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ヤマハ XS1100の系譜 & ミッドナイトスペシャルシリーズ

 小生のXS1100Sは真っ黒け、だから、ミッドナイトスペシャルと呼ばれることもあって、そのあたりどうなのよ、っていうことでいろいろ資料を探ってみた。まずは、ヤマハのホームページのコンテンツに、「プロダクト ライブラリー」というデータベースがあって、創業からの製品の画像を閲覧することができる。これは過去のバイクを知るには有益で、XS1100のことをよく知らない小生はここを徘徊して。あの偉大なデーターベース「バイクの系譜」https://bike-lineage.org/index.htmlに敬意を表して、それ風に、ヤマハXS1100の概略をまとめてみた。

プロダクト ライブラリー

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XS1100 1978

 XS1100は1978年に、北米、ヨーロッパでヤマハ初の4気筒ビックバイクとしてデビュー。当時のホンダやカワサキなどのライバルは、1000ccが上限であったため、さらに100cc上乗せして企画された。北米では、アップハンドル、段付シートなどでハーレーのイメージを重ねた「スペシャル」として発売され、パワフルなエンジンと乗り心地の良さ、安定性などで一定の評価を得てツーリングマシンとしての立ち位置が確立した。しかし、ヨーロッパでは、あだ名が「醜いアヒルの子・Ugly duckling」、当時の派手なホンダやカワサキの1000ccバイクよりもあまりに地味すぎて、スポーツマシンよいうより、ロングツーリングマシンとしての評価が先行した。

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XS1100S 1981

 不評であった足回りの性能を向上してマイナーチェンジした1981年は、リアサス、空気圧フロントフォーク、渦巻きホイール、大口径(200mm)ハロゲンヘッドライト、シート形状が変更されてXS1100Sとなる。エンジンは95HP、5速で変更無し。XS1100としてはこの年で生産中止となり、その後は4バルブ化されたXJ1100や新たに開発されたVmax1200、最後の空冷として君臨したXJR1300につながっていった。つまり、XS1100はヤマハリッターバイクの祖といえるだろう。ヨーロッパでは、クロームメッキ処理の排気系とブリリアントレッドの鮮やかな標準仕様と黒で統一された外装でフェアリングを備えた仕様と2種類が準備された。写真は前者のレッドタンク、カウルレス仕様。

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XS1100S 1981 early

 小ぶりなフェアリングを標準装備した仕様は、タンク、サイドカバーがグロスブラック、エキパイ、マフラー、前後フェンダーなどが黒クロムメッキとなり、精悍さが増している。ヤマハには真っ黒な車体にゴールドの加飾をした「ミッドナイトスペシャル仕様」が複数の車種に設定されており、このブラック処理はそれに準じたものと思われる。エアクリーナーボックスがクロムメッキで処理され、ミッドナイトのようなゴールドメッキは使われていない。渦巻きホイールは「イタリックスポークホイール」と呼ばれ、停止時も回転、躍動しているようなイメージでデザインされた。この形状は、RZ350を始め当時のヤマハロードバイクで広く用いられた。
 段付きシート、シルバーシャフトの砲弾型ミラーで、小生のバイクがドンピシャこれにあたる。車検証によれば、1983年が登録年なので、1981年工場出荷の長期在庫車だったのではないか。初代オーナーは女性で30年以上乗ってきたと伝え聞いている。つまり手放した年代を50〜60才と想定すると、購入した頃は女性オーナーは20代のごく若い年齢であったんじゃないかな。この迫力あるバイクに若いオーナーが颯爽と走っていた姿を見てみたかったなあ。
XS君、悪いなあ、新しいオーナーが年季の入ったおっさんで。。。

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XS1100S 1981 late

 上記の製品ライブラリーで登場するもう一つのXS1100Sがこれ。どこが違うのか、まるで間違い探し。ミラーがRZと同じ角形ブラックのショートなモノに変わり、段付きのあったシートがフラットになった。シートの形状の移り変わりから見れば、段付きがあるのを「early」無いのを「late」としてよさそうな気がする。製造後半でおこなわれた変更と推測する。

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XS1100SPORTS 1981

 ほとんどがXS1100Sと表記されているけど、ごく一部に「SPORTS」と記されている。その区別は皆目不明、地域によってネーミングを変えていたのか? ナゾの仕様としては、リアホイールのエアバルブ数だろう。なんと小生のXS1100Sには、3つもエアバルブがついているのだ。この側面の写真でも、2つのバルブが覗えるだろう。なぜ、3つ?? それだけあればバイクをずらさなくても、空気が入れやすくなるから??、わからん。
 
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1981 オランダ仕様 XS1100S カタログ

 eBayで資料を漁っていたら、貴重な当時のカタログがでてきた。1981年のオランダで発行されたもので、スエーデンからの出品。クロームメッキの排気系でブリリアントレッドの鮮やかなタイプと、ブラックペイントと黒クロームメッキされた外装でフェアリング付きタイプの2種類の「スーパースポーツバージョン」が選べたよう。カウルの無いレッドバージョンもなかなかカッコいい。この頃のヤマハは大型ロードスポーツには、こぞって20cmの大径ヘッドライトを採用している(XJ650、XJ750、TR-1、XV750Eなど)が、これがまたイケてる。

