
職場で過ごす毎日、小生の好きな場所は遠くの山がみえる病院最上階。空気が澄んだ日は100km先の御嶽山の姿までくっきりと見ることが出来て気分がいいからだ。名古屋からは見えないけど、その向こうには乗鞍岳、野麦峠が控えているはずだ。Webで調べてみると冬季閉鎖されていた野麦峠は4月末からは通行可能となってるらしい。有峰林道などもよいかと思ったが、こちらはまだまだ冬期閉鎖中。温見峠や高倉峠などもいまだ開通していない、これら深山のツーリングはもうすこしお預け。

どこにするか悩んだ末に、今年最初の野麦峠越えをしようと決定。地図を見ながら、あれこれ考えるこんな時間はとても楽しい。さて、野麦峠だけでは寂しいので、登り甲斐のある天生峠や新穂高の温泉もルートに入れましょう。こんなロングは、かっとびだけならレザースーツが安心だけど、温泉にも寄りたいからテキスタイルの出で立ちを選択。ただし山の中は寒いだろうから、メッシュはやめておいた。グローブも薄手のメッシュと3シーズン用の厚手を準備。

東山動物園
今日も距離が出そうだから、早めの出発。なのに前日の缶ビール飲みすぎで「寝坊」、どうにか朝7時に自宅を出発することができた。近所の東山動物園の正面ゲートを通り過ぎて、名古屋高速道路の四谷ICからワープモード。名古屋高速、名神高速、東海北陸自動車道と、一路白川郷を目指す。

荘川
高速にのって1時間ちょっとで白鳥C近くまで走ってきた。このまま白川郷まで高速で行くのが最短だろうけど、この先は長いトンネルばかりでなーんにも楽しく無い。だからずいぶん手前の白鳥ICで高速を降りて、大日岳、ひるがの高原など通過して荘川までやってきた。荘川の交差点、高山に行くなら右折、白川郷から北陸に抜けて行くには左折。天生峠をめざす小生はここを左にウインカーをだす。バイクシーズンの週末であれば、この交差点は行き交うライダーであふれている。地図をみれば、ここが日本海と太平洋をつなぐ重要な交差点であることがわかるだろう。

荘川桜
御母衣(みぼろ)ダム湖の岸辺には、でっかい荘川桜2本が鎮座している。ダムが出来たときに、一緒に沈んでしまうはずだった樹齢400年以上の桜の木を、地元の人たちの要望から1500m離れたこの地まで移植をしたものだ。移転してから60年、桜はいっそう枝葉を伸ばして大きく成長している。

野谷荘司山(のだにしょうじ)
このあたりは十分に山奥で、周囲に大きな集落は見当たらない。東に連なる山の峯が、時折その姿を見せてくれる。緑少なくわずかな雪渓とガレた山肌を見せるのは野谷荘司山で、この山の向こう側を白山白川郷ホワイトロード(旧称白山スーパー林道)が通っている。

白川郷
名古屋から3時間で白川郷の集落に入ってきた。週末じゃないので交通規制が無いから、メインストリートをバイクで通り抜ける。合掌造りのキレイな建物の前で写真を1枚。そうしたら、写真を撮ってくれと中国人と思われるおねえさんが近づいてきた。バイクと合掌造りと自分を入れてシャッターを切って欲しいらしい。どこから来たのか聞いてみたら、オーストラリアとのこと。日本が好きでもう数回は日本に来ているようだった。いわゆる中国系オーストラリア人、だから小生のつたない英語でもコミュニケーションをとることができた。

越中西街道起点 天生峠通行止め
恐ろしい渋滞の週末とは違って、平日のお昼前の白川郷の町並みは静かだ。日本人観光客よりも海外からの団体客や個人客の方が目立つくらい。さて、町の中心地から分岐して天生峠に向かう交差点にバイクを駐めると目の前にはなにやら看板が。なんと冬期通行止めがまだ続いていて、天生峠を通り抜けられないと書かれてあった。
あれまあ、この峠が通れないとなると、ぐいっと大きく北に向かって富山から奥飛騨に向かうことになる。さすがにこのルートはないだろうと、南に戻って飛騨清見から高山方面に抜けることにした。帰ってから調べると、天生峠は例年7月くらいの開通だそうで、それってもうすっかり真夏じゃないですか?

