ぼちぼちバイクの季節も終わりに近づき、晴天の休みはどこへ繰り出すか? 行く先を考えるのも楽しい作業。温見峠が開いていれば冠山峠と絡ませるのもナイスなプランだけど、今だ温見は通れない。R152の地蔵峠も通行止めのため、秋紅葉の中央構造線の縦走も叶わない。それで思いついたのが紀伊半島一周、久しく潮岬や白浜に行っていないので、そのあたりの観光をメインに計画を立てる。毎度のように日没前に帰宅できるよう、今日は日の出前の5時半に自宅を出発。
安濃SA 6:30
名古屋高速、東名阪、伊勢自動車道路とつないで三重県安濃SAで最初の休憩。昼間の気温が上がりそうなので、レザーは避けてテキスタイルの上下を着たが、、、日の出前の高速は寒かった!! この時期は朝夕と昼の温度差が激しすぎるので、バイク乗りには難しい服選び。
伊勢うどん
このSAをすぎれば、しばらく食事にはありつけそうもないので、伊勢うどんをかき込む。温かいお汁のうどんもよかったけど、やはり地元のオススメを食べないと。ふつうのうどんの倍はありそうな太さ、たまり醤油のように濃いお汁、コシの強い讃岐うどんと正反対のような「ぶつぶつ」の柔らかな食感。伊勢うどんはかなり個性的で好き嫌いの分かれそうなうどんだと思う。具もネギだけ?!


尾鷲 7:44
伊勢自動車道から紀勢自動車道にはいり、終点の尾鷲で市街地に降りる。自宅から180km、ここいらで給油をしておかないと、この先の山奥に入るとガソリンが心細くなる。早朝から開いている毎度のスタンドで9.5Lの給油。燃費はざっくりと19km/Lで、ぼちぼち飛ばした高速での燃費はこんなもんでしょ。今回のツーリングでは、4回の給油をしたが、それぞれ 19km/L、20km/L、23km/L、19km/Lであった。
熊野市 8:10
尾鷲からは大泊まで、旧道のR42の矢ノ川トンネルのルートはクルマも少なく、ワインディングが楽しめるので好きなのだが、今日は無料区間の自動車道路を使って時間を稼ぐ。下道に出てくると「大泊」、続く「鬼ヶ城」も素通りして熊野市へ。鬼ヶ城トンネルをくぐると、パッと広がる熊野の海岸線はヘルメットの中で感嘆の声が上がる。30km先の新宮までの海岸が朝の光に照らされて美しい。雲も皆無、今日は良い天気になりそうだ。
新宮 8:40
新宮市街の外れで再び自動車道無料区間が始まって、今回は那智大社、那智の滝にも寄らずに先を急ぎ、太地町までワープ航法。太地のクジラの博物館を再訪したくってやってきた。ここに来たのは10年以上前だろう、父や小学生の長女を連れてきた覚えがある。9時過ぎなのでひょっとして開館前?なんて心配もあったが、入館することができた。展示の内容はすっかり忘れていたが、さすが捕鯨の町、クジラ漁についての展示が多かった。

竜涎香(りゅうぜんこう)
マッコウクジラの胃の中で作られる竜涎香、話には聞いていたが現物を見るのは初めて。マッコウクジラの好物のダイオウイカのくちばしが胃の中で変性して、排出されたり死骸から漏れ出し、軽いので水に浮くために海岸などで発見されるらしい。竜涎香は香料として珍重され、マリリンモンローが愛用したシャネルの5番にも含まれてるよう。どんな匂いがするんだろう、楽天でも竜涎香の練り香水を見つけることができる。試しに買ってみようかしらん。



橋杭岩 10:05
日はすっかり高くなって、ジャケットも暑くなってきた。ジャケットにはエアを取り入れる工夫がいくつかあるので、これらを全部オープンにしてみると走っている限り十分に効果あり。橋杭岩は満ち潮なのでなかなか良い感じ。近くの堤防からの入り江の透明感がすごい、海底までまるみえ、きれいな海だ。
くしもと大橋
やっと紀伊半島の端っこまでやってきた。紀伊大島に渡るため、ながーいくしもと大橋を渡る。途中の苗我(みょうが)島部分では、360度ループ橋となって高度を稼いでいる。この橋ができる1999年までは、串本フェリーや巡航船が役割を果たしていた。学生時代にはフェリーに載って渡ったことを思い出した。



樫野崎灯台 10:27
紀伊大島の先端には、真っ白な樫野崎灯台。真っ青な空のコントラストが美しい。この灯台は明治3年!! 日本初の石造り灯台として作られ、今に至る150年間ずっと灯台の機能を果たしてきた。すごいことだ。後述するエルトゥールル号の座礁の時もこの灯台は事の顛末を照らしていたはずだ。

樫野崎灯台 灯台カード

トルコ記念館
樫野崎灯台へ続く遊歩道はエルトゥールル通りと呼ばれ、トルコ記念館やトルコ軍艦遭難慰霊碑が立ち並ぶ。なぜこの紀伊大島にトルコにちなむ施設があるのか、このトルコ記念館を見学すればその訳がよく分かる。

