
ニセコ町
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宿泊予定の倶知安まで、あと10kmのニセコ町でブレーキトラブルに見舞われる。キャリパーを固定するボルトのひとつがなめてしまって、振動で踊ってしまう。エンジンは支障ないし、ブレーキングもできるが、もしもキャリパーがロックしたり、外れたりすれば事故につながる。ひとまずは、自走できるから、ゆっくり確かめながら、宿泊地の倶知安に向かうことにする。夕暮れが迫り、トラブル発生で心細くなる。
ニセコ ヒラフ 18:10
おしゃれな街並のヒラフをガタガタいいながら、通過する。シーズン外れでもあり閑散としてはいるが、建設中のアーケードが目立ち、インバウンドを期待しての準備中のようだ。20年以上前にスキーで訪れた時の田舎っぽさはみじんも感じない。

JR倶知安駅 18:40
倶知安の駅までやってきた。現状、ネジ山の痛んだボルトをなめる直前で固定、緩めば分かるようにマーキングした。このボルトが緩まない限りゆっくり走行は可能と判断した。時折、停車してはボルトに緩みがないかどうか、確認しながらの走行となる。修理は、アールズフォークのボルト受けを補強しネジを切り直す作業となるので、これは名古屋に帰るまで無理。

ホテルスリーエム 18:50
不安の中、お宿に到着。この日ばかりは、近くに温泉もなく、狭いシャワーでがまん。駅前のビジネスホテルだけど、周りに飲食店が見つからない。フロントでオススメの界隈を教えてもらってぶらぶら歩き出す。

倶知安 よし鳥 19:20
近くの(といっても10分ほど歩いたが)よくありそうな焼き鳥屋の暖簾をくぐる。ひとりカウンターで、生ビールで喉を潤す。やがて、小生よりちょいと年上と思しき男性がカウンターに座る。「これ酸っぱいから痛んでいるだろう、作り直せ」と注文した「冷や奴」を厨房の主に突き返しているのを知る。「おい、熱燗頼んだのはどうなっている?」などと、どうやらご機嫌斜めらしい。作り直されて出てきた「冷や奴」にも「なんだ、これも痛んでるじゃないか、もういい、奴は要らない」、お怒りの様子。横の小生にも、否応なしに聞こえてくるやりとり、気持ちの良いものではない。結局、その男性は、出てきた物を無言でガツガツ食べて、嵐のように出て行った。
客がいなくなってから、主に「私の揚げ出し豆腐は美味しかったですよ」と伝えると「うちの豆腐は「にがり」が多めなので、そう感じたかも知れないです。」とのお答え。毒つく客にも、神対応をしていた主こそ、内心は穏やかではなかっただろう。くだんの客も、思い込みさえなければ「美味しい酒」にありつけたであろうに。ちょっとしたクレームが自分も周りも台無しにしてしまう。


キタキツネ
なんだかんだで、その後は主とも会話を楽しみ、熱燗をしこたま呑んでホテルに帰る。暗い街を歩いていると、「カリカリ」を何かをかむ音が聞こえてきた。通り過ぎるときに見た光景が、コレ。あれ、野良犬かなと思ったけど、尻尾が太すぎる。。あ〜〜、きつねだ。廃屋の玄関先で餌付けでもされているのだろうか。小生に驚くそぶりもなく、ひたすらカリカリと良い音を立てて、お食事をしていた。
Day 5
当初の予定

倶知安 6:00
5日目の朝、今日は夕方に一雨ありそう。そんな天気の心配以上に、GLばあさんの容態のチェックと今日のコースを熟考する。予定では、積丹半島をぐるりとまわって、余市・小樽経由で支笏湖の丸駒温泉で宿泊だ。しかし、ブレーキトラブルの状態で、フェリー乗り場の苫小牧から遠く離れるのは何かあった時に困るだろう。無事帰還するためにも、積丹半島巡りをあきらめて、南周りの観光ルートに変更とした。有珠山や室蘭周辺を観光して、予定通り丸駒温泉に宿泊とする。

変更プラン

羊蹄山 7:15
昨日のトラブル直後の羊蹄山を眺める心は、不安で一杯だったけど、今日はなんとかなりそうな予感で、お山を眺める気分も違っている。傷ついたGLばあさんを労りつつ、残り2日間の旅を楽しもう。

R276で倶知安を出発し、喜茂別の街で右に折れR230で南に進む。羊蹄山がずっと視界に入っていたが、お次は尻別岳が近づいてきた。

洞爺湖 8:40
カルデラ湖はこうあるべき、みたいな典型的な姿をした洞爺湖が見えるところまで南下してきた。薄曇りではあるが、まだまだ体感気温は低く、冬用グローブのままだ。

ザ・ウインザーホテル洞爺リゾート&スパ
2008年のG8洞爺湖サミットの会場になった特徴ある形のホテルが、お山の上に見えている。天気が良ければ、お部屋からの景色は凄いだろうね。

