XS1100S 1983
名古屋 18:30 小生の大好きな山道、中央構造線のR152は走り甲斐があってほぼ毎年訪ねている。丁度紅葉の時期に連休がとれたので、今年お初のR152縦走に出向いた。毎度、茅野からの出発であるが、実はR152はさらに北に続いており、正確にはR152を走りきったとはいえない。それじゃあ、今回はR152の起点から終点までの旅をしよう。

姥捨SA 21:30
走るだけなら、日帰りの強行計画もありだけど、折角ならいろいろ見て回りたい。前日の勤務あけで、R152の起点がある信州上田に前乗りとした。足の短いイレブンなので、150kmも走ればガソリン補給が必要、駒ヶ根SAで給油し、姥捨まで一気に走ってきた。美ヶ原から続く筑摩山地を越えてくると、全国夜景100選に選ばれる姥捨SAからの街並の明かりがなんだかホッとする。

上田菅平IC 21:50
さて、休憩入れて3時間半で名古屋から信州上田に到着。秋の夜間走行は、ほぼ冬対策の装備で来たが、正解だったよう。これでも、足下や襟元が寒かった。はやく温かいシャワーが浴びたい。宿泊先は、上田駅前の繁華街にあるビジネスホテル。もうとっくに、施設内の居酒屋さんはオーダーストップなので、缶ビールで我慢。

上田第一ホテル 7:20
さて、夜が明けて、さくっと朝食頂いて出発。荷物はサイドケースに振り分けて収納。取り外しもワンタッチ、スリムでカッコいい純正品。でも、あまり入らないのが仕方なし。
真田幸村彫刻像「義の人」
ホテルのフロントには、六連銭の陣羽織をはおった人物像、そう真田幸村だ。その表情は生き生きと、声を掛けたら返事しそうなリアリティ。木像に漆加工をしているとあり。三輪途道(みわみちよ)さんの作品で、なんと30才で盲目となり、視力を失ってからの作品とのこと。おったまげました。すごいこと。他の作品もいろいろ見てみたが、どれもまるで生きているような活力を感じる作品ばかりだ。気に入りました。

上田市本町
ホテルの周辺は古くからの街並、シャッター街になりかけた商店やレトロ感満載のお店が並ぶ。路地には場末のストリップ劇場、いまも営業しているのかしらん。


上田劇場
一見したただけで、強力なオーラに取り込まれてしまう劇場を発見。その外観、入り口のガラスドア、横のチケット窓口、まるで白黒のアメリカ映画で出てきそうな風情。しかも、上映中の映画もあるようで、生きた劇場。調べれば、始まりは大正6年に営業が開始され、優に100年が経った歴史遺産だ。10年前に一旦は定期上映が終了したが、地元民に愛された劇場は、法人化されて復活した。素晴らしいことだねえ、小生も地元民だったら、応援したくなる。

上田城趾 7:30
信州上田と言えば、やっぱり真田。上田城も寄っていきましょう。


城趾公園では、真田神社など参拝、公園はジモティな皆さんの散策コース、すれ違う人と朝の挨拶を交わす。城趾内は樹木の葉が様々な色合いに紅葉している。落葉もすすんでいて、地面は落ち葉の絨毯。これが日が射していれば、もっとキレイだろうに。天気予報では晴れだけど、上田市内はまだ薄雲がかかっている。段々晴れてくるそうだから、回復に期待。

JR上田駅 7:50
祝日とあってか、靜かな上田駅。真田の旗印が駅舎に描かれている。銭六文を死者の棺に入れて六地蔵に供える風習にあやかって、真田家は、命も厭わない武士の志として六連銭を旗印にした。


上田駅前
駅前の通り、みごとに赤くそまった街路樹にうっとり。たぶん、カエデと思われるが、ホントにまっかっか。朝日に映えたら、もっとスゴイだろう。

駅前からかなり東に行った先に、R152の始点、大屋交差点を発見。いよいよ、R152縦走ツーリングの始まりだ。


R152起点 上田市 大屋交差点 8:00
ウイキペディアによれば。ここから終点の静岡県浜松市北島の交差点まで、総延長269.4m。途中で2ヶ所の交通不能区間がある全国レベルの酷道。さあ、旅の始まり。