飛騨卯の花街道
白川郷ICから再び東海北陸自動車道に乗って飛騨清見までもどる。途中には「飛騨トンネル」といって、道路用としては日本で3番目、世界でも12番目の10710m、ながーいトンネルをくぐり抜ける。飛騨清見ICで下りてからは、古川にむかう山中の快走路「飛騨卯の花街道」で山越え。猪臥山(いぶしやま)トンネルというこれまた立派な道路ができていてその距離4500mと贅沢きわまりない。日本中の山奥でかような大規模トンネルの建設が数知れず行われていることは、いいことなのか、わるいことなのか。いずれにせよ、50、60年後の根本的なメンテナンスのことまで考えて作っているんだろうか、、、心配だなあ。

飛騨古川 北アルプスを望む
猪臥山トンネルを出た先は、穏やかに飛騨古川の里まで下りが続く。奥飛騨の典型的な赤い屋根の集落の向こうには、これから向かう北アルプスの山嶺が見えてきた。田植えも終わった田園風景、数ヶ月前の厳冬期の景色とはずいぶんと違っているんだろうな。このあたりは全国的にも豪雪地帯として知られている。

奥飛騨栃尾
栃尾温泉の蒲田川にかかる赤いアーチ橋の宝橋、ここは新穂高への入り口だ。この橋を見ると「あ〜新穂高に来たんだ!」って実感できる。その栃尾温泉の旧道に入ると、急峻な山肌にがっちりとした砂防ダムに目を奪われる。栃尾の町のど真ん中をこんな巨大な砂防ダムが貫いているなんて、自然との共存は大変な労力が必要。

穂高連峰
栃尾から新穂高の行き止まりまで、谷沿いの道は眺めが最高。以前は左の山手をくねくね登っていったが、トンネルが出来てすっかり安直に新穂高に入れるようになった。どか雪でこの山道が通れなくなり、正月休みの宿泊客達が数日間閉じ込められたのも随分昔のお話。正面にはいよいよ北アルプスのお山が間近に見えてくる。このあたりも週末にはバイクが多いところだ。

新穂高温泉
ロープウエイの乗り場まできたらそこが終点。ここの雄大な景色は、来るたびに感動する。今日の天気のよさに本当に感謝だ。年中走っていても、天候、景色とドンピシャで感嘆できるような刹那に出会うことは希である。

新穂高温泉 中崎山荘
このお風呂に入るのも、今日の大切なミッションだ。平日もあって「がらがら」、ひとり貸し切りの状態で硫黄泉をすっかりと楽しむ。今日のお湯は、小生にはもうちょっと熱くてもいいかな。ヒノキの浴槽には湯ノ花が一杯堆積している。白骨温泉のお湯に近いはずだけど、ここのほうが透明感が強く沈殿物が多い。いつ来ても、ここのお湯は美味しい。

新穂高 中尾温泉

中尾高原ヒュッテ
新穂高温泉の手前、右手に登ってゆくと中尾温泉のある高原にたどり着く。その入り口には、知り得る限りで国内最大の「湯のれん」が垂れ下がっている。中尾温泉も新穂高温泉スキー場に通っていた頃、いつも使っていたお宿があった。それが中尾高原ヒュッテ、一時休業していて残念だったけど、また再開したのだろうか、ホームページが生き帰っていた。露天風呂、内風呂とも硫黄泉たっぷりの掛け流し、登山客がリピートするいいお宿だ。



北アルプス大橋
中尾温泉から谷を越えて旧新穂高スキー場へ向かう林道、そこにかかる橋が景色がよいと評判の北アルプス大橋だ。小生も新穂高には何度も足を運んでいるが、この橋を知ったのはまだ最近のこと。SNSがきっかけで周知されたフォトスポット。なるほど橋の向こう側は、標高3000m近い山嶺が背景となって控えている。天気のいい平日だから、この景色を独占。箱庭のような小さな景色が多い日本とは思えない、スケールのでっかい風景だ。

平湯温泉バスターミナル

旧安房峠入り口
新穂高を満喫して、南に下り平湯温泉の町までやってきた。バスターミナルには観光バスもいっぱい、立ち寄り湯の「ひらゆの森」も駐車場には多くの自家用車が止まっていた。旧安房峠で山越えしようとしたけど、冬期通行止めが続いていて断念。5月末でもまだ峠は冬の景色なんだろうか、日陰には根雪がのこっているんだろうか。