昭和新山 9:00
倶知安から3時間で昭和新山・有珠山に到着。相変わらず、ガタガタ震えるがボルトの緩みも悪化せずOK。フロントブレーキをあまり使わないように、フットブレーキを使うのだが、フットブレーキは前輪、カーとも3輪に制動が効くので、どうしようもない。



有珠山火口原展望台
ロープーウエイで有珠山に上がり、手前の昭和新山や遠くの伊達の街に被さる雲海をぐるりと眺める。まだ時間が早いのか、観光客もまばらで独り占め状態だ。3年まえであれば、大陸からのインバンドで混雑を呈していただろう。観光客があっての「観光地」、いろいろ意見もあろうが、コロナ禍の前のように「インバウンド」が戻ってくることを期待したい。
八雲で勉強した北海道の木彫り熊、その専業店がこの駐車場にある。緻密な彫りやざっくりと面で彫ったものなど、学んだ甲斐もあって興味深く品定め。熊以外にも、牛や馬など他の動物をモチーフにした作品もあり。昨日出会ったキツネの彫りモノがあったので、これをゲット。なかなかリアルな動きを表現していて気に入った。今回、沢山のお土産を用意したが、自分のはこのキツネの木彫りだけ(^^)。

白鳥大橋(はくちょうおおはし) 11:10
有珠山を降りたら、お次は室蘭の街。R37に合流して、クルマの流れに遅れないように、かつ無理しないようにアクセルをあける。室蘭の名所、白鳥大橋を渡って室蘭市街地に入る。この橋を有料とするか、無料とするか、相当の議論になったようだが、当時の地元国会議員の鳩山由紀夫が無料化を推進したそう。

JR室蘭駅 11:25
室蘭と聞くと、製鉄業とC62だろう。東海道本線を特急として活躍したC62蒸気機関車は最後に走ったのが、この室蘭本線。北海道の地で蒸気機関車は終焉を迎えた。


旧室蘭駅(室蘭観光協会)11:35
雰囲気ある旧駅舎は観光協会の施設として活用されており、来訪記念の硬券(段ボール紙でできた昔ながらのチケット)を手に入れることができる。これがあると、何かに乗れたり、どこかに入場できる訳ではないが、なんと200円(°0°)。。。オマケで、自身で改札鋏を使って鋏痕(きょうこん)を入れることができる。ホンモノの改札鋏でパチンと切ったら「快感」だった(^^ゞ。


室蘭ラーメン なかよし 12:00
ラーメン好きな小生、室蘭ラーメンという看板を見てしまっては、寄らないわけにはいかない。何の予備知識も無く入ったお店は、旧駅舎の近くのビル2階、ごく普通に地元の人たちで賑わっていた。濃いめの醤油だれに太めのちぢれ麺、チャーシュウにメンマ、海苔という王道なトッピング。あっさりの中にもコクのあるスープが美味しかった。後学で調べると、室蘭ラーメンは「カレーラーメン」が代表ともあったが、どうやら、元々の醤油派と新進のカレー派と2流あるらしい。




日本一の坂 12:30
旧駅舎前に「日本一の坂」という坂があるのを調べて知っていた。口コミを読むと、ネタバレになりそうだったんで、あえて詳しく調べずに訪れた。木造の廃屋と途中で折れまがる何の変哲も無い坂、、、「日本一」の答えは坂を上がったところに書かれてあった。石炭で賑わっていた明治後半に駅につながるこの坂が作られた。その入り口には「そば屋福井庵日本一」という店があったのが、坂のネーミングになったとされる。まあ、ねたあかししてしまえば、なんてことないお話だけど、これも現地で確認するから面白い。


測量山展望台 12:50
室蘭に来たなら、測量山展望台には上がりたい。住宅地の市道をあがってゆくと、いつしか山道になってほどなく頂上近くに。しかし、ココでも工事中とかで、頂上駐車場には行かせてもらえず手前の公園駐車場で終点。函館といい、お山の頂上に嫌われているらしい。それでもめげずに、Gopro流したままのヘルメット姿で頂上への遊歩道を登る。さて、到着した展望台からの眺めはいいけど、冴えない曇り空と手前の植生で、期待したほどの景観ではなかったことに、プチがっかり。まあ、そんなこともあるでしょう。



地球岬 13:10
観光案内を見ていると、地球岬は外せないスポットらしい。市立室蘭病院の横を駆け上がれば、海側の地球岬にあっという間に到着。朝日新聞社主催の北海道の自然100選で得票第1位となるくらい、評価が高いらしい。生憎の曇り空だが、天候が良ければ、下北半島まで視界に入る。絶壁の海岸線、岬上の白亜の灯台が美しい。普段、岬の灯台って、見上げることが多いから、地球岬のように海全体と岬・灯台が1枚の絵のように眺められるってのが人気の理由かな。それにしても、地球とは、たいそうな命名だなあ(^^)。

ずーっとゴソゴソ引きずり音を立てながら、だましだまし走ってきた。トラブル発生したニセコからすでに100kmは走ってきたが、ローターの波打つ当たりは目立つが、なめたボルトは緩まずブレーキも問題なし。これなら、チェックしながら走行は可能。このまま、宿泊予定の支笏湖までの100km、がんばってくれそうだ。