トルコ軍艦 エルトゥールル号

エルトゥールル号遭難現場
親善航海のため日本にやってきた軍艦エルトゥールル号(排水量2,344トン、全長 約76m)は帰航の途中の1890年9月16日夜半に、和歌山県串本町の紀伊大島沖で猛烈な台風のために岩礁に激突、蒸気機関が爆発し二つに割れ沈没した。この海難事故で、艦長以下587人が殉職。紀伊大島の島民たちの必死の救助で助かったのは、わずかに69人であった。しかし、この献身的な救助活動は、トルコ国民に直ちに伝えられ、今でも時代を超えて語り継がれている。

トルコ軍艦遭難慰霊碑
昭和12年、「トルコの父」と呼ばれるトルコ共和国初代大統領のムスタファ・ケマルが、昭和12年にトルコの国費で作った慰霊碑。重厚な造りの慰霊碑はしっとりとした風情を醸し出している。以来、5年ごとに両国から参列者が集まり、この慰霊碑の前で慰霊式典が執り行われる。


トルコ航空 KUSHIMOTO号
時は流れ、1985年のイラク・イラン戦争では、在イラン邦人たちがイランからの脱出を試みるが、自衛隊も日本の航空会社も救出にむかうことができない状況となる。困り果てたイラン駐在特命全権大使がトルコのビルレル駐在特命全権大使に窮状を訴えたところ、ビルレル全権大使は「わかりました。ただちに本国に求め、救援機を派遣させましょう。トルコ人なら誰もが、エルトゥールル号の遭難の際に受けた恩義を知っています。ご恩返しをさせていただきましょうとも」と答えた。ビルレル全権大使の要請を受けたトルコ航空は自国民救援のための旅客機を2機に増やし、オルハン機長らがフライトを志願した。215名の日本人はこれに分乗し、全員トルコのアタテュルク国際空港経由で無事に日本へ帰国できた。
後日談では、日本人を優先させたためにテヘランに取り残されたトルコ人がいたそうだが、彼らは車でなんとか脱出することができた。しかしそのことを非難するトルコ人は一人もいなかったそうだ。そしてトルコは、この時使われたDC-10型機のデザインを復刻し、その機体は「KUSHIMOTO号」と命名されて、世界の路線で活躍したそうだ。
親日の国家は世界に幾つかあるけど、トルコはその中でも特別な繋がりがあるのだろう。小生のプライベートでも、日本に留学に来ていたトルコの医師夫婦と、家族ぐるみでお付き合いをするようになって20年以上になる。既に二人はトルコの首都、アンカラに戻って大学教授など十分に活躍しているけど、なんだか、エルトゥールル号の時代からの流れのような気がしてならない。

お土産屋 OTTAMAN & KONAK オスマン コナック

トルコ記念館の近くには、トルコのお土産を扱うお店が2軒あり、絨毯にひかれてのぞいてみる。無造作に山積みされている商品から、主がいくつか見せてくれる。玄関マットサイズをお願いした中で、模様がシンプルで「レッド」のパンチ力が気に入ったものをお土産に選んでみる。どうにかバイクの後ろに丸めて載せれそう。主の日本語はかなり「フランク」な関西弁に染められている。ホントに値引きしてくれたかどうか、曖昧な値段交渉で決着、おまけにトルコアイスもいただいた。

潮岬観光タワー
本州最南端と記された近くに、この手の場所にありそうな観光タワーを発見。タワーと称しているが、丸形のビルって感じであまりタワーっぽくない。昭和レトロ感満載の施設、今回は立ち寄らなかったけど、後日ホームページで勉強。開業が1960年らしいので、小生と同年!? 「時代遅れ」になりながらも、現役でがんばっている姿に感動。



潮岬灯台 11:19
本州最南端の灯台にやってきた。ここがいいのは、市道からの灯台までの遊歩道をバイクなら自走しても良いと書いてあるところ。とてもバイクに理解があってありがたい。でも、終点の駐輪場所が狭いので、行儀良く振る舞わないと迷惑をかけそう。
設置は明治2年と樫野崎灯台と同様に日本の灯台の創生期を支えたといえる。樫野崎灯台と同じ石造りの灯台は堅固で、150年以上の風雨に耐えてきた姿は頼もしい。樫野崎灯台寄りも灯台は高く、内部の階段を伝って上がることが出来る。ただし、最後の鉄のはしごはとても急で上り降りが難しい。小生でも下りは怖かったから、高齢者などでは降りれなくなった人もいるんじゃ無かろうか。灯台からの眺めは180度以上の展開で、大小の船が右に左にこの灯台の先を航行していた。

潮岬灯台 灯台カード

灯台近くの住居
灯台近くの住居、周囲の壁の堅固さにびっくり。非常に強度がありそうな石垣で作られ、平屋の家屋もその石垣にすっぽりカバーされている。庭木の造りも歴史を感じさせるもので、歴代の灯台守が住んできた住居跡であろうか。他に住居が見当たらない区域なので、とても気になった。


