梅雨入りしたはずなのに、妙にいい天気。GLばあさんを引っ張り出して、飛騨古川を訪れた。春に家族で立ち寄った飛騨古川が綺麗な町だったので、再訪というわけだ。

飛騨古川 白壁土蔵街 9:30
古川の市街地はそんなに大きくない。1km四方もあればすっぽり観光ポイントは覆われてしまうだろう。町の隅々まで清流がながれ、でっかい錦鯉たちが悠々と泳いでいた。半袖でも暑いくらいの夏日だったから、尚更水の流れは癒やされる。商いの住まいが連なる通りを裏手に回れば、白壁の土蔵がずらりと続く。島原の湧水、津和野の武家屋敷などが思い浮かぶ。
JR 飛騨古川駅
「君の名は」 ワンシーン
飛騨古川は「君の名は」の舞台になっていることでも有名だろう。駅を見下ろす陸橋からの眺めは、劇中に出てくる景色とうり二つ。これ以外にも、隕石が落ちる晩のお祭りシーンで出てくる神社は、「日枝神社」。境内の階段が登場する「気多若宮神社」などなど、アニメの聖地巡礼地として、コロナ禍まで国内外から多くの観光客が訪れていた。

蒲酒造
でっかい杉玉が軒にぶら下がる地元の酒造所。聞いたことのある「白真弓」というブランドはここの酒であったと知る。ゆうげに合いそうな純米酒と冷やで旨い吟醸を1本ずつ、また家族用に梅酒を1本いただく。サイドカーはお土産も気にせず持ち帰れるのがいい。

三嶋商店 和ろうそく
昔のままの風情でのれんをあげる和ろうそくのお店。芯が太くてどっしりした和ろうそく、馴染みがないけどその美しい仕上がりが気に入って、これもお土産に。停電の時にでも使えるかしらん、でも勿体ない。半日あれば、ほぼ古川の見どころを押さえれそうなコンパクトで綺麗な町。ごみごみしてる高山の三之町あたりより断然よい。

国八食堂 11:00
お昼ご飯に浮かんだのが、国八食堂のとうふの鉄板焼き。高山と古川の中間ほど、国道沿いにある国八食堂は、バイク仲間でも知られた大衆食堂。休日のお昼などは諦めがつくくらい長蛇の列。今日は平日、開店の11時に合わせてのれんの前に並ぶ。平日というのに、のれんが掛かるとあっという間にお店は一杯になった。
とうふ定食
献立は、鉄板焼のスタイルで他にもホルモン、焼肉、イカ焼き、などが人気。今日はとうふ定食とホルモン焼きの単品を注文、ほどなくガーリックぷんぷんなご馳走が出てきた。白いごはんがどんどん進む。献立にある「中華そば」、これも旨いらしいけど、小生は鉄板焼きにひかれてしまい、一度も頼んだことが無い。今度は中華そばに肉いため単品なんて、いいかも。
新穂高 北アルプス大橋 12:15
さて、お昼ご飯も済んだし、どこへ行きましょう。天気が今日がいいから、お山が綺麗だろうとよんで、新穂高温泉まで足を延ばすことにした。古川からは大阪峠を経て、r76号国府見座線で快走、1時間で新穂高に到着。期待通りの天候に頂が白いお山も美しい。

新穂高温泉 中崎山荘 12:50
ここまで来たら、温泉に浸かるでしょ、大好きな中崎山荘の硫黄泉を楽しむ。内湯の浴槽の底には湯の花が堆積していて、入るときにマジで滑って転びそうになる。そうか、年をくうと、こうやって転けて大腿骨骨折を起こすのね。
素晴らしい中崎山荘の温泉を楽しんで、さて帰路につこうとするがハンドルが右に切れない。そういえば、この駐車場に入るときも異様に重たいハンドルだった。まるで硬いゴムのかたまりでハンドルロックされたように、頑として右に切れない。あわててハンドル回りをチェックすると左側のアールズフォークのメインアームが付け根で全周に亀裂が入り、さらに左右を繋ぐステーにも亀裂を見つける。そうそう、北アルプス大橋からロープウエイ乗り場に向かう林道の簡易舗装、一部陥没してるのを知らずに前輪を落として衝撃があったことを思いだした。多分、それが原因だろう。ただし、なぜ右に切れないのかが判明しないが、間違いなくこんな状況では名古屋に帰れないということは確かだった。
さて、どうするか? 幸いに平日のまだ13時過ぎ、GLばあさんは、レッカーをお願いすれば迎えに来てくれるだろう。それよりもこの新穂高の山奥で、どうやって自分が名古屋まで帰り着くのか?明日は朝から外来診療が待っていて、一泊することはできない。自力で走る事はできるのだから、ハンドルを力ずくでねじれば、ゆるい右カーブならコントロールできそう。であれば、近くのバスターミナルや電車の駅まで走って救援を頼ものがベターか。新穂高の現在地から平湯のバスターミナルが最寄りの交通の要所だけど、其処までのクネクネ続く峠道を走る自信が無いし、レッカーを呼んでもすぐには来れない山奥だ。なので、平坦でなるべくまっすぐな「飛騨神岡」を目的地に西に向けて走り出す。

