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100年前のスペイン風邪からみた新型コロナウイルス感染症


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1919年、軒先の廊下までインフルエンザ患者で溢れた病院

 新型コロナ感染症ですっかり世の中が変わってしまった。対岸の火事と思っていた2月頃、我が家は出雲旅行を楽しんでいた。それがいまや「Stay Home」、出歩くものは「悪」と指をさされてしまう。
 10年ほど前の新型鳥インフルエンザ感染の際にも病院は大騒ぎであった。時に小生は病院の感染対策委員長で、名古屋市感染対策の会議に何度も参加しながら、自身の病院内の整備と対応におわれた経験がある。そのとき過去の事例を学んだ一つに「100年前のスペイン風邪」があった。

 スペイン風邪とは、正確にはスペインインフルエンザ感染で、記録にある限り人類が最初に遭遇したパンデミック感染であった。時は第一次世界大戦の1918年3月からアメリカで最初の患者が発生し、やがてアメリカ軍のヨーロッパ進駐で海を渡り、その5月にヨーロッパで大流行した。続く第2波はその秋に世界中で広まり、さらに多くの感染で死亡者が増大する。そして第3波が1919年の春から秋にかけて世界中で広まる。それ以降やっと感染は下火に。最終的に、感染者は世界人口の25~30% 5億人とされる。推定死亡者数は 1700万人から1億人。で第一次世界大戦の死者の1600万人を越える人々が命を落とした。日本でも2年間にわたり3波が襲い、日本人の約半分の2380万人(日本総人口5500万人)が感染し、38万人(致死率1.6%)が死亡した。
 
 そのパンデミックに100年前の人たちはどう対応したのか。それは現在世間で行われている対策とまったく同じ、「人は集まらない」「手洗い、うがいの敢行」「マスク着用」などであった。100年前の先達達の努力が、現在と同じであることに驚くと共に、大正時代よりも遙かに発達した現代も、「やってることはかわらない」というため息が漏れるだろう。こうして、未知なる新興感染症に対して、これまでも、きっとこれからもヒトは種として多くの犠牲の上に生き延びてゆくのだろう。

さて、現在に目を向ければ。。
 感染の由来が分からない人たちが多くなるにつれ、徐々に現在の対応のやり方では無効となるであろう。感染しないようにする努力や伝染させないようにする配慮が必要なことは変わらないが、それと同時に、爆発的に増大する感染者が殺到する事により、医療機関が機能麻痺にならないようにすることが肝要だ。無症状や軽症の感染患者は、「ゆるい」観察で済まし、治療の必要な重傷者を「重点的」に診ていくようにしないと手が回らない。
 小生は、政府ばかりに責任や非難を押しつけることをよしとはしないが、少なくとも医療現場でのぶれない「確かな対応指針」を国家として提示してもらい、医療を牽引することを切に願う。
 そしていずれはこのコロナウイルス感染症も、既存のインフルエンザの扱いのようになって 「簡易キットで診断 タミフルのような内服薬が開発されて 2週間自宅で療養」 なんていう ガイドラインがでることに期待したい。


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Commented by yukifukaa at 2020-04-22 13:56
おっしゃる通り。
10数年前の鳥インフルエンザの時は、主に強毒性の鳥インフルエンザに対するインフラ事業者の対策を、現在よくテレビに出てるあのご婦人に取材しました。当時は国立感染症研究所にいらっしゃいました。
大変でしょうが、頑張ってください。
Commented by Rip at 2020-04-22 18:07
忙しい毎日を送っておられると存じます。
どうぞご自愛ください。

スペイン風邪のことは名前しか知りませんでした。
いろいろなノウハウは100年経ってもそう変わらないものが多いとわかりました。
感染が広がるスピードは、やはり現在は速いというほかありませんね。
経済面では、大恐慌のあと世界が孤立主義になり結局第二次世界大戦に至ったこと、今回も心配です。

私にできることはほとんどないのですが、「正しく恐れる」ことかなと思っています。
Commented by akane8150 at 2020-04-22 21:14
>ゆきふかさん こんばんは
 そうですか、貴殿もあのとき、お仕事で記事を集めていたんですね。今ふり返ると、それほどでもなかったように思えますが、当時はまるで大惨事が起きるんじゃないかと、周囲やマスコミの騒ぎ立てに振り回されたように思えます。
 ただし、今回は感染の規模が大きいので、社会に与える影響も甚大になってしまいました。スペイン風邪を例えにしても、数ヶ月で収束するとは思えません。なので、非常事態宣言をいつまで続けるのか、これは決定する政府にとっては「難問」を授けられたと同じでしょう。
個人の意見としては、もっとコロナウイルス感染を正確に国民に対して周知して(マスコミ任せにしないで)、ゆるやかな対応へ移行してゆくべきと思っています。そうしないと、感染対策が社会を潰してしまうんじゃないかと危惧します。
Commented by akane8150 at 2020-04-22 21:29
>Ripさん こんばんは
 言われるように、「正しく情報を得て、正しく恐れて、正しく振る舞う」のが大事と思います。
 日頃、風邪といわれるうちの、20%はコロナウイルスが原因です。一時期騒がれたSARSやMARSも同じコロナウイルスです。コロナウイルスにも亜型があって、すでに私たちにとっては、お馴染みのウイルスの仲間です。
 毎度、猛威を振るうインフルエンザと違うのは、肺炎に至ってしまい重症化する点です。解熱剤を飲んで家で寝ていなさい、では済まない人たちがいるわけです。でも、新型コロナウイルス感染でも、それは一部で多くは軽症で済んでいきます。
 PCR検査を積極的にするかどうか、やっと有識者の結論が公表され、「積極的に検査を勧めない」という結論が出ました。マスコミでは、兎に角、検査、検査と騒いでいますが、すでにパンデミックになった状況では、検査して白黒決着を付ける意義が薄れています。死亡者を減らすことに重点を置かざる終えない現在では。重傷者を拾い出してこれを治療することに専念するのが賢い選択だと私は思います。
Commented by TigerSteamer at 2020-04-23 12:04
こんな時はいつも一緒で、あえて書くほどのことではありませんが、いつもは顔を合わせるたびに「死にたい」を繰り返している方のほうが感染対策には熱心です。今日もマスクの裏表を指摘されました。生きがいが見つかって良かったと暖かく見守ってます。
Commented by akane8150 at 2020-04-24 07:13
>虎蒸気さん こんばんは
記憶に間違いなければ、同じ業界でお勤めでしたっけ。この生業にいながら、(ヒトと接してなんぼの世界) 感染することを異様に恐れている仲間達を見かけます。エビデンスにのっかって、正しく振る舞うことが大事ですね。
by akane8150 | 2020-04-21 20:45 | 医療 | Comments(6)

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