若狭小浜 護松園 (旧古河家別荘)
護松園が修復終了と聞いてイレブンでツーリングがてら訪ねたら、なんと建物の修繕はおろか、観覧やカフェまで併設していることにビックリ。数年前の朽ちるばかりの情けない旧古河家別荘が、見事に蘇っている姿にすっかり感心。これは、小生ひとりではなく、家族、とりわけ家内には見せてやりたくなって、約1ヶ月後に再訪した。
漆喰が削れ、木板も痛んでいた塀もすっかりきれいになり、雑草だらけであった招き口も手入れされている。門柱には、「廻船問屋 古河屋」の表札も誇らしげ、修繕により昔の栄華も伝わってくるような気がする。
玄関の引き戸は外され、暖簾がかかった開放的な入り口になり、見学客やカフェ目的のお客さんが出入りする。瀟洒な2階部屋を望むエントランスの雰囲気はなかなかよろしい。
県指定有形文化財「旧古河屋別邸(護松園)
書院造りの一ノ間、ニノ間はふすまを取り払っているので、さらに大きな空間でお庭もどこからでも楽しめる。200年前の各地の逸品を使って設えた建物は、豪華さこそないが、質実剛健、控え目な中にも商人の粋を感じる。新たにソファーやイスも設置、カフェのコーヒーを好きな場所で頂ける。こんなゆったりしたカフェは類を見ないだろう。
書院一ノ間 護松園でもっとも格式のある空間、由緒ある床の間の絵もそのままに、鑑賞できる。ただし、分別の無い子供などがこれらを傷をつけたり、飲み物をこぼしてしまったりしないか、ちょいと心配。
2階 月見の間
引き戸の中に隠された階段を上がると、2階の部屋につながる。四畳半ほどの小さな部屋だけど、ベンガラが塗られた部屋は、洒落ている。低めの手すりは、月夜を愛でるのに調子がよさそう。1階の雰囲気と全く異にしているので、主人だけの特別な空間だったんだろう。
レトロな電灯、アールヌボーとでも言うのだろうか、大正後期、昭和の初め頃のものか。当時の栄華を垣間見る。
釘隠し
ene COFFEE STAND
屋敷の台所だったところは、おしゃれなカフェにかわり、エスプレッソマシーンが釜戸のように設置されている。笑顔のステキなお姉さんたちが、美味しいカフェを提供してくれる。スタンドで頂こうか、庭の楽しめる書院一ノ間、ニノ間でいただこうか、お好み次第。
奥の間 箸蔵まつかんの直営ショップ 奥の間は小浜の名産、小浜塗箸の展示ショップで、鮮やかでいろいろな形のお箸が並んでいる。家族で1本ずつ好きなお箸をお土産に、小生は「マツコデラックス」さんが訪れた時にお土産にした「ブルーメタリック」の派手なお箸をチョイスした。これで小生は、マツコデラックスとお揃いの箸を使ってるかもね(笑)。
「マツ勘」と「GOSHOEN」のスタッフの皆さん
(株)マツ勘 代表取締役 松本さん
かみさんは海商古河屋とは深いつながり、幼い頃からこの屋敷に関わってきた。以前の管理は地元の旅館経営者が携わってきたが、旅館を廃業してしまい、護松園も荒れ放題となっていた。特にこの10年ほどは痛むに任せていて、かみさんも心を痛めていた。それが、このように修繕され、人が集まっている姿に感銘を受けていた。
古河家別荘の復活、その仕掛け人が、地元で小浜箸の製造販売をしている「マツ勘」の松本さん。松本さんは幼い頃からこの屋敷を知っていたが、なかなか地元住人も入ることの出来ない文化遺産、これが朽ちて行くのは忍びないと思っていたところに、管理する小浜市からの委託依頼が合致して、護松園の修繕と再開発が始まった。松本さんは、観覧料をとらないフリーな鑑賞と癒やしの空間としてカフェ併設を考案。その熱意をもって小浜市より文化財補修の予算もついて、ボロボロの護松園が、人の出入りする「生きた」建物にもどった。
いろいろお話を伺って、マツ勘の運営方針はとても共感できるもので、それが証に、この春にオープンしたばかりではあるが、地元の人たち始め、遠方からも別荘を見に立ち寄ってくれている。小浜の文化遺産として、旧古河家別荘が活用され、皆に愛されるのは、古河家の末裔にとっても嬉しい事。ぜひ、護松園がこれからも小浜の宝物として愛されるよう願っています。期待します、松本さん!!
エンゼルライン
いやいや、選んだ眼は間違っていなかった。お値段控えめ、提供早め、美味しくイカのお刺身、海鮮丼を頂いた。やはり地元で頂くイカの新鮮さは旨い、また貝、海老、いくら、イカなどで彩られた海鮮どんぶりは、よくある具材のマグロや白身は含まれないけど、これはこれで美味しかった。また、再訪させて頂きます。
さてさて、美味しいモノも頂き、生まれ変わった護松園も拝見できて、家族みんなが満足、満足。この秋には、かみさんの実家の両親を護松園にお連れするつもりだ。きっと喜ばれるに違いない。楽しみ、楽しみ!!
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