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メルセデス-AMG GT 11 岐阜かがみはら航空宇宙博物館

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岐阜かがみはら航空宇宙博物館

 今年はいかにも「梅雨」といえるような天候が続いていて、なかなかスッキリとバイクで出かけられない。雨でも楽しめるところとなると、屋内施設。思いついた先は、岐阜かがみはら航空宇宙博物館。20年に以上も前に開設され、最近リニューアルしたと聞いていたから楽しみ。

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 博物館は各務原飛行場に隣接しており、ちょうど浜松基地のエアパークによく似た立地。屋外展示も広く、YS11・US1救難飛行艇・P2対潜哨戒機などが鎮座している。屋外だと機体の痛みが気になるところ、鹿屋基地の二式大艇が痛々しく展示されていたのを思い出す。それに比べるとこれらの機体は手入れがなされているようだった。

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 入場料、大人800円 高校生以下・60才以上500円 見栄を張って800円を払ってしまう。そんな自分が嫌だなあ(汗)。

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 各務原は川崎重工業の岐阜工場があって、航空機、宇宙機器の生産の拠点ということもあり、博物館をがっつり支援している。展示されている貴重な機体も川崎重工業に関連したモノが多い。

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乙式一型偵察機

 第一次世界大戦で活躍したフランスの偵察機を国産化した機体は、量産した初の国産機で川崎造船所飛行部が相当数を製造し、国産飛行機開発の礎となる。これはそのレプリカであるが、当時の技術を再現して作られていて、航空産業遺産に指定されている。ライト兄弟が初飛行してからわずか16年後にこの機体が生まれている。当時の産業、工業の発展はすごい勢いだったんだろう。

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三式戦闘機二型「飛燕」

 この博物館の最も秀美な展示物、川崎重工の飛燕。終戦後、唯一国内に残されてスクラップを免れたが、転々と展示場所を代えて機体の損傷はひどくなっていた。それに対して、川崎重工業は、貴重な機体を再生するプロジェクトを2016年に開始。オリジナルに忠実に修復された機体はジュラルミンの地肌がまばゆい無塗装で展示。戦闘機の塗色や日の丸をつけるより、無塗装を選択し飛行機としての美しさを上手く表していると思った。さすがに飛ぶことは叶わないが、現存する唯一の飛燕としてこれからも大切にされるだろう。この飛燕に会うためだけでも、ここまで来る甲斐はあると思う。見ていて飽きない、できれば触ってみたい。

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ハ 40エンジン 水冷

 飛燕に積まれるハ40水冷エンジンは、ダイムラー・ベンツのエンジンをライセンス契約(要はマネ)して生産したものでスーパーチャージャーもみてとれる。この強力なエンジンが設計通り稼働していたら、もっと飛燕も活躍できただろう。しかし実際は工作密度や燃料の品質が原因でトラブルが多く、クビ無し(エンジンなし)の飛燕が工場に貯まっていた。急遽、その機体に空冷エンジンを積んだ五式戦が予想以上に活躍したのは救いかな。

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飛燕のコクピット

 隣には零戦のコクピットも展示されているが、計器の配置も塗色も違っているのが面白い。海軍だ、陸軍だと確執し、非常に効率の悪い開発、生産をしていたことを垣間見るようだ。

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 各務原飛行場は陸軍を中心に航空機の開発に関わってきて、多くの機体がこの各務原で初飛行をおこなっている。それは今も脈々と引き継がれ、輸送機、戦闘機など自衛隊で活躍する機体はこの地でテストされる。

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十二試艦上戦闘機

 だれでも知ってい零戦。海軍機であるが、これもこの各務原で試験飛行をおこなった。飛燕と並んで実物大の模型が展示されている。この飛行場は陸軍の飛行場だから、海軍機のゼロ戦は展示も控えめかな。

