単純硫黄温泉で PH 9.5!! 硫黄泉とはいうけど、あまり香りがしない。それよりもヌルヌル感がすごい、アルカリが強い。硫黄泉は大抵酸性のお湯になるだろうから、ここの硫黄泉のヌルヌル温泉は面白い。このお湯は印象に残るので、定期的に訪れたくなる。お風呂から見える茶臼岳もまたよろしい。

4連覇鉄人 望月将悟
トランスアルプスジャパンレース大会のことはNHKかなにかのドキュメンタリーで知っていた。日本海から太平洋まで、自分の足だけで北・中央・南アルプスを縦走する競技だ。その大会を4連覇した鉄人がいて、この井川出身であったことをこの展示で知ることになった。静岡の消防隊員で山岳救助隊、強靱な精神力と体力が超人的。昨年の2018年大会では5連覇が期待されたが、自ら不利な「無補給」レースを完遂し、完走したという記事を目にした。NHKで特集番組があるそうなので見てみたい、いさぎよいほどにストイックな選手だ。

白樺荘から井川ダムを通り越し、千頭にむけて川を下る。ここからは南アルプス公園線とはさよなら、接岨峡まで静岡市道閑蔵線となっている。この市道は昔のままで、道路は1.5車線ほどで絶壁が続くおそろしい場所。落石などはあたりまえ、対向車も多いので大型バイクだととても気を遣う。


接岨峡温泉会館(施設HPより)
接岨峡の広い県道沿いに接岨峡温泉がある。宿泊無し、立ち寄り専門の温泉。400円を払ってさくっとお風呂に浸かる。ナトリウム炭酸水素塩泉でPH8.6はなかなかのアルカリ温泉、やっぱりヌルヌル系だ。湯船は小さいので混む週末はオススメしない。この日は平日、他のお客さんはひとりだけ、ゆっくりと浸かることが出来る。

レインボーブリッジと奥大井湖上駅
さらに下ってくると、左の対岸に赤い鉄橋がみえてくる。その中間には鉄道マニアには有名な奥大井湖上駅がみえる。南アルプスあぷとラインの駅の一つで、「日本の不思議な駅、ベスト3」でなんと1位になったそうだ。なにが不思議かって、駅なのに回りに民家は一つもないし、駅をここにつくる意味が分からない。

川根本町 かかしコンテスト
千頭も越えてどんどんと南下してお茶畑の広がる川根まで戻ってきた。この街道沿いには目を引くかかしが立っていて、通ったことのある人だとキット気付いたにちがいない、「ブルゾンちえみかかし」。2年に1度のコンテストで作られたモノだろうが、かなりインパクトあって通るときはついつい目がいってしまう。


川根温泉 ふれあいの泉(施設HPより)
川根本町まで来たら、あとは新東名に乗っかって名古屋まで突っ走るのみ。寄ってみたかった川根温泉を思い出し、今日 4回目のお風呂に浸かる。道の駅に温泉施設があるのは見かけるけど、ここは温泉施設がメインで「たまたま」道の駅をやってます風の印象。つまり温泉施設が充実しているって事。
お湯はちょいと黄色がかかってる色合い、高張性弱アルカリ性高温泉で噴出温度が48.7℃、お湯の噴出量も多くってかなり恵まれた温泉だ。特徴的なのが「しょっぱい湯」ってこと、海水以上にしょっぱさを感じるくらい塩分も含めミネラル豊富ってわけだ。大鹿村の鹿塩温泉も山奥なのに、しょっぱい温泉で有名だが、この川根温泉はそれ以上に濃い温泉だ。かなり強烈に印象に残る、またリピートしたくなる温泉が増えたねえ。

大井川鉄道 C56 44
川地温泉を出るときに、「金谷」行きのSLが5分後に通過しますって、館内放送あり。道の駅 川根温泉は 大井川鉄道の線路を取り囲むように立地しているので、こんなサービスもあるわけだ。
あわててバイクを動かして、やってくるであろう方向を推定し、カメラワークを考えてバイクを駐める。ほどなく川根温泉 笹間渡駅を発車してSLがこちらに向かってくる。少しずつ蒸気の音と車輪の音が近づいてきて、バイクを正面に目前を通過してく画像を撮ることが出来た。調べてみると、このC56蒸気機関車は、1936年に作られ戦時にはタイで活躍し、奇跡的にも戦争を生き延びて戦後もタイ鉄道で稼働していた。やがて敷地内に放置されるような状況になったが、奇しくも関係者の目にとまり様々な活動の末に故国に戻ってきた。戦時中に多くの蒸気機関車がアジアの地に送られたが、再び日本に戻ってきたのはこのC56 44だけだそうな。
日帰りツーリングなのに、今日は4回も温泉に浸かってしまった。寒い時期は着込んでいるので、脱衣がうっとうしい。真夏は温泉も暑くって、あせが引かないのが辛い。なので、バイクで温泉に行くには今がベストシーズンだろう。

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