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ヤマハオートセンター広告(モーターサイクリスト誌 81/1)

 当時、逆輸入バイクを手にすることの出来るルートは限られていて、ヤマハオートセンターはその中でも最も取り扱いが大きかったところ。バイク雑誌の広告によれば、XS1100Sの新車価格はびっくりの185万円!!、当時のカローラ4ドアDXが80万円ほどだったことと比べるとイレブンは高額であったようだ。ちなみに、ハーレーFLH80が184万円、CBX1000が160万円、ドカティ900SSが155万円、国産中古の中型大型バイクの価格帯が20~30万円であった。このようにXS1100Sは当時の他社メーカーバイクよりも割高感が強く、これも人気が出なかった理由かも知れない。

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XJ1100 1981 プロトタイプ

 番外編として、XS1100のエンジンをベースに、FI化してターボをドーピングしたXJ1100Tが1981年の東京モーターショーで発表される。カウルの雰囲気はXS1100Sに類似しているが、角形ライトがデザインをスポイルしている気がする。そういえば、一時期角形ライトが流行ったね。XS1100の空冷2バルブDOHC1エンジンは、これ以降4バルブ化などを経て、XJ、XJRなどの空冷4気筒シリーズにつながる。

ミッドナイトスペシャルシリーズ
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XS1100LG  1980

 1980~1983年頃は様々なバイクがカタログを賑わしていた真っ盛りの時期、各メーカーとも豊富なラインアップを持っていた。XS1100LGは XS1100 の北米版、Special とサブ名がついたアメリカン。それをベースに全身ブラック化、排気管なども黒クロムメッキ、モール類はシルバーからゴールドメッキと「黒」と「金」の「シック」な外観の「ミッドナイトスペシャル」を発表する。そしてこれを皮切りに、当時のヤマハの勢いは他のバイクにも同じ仕様を加えてシリーズ化する。

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XV1000  1983

 TR-1のアメリカンバージョンのミッドナイト仕様。イタリックスポークホイールが用いられた最後の機種になろう。その頃、国内版のXV750をチョイノリする機会があったが、低回転からのトルク感や中速時のパルス感(鼓動ではない)などが印象に残る。今ふり返れば、同じVツインのMT-01とは異なった味付けがなされていたと思う。

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XS250  1981

 当時、唯一間近にみることのできたミッドナイトスペシャル。バイクを探していた同級生の「S君」にこのバイクを強く勧め、彼は新車でこのバイクのオーナーとなった。RZとXSの初めてのロングツーリング先は、「彼のオートバイ・彼女の島」の舞台であっただろう「瀬戸内笠岡の北木島」。S君は図らずも同じ職場にいるので、時に当時のツーリング話で盛り上がる。RZに比べるといたってマイルドなエンジンで、下道をトコトコと走るのがふさわしい。

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S君とXS250ミッドナイトスペシャル 1981

 たぶん1982年 春? 大学2年生の頃、S君とロングツーリング。北木島で泊まった宿が「天野屋旅館」。庭のヤシの木が印象深い、木造3階建ての旅館で今も営んでいるよう。もう一度泊まってみたい。

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RX50  1983

 RZの末弟、RZ50をアメリカンにしたRX50のミッドナイトばん。さすがにホイールリムがゴールドに処理されていないのは、コストの問題か。この頃の50CCは今思えば、スーパースポーツで高馬力を競争していた。平坦路で90kmくらいは出せたんじゃないだろうか。

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ポッケ  1981

 ミッドナイトは基本、「スペシャル」の名がついたアメリカンタイプに設定されたが、例外としてヤマハ版モンキーのポッケにも適応された。これはちゃんとホイールもゴールドでツボを押さえてある。友だちの「yukifukaa」さんが今も動態保存している。

結語
小生のXS1100Sは真っ黒だけど「金」は加飾されず、ミッドナイトスペシャルの仲間ではない。
ミッドナイトスペシャルは、アメリカンタイプに設定された(例外あり、ポッケ)
EUS版のXS1100Sには、カウルレスのレッドVerとカウル付きのブラックVerがあって、小生のバイクはその後者である。
XS1100Sには、同じ年式でもシート形状やミラーに2種類の仕様がある。


Commented by 通りすがり at 2021-07-17 19:58 x
エアバルブは3つが標準ではなく、チューブタイヤ仕様で一つがバルブの穴で、あと二つはビードストッパーの穴だと思います。
Commented by akane8150 at 2021-07-17 22:10
通りすがりさん こんばんは
なるほど〜〜 チューブレスタイヤが標準になりつつあった頃の過渡期の対応だったんですね 「スッキリ」しました(^^)
Commented by yukifukaa at 2021-07-19 07:22
わーい!
僕のポッケミッドナイトスペシャルも加えていただきありがとうございます。
高校生の時からず~っと所有している唯一のバイクです。
RZ350とCB750K4とモリワキで組んでもらったCBRのレーサーはいまでも手放したことを後悔しています。
Commented by akane8150 at 2021-07-19 22:07
yukifukaaさん こんばんは
ポッケは屋内にも置けるサイズがよいですね それも永いこと維持できてる秘訣かも 手放してから分かる愛車の良さですね 
by akane8150 | 2021-07-17 07:30 | Motorcycles | Comments(4)