奈川渡(ながわど)ダム
安房峠を断念して、さくっと安房トンネルで山越えして松本側に出てきた。上高地への分岐を過ぎると、地下水でべたべたのトンネルを幾つか通り抜けて奈川渡ダムに到着。長野県の標示は、飛騨から信州にやってきたことが確認できる。乗鞍高原温泉スキー場に毎年かよっていたころ、この道で松本ICまで出るのがいつものコースだった。

野麦峠入り口(松本側)
ダム湖にそって登ってゆくとやがて奈川の集落が現れ、いよいよ野麦峠への取り付きになる。近隣の野麦峠スキー場は雪が上質で春スキーまで出来ることで知られている。子供が大きくなったからか、または自分たちのモチベーションが下がったのか、スキー旅行に出かけることも無くなってしまった。


野麦街道
奈川側から野麦峠への登り道は、反対側に比べると比較的なだらかで距離も短い。今季はもう最後だろう、芝桜が精一杯の花をつけている。明るい日射しの中、峠をどんどん登っていく。

旧野麦街道
女工達が雪の中を行進した旧野麦街道が残っていて、今も歩道として保存されている。毎年、雪解け開通のこの時期、「野麦峠まつり」が峠で開催されて、この旧道を当時の山越えの姿を再現して子供達が歩く企画がある。いつもは静かな峠もこの日だけは大勢の人たちで賑わう。訪れた2日後の日曜が今年のまつりの日であった。


野麦峠(乗鞍岳)
やってきました、本日最終の目的地。5月末の来訪では、まだまだ木々には新芽も少なめ、その分、景色も透過されて見晴らしがよい。乗鞍岳もいまだ雪を残しており、この峠にやっと初夏がやってきた風情。毎年ここにやってきて、同じような場所にバイクを停めて写真撮影。変わらないじゃんと言われればそれまでだが、まあこうやって毎度、同じ景色を愛でることが出来るのもいいじゃないかと。

野麦峠 お助け小屋
お助け小屋にも顔を出す。おばちゃんは元気そうで、今年もお店で頑張っていただきたい。旦那さんを見かけなかったけど、どうしてるかなあ。ここでは蕎麦を頼むことが多いけど、今回は初めて「カレーライス」を注文してみた。客は小生ひとりだったけど、なかなか出てこなかったなあ。やはり蕎麦にしておいたほうが無難かな。

集落 野麦
峠を高山側に下りてくると出会う集落が「野麦」、路肩に停めて乗鞍岳を背景にして写真を一枚。御嶽山は開田高原などがあるためか、周囲から山頂を見ることはたやすい。対して乗鞍岳は山に近づくと返ってその全容が見づらいお山のように思える。だからこの野麦の集落からの眺めは貴重でもあり、とても美しい。

御岳 すずらん峠
秋神ダムの手前からダム湖に沿って左折、もう一度山を駆け上がる。飛騨小坂にぬける鈴蘭スカイラインは小さなRが続くワインディング、交通量も少なく気分のいいコースだ。登り切ったところがすずらん峠で御岳と乗鞍岳が一望のすばらしい景色が楽しめる。御岳山噴火から続いていた噴煙は当時、名古屋からでも観察できたが、今ではこの近くからでも噴煙は見えなくなった。あの大惨事から5年が経過した。

飛騨小坂
すずらん峠を下りてきて、R41にぶつかる町並みが飛騨小坂。西の方角から御嶽山に登るルートの玄関口である小坂の町は、近くに湯谷温泉やひめしゃがの湯など美味しい温泉も点在する。ここまでくれば、もう名古屋までの時間も読める。さて、どのルートで帰ろうか。

岩屋ダム
まだ日は高かったので、もうすこし欲張って回り道。飛騨小坂から新日和田トンネルを越えて、馬瀬村に抜けそのまま岩屋ダムのワインディングを楽しんだ。平日だからこの旨いワインディングも独り占め、その先はどんどん走りぬけて東海北陸自動車道の美並ICまで、すずらん峠からノンストップでたどり着く。あとは、高速道路で自宅まで、淡々と消化試合だ。
夕暮れ日没に間に合う19時に帰宅。朝7時に出発したから12時間のツーリングで2度の給油を経て、約600kmを走行した。途中の休憩や食事タイム、さらにはお風呂タイムなどをひっくるめても、平均時速50kmで走破したことになる。今日もいつものペースで走ったつもり、そんなに飛ばした覚えはないのだけどなあ。
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