R235 虎杖浜(こじょうはま)三吉丸かに直売所 13:50
トラブル無ければ今頃は積丹半島を走っていただろう。北海道初日に電車やバスで通過したR235を、再度GLばあさんと走るとは思ってもいなかった。そのおかげで、虎杖浜の国道沿いで見つけていたカニ直売店に寄る。期待通り、足折れなどでお買い得になった「毛ガニ」をお土産にすることが出来た。観光客向けのお店だとこの4倍はするだろうか、めちゃくちゃお値打ちに手に入った。これはかみさん、ばあさん、家族が喜んでくれるだろう。ヨシ、ヨシ。

R276 15:00
フェリーの港がある苫小牧を左に折れて、支笏湖に向かう。原野をまっすぐに抜けるR276は、いかにも北海道らしい景色を味わうことができる。相変わらずガタガタ、キュルキュルと賑やかだが、ときどきピタッと静かになるときがある。まあ、キャリパーが踊らなければ、普通に走れるのだ。

支笏湖 15:25
天気予報では夕方より雨、雨雲レーダーも断続的に雨雲が流れているのを知らせていた。支笏湖に出ると、路面はすっかり濡れていて、やがてポツポツと雨が降りだした。Goproを回しっぱなしでいたので、慌ててカメラを撤収する。宿まであと10kmほど、フルフェアリングのおかげでヘルメットは濡れるが、足下も含め体はほとんどプロテクトしてくれる。同方向のライダーがびしょ濡れになっているのに、小生は申し訳ないくらい大丈夫。

丸駒温泉旅館 15:35
結局、そのままカッパも着ずに、濡れずにお宿に到着。そうだね、濡れずにとはちょっと言い過ぎか、リアシートの雨水がお尻の周りを少しぬらしたくらい。とにかく、トラブルも抑えつつ、再訪したかった丸駒温泉にこれたことに感謝。

内湯(HPより)
ささっと荷をほどき、冷えた体をドボンと湯に浸ける。じんわりと鮫肌となって、体がほぐれてくるのがわかる。お湯はナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉で、ちょっと緑がかった濁りあり。ここも日本秘湯を守る会のお宿、源泉・掛け流しを大事にしている。支笏湖の寒々とした景色を眺めつつ、体はじんわり極楽、極楽。

湖畔露天風呂(HPより)
丸駒温泉旅館は国立公園内にあって、電気も通っていない大自然の中。電気は自家発電でまかなっており、夏場のエアコンは用意されていない。お湯は湖畔の岩壁から自然沸出しており、それを石垣でとどめたワイルドな露天風呂が有名だ。面白いのは、湖面の高さと湯舟の高さが同じため、渇水期の4〜5月は最も水位が下がってしまう。この日、小生も挑戦したが、湯の高さは体操座りしてやっとみぞおちにくるくらい。こりゃ、今の時期はダメだね(T_T)。上記の写真の水位は随分高いときのもので、これだと大人でも立っていないと溺れてしまうくらいの深さだ。


いろり会席 18:05
選んだのはいろり会席、炭火でチマチマ焼きながら楽しめる。風呂上がりの生ビール!! 北海道らしく、この地で頂く缶ビールはほぼ「サッポロクラシック」で、生ビールもサッポロビール、さすがお膝元。

後半戦は、毎度の熱燗2合。この徳利、面白いでしょう。なんでこの形か、分かるでしょうか?? 答えは、いろりの灰に徳利を刺して温めるためだそう。実際に刺してみたかったけど、わざわざ汚してしまうのもいかんと、試さなかった。


焼魚は特産の「ヒメマス」この支笏湖で一生を過ごす、湖性のベニザケだそうな。なかなか市場に出ることは少ないようで、心して美味しく頂く。〆の桜エビの釜飯、駿河湾だけじゃなくて北海道でもとれるんだろうか。
駆け出しの外科医であった頃、札幌で学会があり、小生はレンタカーを借りてこの宿を予約していた。学会会場でたまたま見かけた元上司の大先輩外科医に「今晩、ご予定がなければ、支笏湖の温泉如何ですか?」なんて、お愛想したら・・・ ホントに先輩外科医が同行すると言うではないか。。急遽、一人追加をお願いして、怖い怖い元上司と相部屋の旅をするハメになった。すごく厳格な上司で、何度も怒られた間柄、まさかの展開であったが、思いのほか好々爺でこれまで知らない一面を見て、親交を深めた出来事だった。このところ、年賀状を出していないが、先生はご健在だろうか。

19:20
食事も終え、もう一風呂浴びに館内をうろつく。ざわざわと雨降る夜だが、玄関横のGLばあさんは、軒下でお休み中だ。明日は15時までに苫小牧西港に着いて、乗船の手続きをする予定。GLばあさん、もう少しがんばれば、名古屋に帰れるからね。

GL1200サイドカー 6/6 道南一周 に続く
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