飛騨高山駅前 15:30
左には曲がれるけど、交差点で右折ができないGLばあさんと「格闘」しながら神岡を目指す。幸いR471はゆるやかなカーブをつないでいる幅員の広い道なので、なんとか走れる。しかし、交通の流れに乗ることはできないので、後続車が来るたびに左ウインカーをつけて路側帯に寄り添う。どこにむかうのも左回りでルートを考える。ところが神岡近くで重大なことに気づく。そう、神岡に電車は通っていないのだ・・・。仕方なく、今朝来た「飛騨古川」を目標に切り替えて山越えに挑む。ここは広域農道ができていて緩いカーブ、ありがたや、ありがたや。
しかし最大の難関、榊原トンネル先の大きなヘアピンカーブが待ち受けていた。これもふつうなら快適至極なカーブだけど、左カーブはよいとして、この下りの右カーブを越えることができるのか、上体の全筋肉(笑)を動員して、左のハンドルを押しつけ、右ハンドルを引っ張り、「無理矢理」バイクを右に曲げてゆく。曲がり切れなかったらバックギアのついていないGLばあさんはそこで立ち往生、550kgの巨体はひとりでは坂道では動かせられない。
しかし、「神は降りた」 火事場の馬鹿ちからとはこのことで、今日最大の難関を乗り切った。

レッカー搬送 16:05
新穂高から約70km、普通なら1時間ちょいで済むところを約2時間半かかって、力任せで高山駅前までたどり着いた。さすがに腹筋、左肘回り、背中がもう限界、これ以上は進むことができなかった。高山ラーメンで知られた「甚五郎ラーメン」の前にあるコンビニにバイクを止める。すでに任意保険の代理店とは連絡が取ってあり、素早くレッカーが到着。ドライバーさんが「助手席に乗っていく?」と声を掛けて頂いたが、電車で帰るのも悪くない、送り先の職場駐車場を伝えて搬送をお願いした。GLばあさん、よかったねえ、名古屋に帰れて。

JR高山駅 16:20
高山駅に着けば、程なく名古屋行き「特急ひだ18号」に乗れることが分かる。車内ではアルコール販売がないと知り、キオスクで缶ビールを仕入れて乗車した。あ〜、これで小生も名古屋に帰れる、明日の仕事に支障を来さないで済みそうだ。


ワイドビューと言うくらいだから、車窓が大きくシートの座面も高いので、景色はよく見える。幸運なことに、1号車の先頭座席が空いていたので、生まれて初めての高山本線の先頭景色を堪能する。高性能で知られているワイドビュー車両は、馬力あるディーゼルエンジンを積んで、これまた迫力あるエンジン音を上げて加速する。エンジンはアメリカのカミンズ社製 直列6気筒、排気量 14L の直噴式ターボディーゼルで350PSを発揮、これを1車両に2台ずつ搭載され、電車並みの120km営業速度を誇る。エンジン音は重低音のここちよい音、すっかり気に入ってしまった。
JR名古屋駅 19:10
先頭だったはずが、東海道線に入るために岐阜駅で折り返し最後尾となる。夕闇のせまる都会の賑やかさがだんだんと増してきて、名古屋に戻って来れた実感を味わう。夜7時過ぎに名古屋駅に到着。まさか電車で帰ってこようとは思っていなかった。約2時間半の列車の旅、災難のお出かけになってしまったが、ワイドビューに乗れてよかったね。

ホームの立ち食い
在来線のホームには今も立ち食いうどん屋が営業している。食べログでも高得点で「美味しい」と聞いていたので、試してみることに。きしめんを選ぶのが筋だろうが、小生はあまりきしめんは好みじゃ無いので「肉蕎麦」を選ぶ。ほんとはかき揚げが食べたかったが売り切れだった。お腹が空いていたこともあって、まずは美味しゅうございました。
美味しいと聞いていたのはたしか「住吉」って言うお店だったなあ。。。あれ、食べた店は住吉じゃ無かった?! おとなりのホームを見れば、あっちが「住吉」だった。
さて、搬送をお願いした職場の駐車場に行ってみるとすでにGLばあさんが鎮座している。聞けば2時間半ほどで高山から到着していたらしい。レッカーの親父さん、そーとーに「飛ばしたね」。さて、右に曲がれないGLばあさんはどうしましょう? 東海サイドカーショップの親父さんに預ければ治るだろうけどそこまで運ぶ手配が必要。地元のKモータースで見てもらって、お手軽溶接修理で治るのなら有りがたいが、いずれにしても、GLばあさんはしばらく車庫でお休みだ。
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