白浜
やってきました白浜。ひしめき合うホテル街の入り江はブルーの海が冴えてキレイ。「十二支考」を読んでその博学、ごった煮の知識で感動した南方熊楠の記念館があるのも白浜。しかし未だにいけていない白浜温泉の崎の湯に行くのも、今回のツーリングの目標だった。



白浜 崎の湯 12:25
入り江の橋に、「崎の湯」がある。白浜には外湯(共同浴場)が幾つかあるが、海岸にあって豪快な露天風呂が楽しめるのがここ。お湯はほのかに硫黄の香り、40〜41度くらいの湯加減は海を眺めながらの長湯にはよいが、小生にはちょいとぬるい。脱衣所は非常に簡素、寒い日には辛いだろうな。


白浜 崎の湯
昨今は湯船の写真を残すことは出来ないご時世、ほとんどの施設で浴槽の写真は禁止されている。なので、今回もWeb上の拾いもの画像を利用させて頂く。大潮、満潮の時には海面と湯船が一致するくらいのダイナミックな露天風呂になるらしい。非常に印象に残る温泉の体験が出来るが、振り向けば、男湯の後ろ側には高層ビルの温泉宿からは入浴している姿が「丸見え」。青森の黄金崎不老不死温泉を思い起こす、印象に残るお湯だ。
牟婁(むろ)の湯
崎ノ湯から程無い海沿いに外湯の牟婁の湯がある。前回はこのお湯に浸かった覚えがあり、熱かったことを思い出す。調べると源泉は72度、そりゃ熱めだわ。普通に内湯を楽しむなら、ここだろうな。大人400円。

泉南 中華そば せんよし 15:38
白浜のお湯にも浸かり満足した後は、もう一度自動車道にのっかって先に進む。途中下車の美味しいコーヒーで旧交を温めつつ、泉南の「せんよし」さんまでやってきてしまった。すでに午後3時を過ぎているけど、お昼を食べていないので昼・夜兼用の食事。Ripさんに連れてきてもらってから、近くへ来たらぜひ再訪しようと思っていた。高速道路をおりてすぐという立地も素晴らしい。


大盛中華そば + 早すし
メニューはシンプルに和歌山ラーメンのみ。こちらでは中華そばと呼ばれる豚骨醤油の細麺。海を挟んだ徳島ラーメンとも系統が似ているように思う。豚骨ラーメンと言えば、博多や久留米を思い浮かべるが、動物臭い強烈な匂いがなじめない(特に久留米の大砲ラーメン系)。名古屋人の小生にはこの和歌山ラーメンに代表される豚骨醤油が多分一番のお気に入りだろう。

和歌山ラーメンと言えば、サイドメニューが特徴的。テーブルの上には、「ゆで卵」「早すし」「巻きすし」の3点セットが置かれている。好きなように手に取って頂くわけだが、レシートにも記載されないから、会計時に自己申告しなくてはいけない。早すしは、一口サイズの鯖の押し寿司のことで、こちらの人たちはラーメンと一緒に食べることが多いよう。濃いお味のラーメンにさっぱりした鯖寿司が合うようだ。小生も早すしを頂く。まちがいなく美味しいね。

大山田PA 18:00
日没前に帰宅するように日帰りツーリングを企画しているつもりだけど、さすがに秋の早い日没には間に合わない。それでも泉南から給油ストップのみで一気に桑名の大山田PAまで飛ばした。西から帰ってくるときには、毎度このパーキングで帰宅前に一呼吸を入れる。もう少しでお家だ。

この日はコイン洗車にも寄らないで、給油だけ近所で済ませて帰宅する(帰宅前にはいつもタンクを満タンにしておく習慣だ)。今日の紀伊半島ぐるっと回った走行距離は720km、5時半に出発し18時半に帰宅だから、13時間を走ってきた計算。食事や露天風呂に、またまたコーヒータイムなどを含んでも、平均時速55kmというのはなかなか走ったことになろう。
バイクを仕舞って後片付けをした後は、シャワーに直行してさっぱりしたらパジャマでキッチンへ。お待ちかねのライダーへの給油だ。最近の我が家でのいい話が、これ。大好きなサッポロ「赤星」ラガービールを酒屋さんが届けてくれるようになって、毎晩飲めるようになったのだ。小生はキリン派と思ってはいるが、そのキリンラガーよりも飲み屋さんで出会うと嬉しい「サッポロラガー」。口元に来たときのビールらしい香り、口に含んだ時の苦みとうまみ、すべてに感動。かみさんとの約束で、毎晩お互いに一本まで、それ以降は「極ZERO」を1,2本でおしまいという決まりに。
キッチンにて 大江のり 19:00
四国旅行で覚えた「大江のり」、これがまたビールのつまみに最適。がっつりと分厚いのり、また味付けが濃いめでやみつきに。この2つのアイテムは、このところの小生のお楽しみセットだね。
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