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92式重爆撃機

 ドイツのユーカンスG38旅客機を長距離爆撃機としてライセンス生産(わずかに5機)した巨人機で、後のB29よりも翼幅が長かった。その姿は未来少年コナンに登場するギガントのような厳つさと巨大さで、あり得ないところに設置された露出形の銃座など、その造詣は見ていてワクワクしてしまう。1/20のこの模型は非常に精巧なつくり、メカとしてとても気に入ってしまった。モノグラムから1/144のサイズでユーカンスG38旅客機がキット化されているので、これを改造して92式重爆撃機を作れるかも(92式重爆撃機のキットなど販売されていない。)。

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宮崎駿の雑想ノートより WP-30

 そういえば、この巨人機をモチーフに宮崎駿が空想の爆撃機を描いていたのを思い出した。WP-30は仮想国ボストニアで作られたただ1機の巨人機。ほぼ日本の92式重爆撃機と同じ、分厚くて幅広の主翼の中には通路もあって飛行中にエンジンの整備、点検まですることが出来る。翼の前縁には窓ガラスもあり、さぞかし痛快な眺めにちがいない。宮崎駿もこの92式重爆撃機に着目してたんだと思うと、メカ好きマニアの目の付け所は皆同じなんだなあ。ますます92式重爆撃機を作りたくなったぞ〜〜

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屋内展示スペース

 自衛隊の練習機、戦闘機を中心に間近で実物を見ることができる。規模はエアパークとほぼ同じくらいか、雨の日でもゆったり見られて梅雨のお出かけには最高。蒸し暑いこの日も、冷房が効いた館内は過ごしやすい。

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飛鳥 STOL

 短距離離着陸の試験機として活躍した飛鳥もここで翼を休めている。短い飛行場でも発着できる旅客機を求めて開発され、普通のジェット機の1/4ほど、約500mの距離で離発着するそう。でっかいフラップに思いっきり推力をあてて、揚力を高める構造が特徴。

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F104J

 冷戦時代のミサイル万能主義にあって、最後の有人戦闘機といわれた迎撃戦闘機。1961年から7年間、三菱重工で230機がライセンス生産され、F15に変わるまで自衛隊の主力戦闘機として活躍した。研ぎ澄まされたシルエット、薄くて小さな主翼、「いかにも速そうな」戦闘機、小生は好きだなあ。

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P1哨戒機

 川崎重工の開発した現役の国産哨戒機。念願の国産哨戒機として鳴り物入りで登場した。先代のP3オライオンよりも飛行性能が向上し、広大な海洋をパトロールする任務に就いている。この前韓国の軍艦に照準レーダーを当てられたのはこの機体。

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C2輸送機

 それまでのC1輸送機を遙かに超えるサイズとなり、輸送能力も速度も向上した純国産輸送機。これも川崎重工がP1と合わせて開発をして、共通部品を用いてコスト削減に努めた。現在はまだ、P1ともども「ソリッドモデル」での展示ではあるが、博物館としてはきっとホンモノを飾りたいだろうね。

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三菱MRJ

 初飛行のニュースを見て、とても心が高ぶったことを思い出した次期リージョナル旅客機。遅れに遅れて初飛行、性能もまずまずで楽しみにしていたが、結局は1兆円の開発費が露と消え、量産化は絶望的となっている悲劇のMRJ。認可を取得するために、計画の時点で入念な設計と政治工作がなされていたら、この優雅な機体が世界中で飛んでいたであろうに、ホントに残念。

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H-2ロケット衛星フェアリング

 宇宙開発部門のセクションに移動。床から天井まで、でっかいロケットのフェアリングがお出迎え。このH2ロケットは国産初の大型ロケットで現在の衛星打ち上げ技術の基礎を作った。その後、コストとペイロードを改善させたH2Aと発展し、商業打ち上げにも成功している。

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はやぶさ2

 ぼろぼろになりながらも地球に帰ってきた「はやぶさ」はとても感動するプロジェクトであった。その後のはやぶさ2は、ほぼパーフェクトな成果を上げてこれも無事小惑星のアプローチに成功。はるばる持ち込んだ資料が解析中で、新しい知見が加わることだろう。検体のカプセルのみ地上へ放出して、本体は再び次の小惑星観察にむかっている。

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イオンエンジン

 これがはやぶさを遙か彼方まで送った推進力。3基のイオンエンジンではやぶさは推進するが、その推力はわずかに1円玉を2枚半持ち上げるぐらいの小さな力しかない。しかし無重力の宇宙ではこの推力でも長時間加速を続ければ、やがて秒速30kmもの速さを得ることになる。1年以上(40000時間)の連続燃焼が想定され、タフな性能を携えている。

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国際宇宙ステーション 日本モジュール「きぼう」

 国際宇宙ステーションの日本実験棟(きぼう)は実物大のレプリカが設置され、内部も見学できる。ステーション全体の大きさは100m四方ほどあって、このサイズがずーっと地球の周りを秒速約7.7kmで飛んでいるとはおっかないなあ。

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 ニュースでもモジュールからの中継とかで、この内部を見た覚えがある。無重力の世界でこの中をハムスターの様に移動するんだ。作業しやすいように両足を固定する治具が所々に設置されている。国際ステーションには、アメリカ、ソ連、日本、EU合同隊がモジュールを設置しているが、日本のそれはかなり大きい。当然搬出する資金も多額になり、5年間の費用は約2000億円でアメリカに次いで多い。
 ただし、現在の米ソの関係を反映してか、これまでの協調路線から外れロシアはここより離脱する動きもあるようだ。いまのところ2024年までは運用されるらしいが、今後どうなるんだろうか。中国も自力で宇宙ステーション「天宮」の建設を有人宇宙船を打ち上げて開始した。

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  ステーションには6名が常駐しているようで、この電話ボックスのような空間が唯一のプライベート空間になる。寝袋のようなベッドと作業用、個人用のノートPC風端末が備えられている。

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宇宙ステーショントイレ

  トイレの展示も興味深い。小用は掃除機のようなホースをあてがい、大用はビニールパックを装着した便器で用をたす。尿からは水再生システムを介して飲料水となるらしいが、呑みたくないなあ。

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各種シュミレーター

  小型ジェット機と旅客機のシュミレーターも楽しそう。エアパークのF-2戦闘機シュミレーターに比べると子供向け。やってみたい衝動にかられたが、ここは大人しく我慢(笑)。 ここ各務原は名古屋から雨の日のお出かけ先としては丁度いい距離、施設も充実しているので家族連れにもナイス。雨の日のお出かけ先として、ブックマークしておきましょう。

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 梅雨で雨ばかり、GTさんもこのところめっきり洗車していない。しっかり雨が降ってくれると車体の汚れを流してくれるが、ホイールのブレーキダスト汚れには無効。スポーツタイプのブレーキを備えたクルマは、ブレーキパッドやディスクローターなどの削り汚れはとてもひどい。特にシルバー系のホイールは、数日で汚れが目立ってきて非常に醜くなる、その点、真っ黒なホイールはダスト汚れが分かりにく、黒は小生の好みじゃないけど、こと「汚れ」に関しては、手間が省けていいなあ。市中にも黒いホイールを履いたクルマがそれなりに多いのも、そんな理由かな。


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Commented by yukifukaa at 2021-07-27 08:18
いやぁ!見どころ満載ですね!
近所にJAXAの調布航空宇宙センターがあって垂直離着陸機の開発はビデオで見ました。
僕もヒコーキ大好きでワシントンの航空宇宙博物館に行った時は3日ぐらいかけてじっくり見たいと思いました。

ベンツはブレーキダストすごいですよね~。
僕のはシルバーのホイールなので、洗車してもすぐに汚れが目立って悲しくなります。
洗車の時にダストが白い服に付くとなかなか落ちないし。
Commented by akane8150 at 2021-07-28 07:26
こんちは ゆきふかさん
ブレーキダスト パッド交換時にシュテルンで「ダストの少ないパッドに交換できないか?」って 問い合わせたら 「ご自由ですが 今後ブレーキ関連の保証をいたしません」と けんもほろろに 返答されました(悲)
by akane8150 | 2021-07-24 07:00 | ツーレポ 中部 東海 | Comments(2)

Golf Bike Cars and Beer


by akane8150