R152 (Global Geoparkより)

上田市丸子
街路樹の銀杏が真っ黄色。落葉前の最高の色だね。まだお山には低い雲が残ってる。早く天気になーれ。

丸子城趾 8:30
仁を重んじる真田の武士は歴史に疎い小生でも、大好きな武将たち。大群の徳川家康の軍勢を上田城やこの丸子城で撃退した戦は、まさに真田、ここにありと知らしめた。昇ってみると景色がいいと情報を得て、山頂までプチハイキング。


ふもとの丸子公園にバイクを止めて、約500m先の櫓まで歩き出す。散策路は紅葉の中、カラダが黄色に染まりそう。

つづら折れを登り切ると、急な尾根を上がりはじめる。かなりの急坂、バイクの服装ではゴワゴワして歩きにくい。ライディングシューズのソールはツルツルで、滑りそう。

丸子城二の郭跡 8:50
景色を期待して、がんばって昇る。2度ほど、だるい足を休めながら、15分ほどかかって目的の二の郭跡に到着。冬用のジャケットなので、汗ばんで気持ち悪い。さっさと脱いで、櫓に昇れば努力も報われる。


北は丸子の街並が、西は鹿教湯温泉方面がスッキリ見える。急峻な山で、四方のい視界がよいこの立地は守るのに適したお城だったろう。この山も周囲の山も、赤や黄色の紅葉も始まっており、気分良し。雲も切れて青空が見えはじめた。

R152と並行する農道に入ってみる。まっすぐに伸びる農道の先には、蓼科山が富士山のように立っている。R152はあの山の右手に続くはず。
中仙道 長久保宿 9:30
国道をちょいと外れると、中仙道の雰囲気ある宿場町の長久保宿。背景の旧家は「竹内家」で、当時は醸造元で江戸時代の建物が残る。奥に続くお庭も広く、通りの塀もうつくしい。今も住まわれているお宅で、見学など叶わない。オリジナルの建物を維持するのも大変だろうな。

長久保宿の里山たちも、紅葉で色づきはじめている。そう、この頃には雲も消え失せて、秋晴れの祝日となった。よしよし、ラッキー。
長和町 大和橋交差点
緩やかな登りが続く先に、分岐が現れる。右は中仙道でやがて諏訪、岡谷の町へ。左は大門街道でR152。
大門峠 10:00
この先は標識に「大門街道」と表記されることが多くなる。同時に交通量はぐっと減って、スイスイ走る。やがて、ペンションやおしゃれなカフェなどが現れたと思ったところで、大門峠に到着。峠の頂点に信号があるのも面白いし、実はここが太平洋と日本海の分水嶺。この手前は、千曲川が受けもって、この先は天竜川が流れを受け止める。

車山高原
日も上がってきて、温かくなってきた。大門峠交差点を右折して、ビーナスラインを少し走ってみる。祝日でもあり、バイク多し、すれ違う仲間にピースサインを返すのが忙しい。天候の良い日のビーナスラインはホント気持ちいいね。カーブ1つ1つをなんとなく覚えているので、この先にどんな景色が待っているか、予想しながらまったりと楽しむ。
富士見台 10:10
全然楽しいので、どんどん先に進んでしまいそう。なので、富士山が見えたら引き返すことに。富士見台駐車場の1つ、2つ手前のカーブで富士山に出会う。逆光が悲しいが、八ヶ岳、南アルプスの屏風の向こうに、クッキリと富士山の頂を見る。OK、満足しました、戻りましょう。
白樺湖展望台駐車場
Uターンした帰り道、大門峠の手前には、蓼科山と白樺湖を俯瞰できるお気に入りのパーキング。ベスポジで写真頂いたら、バイクを移動してお次の人に場所を譲る。風が強いことの多い場所だけど、今日はほぼ無風、しばし遠望を味わう。
白樺湖 10:30
R152に戻れば、そのまま白樺湖湖畔に。寂れてしまった風情もそれはそれで秋にぴったり。ここに来るたびに、ポルシェ928の仲間でツーリングに来たことを思い出す。宿泊した温泉ホテルも健在のよう。当時の928仲間の何人かは、今もしっかりと維持して928を楽しんでいる。ナイスだね。
大門街道 10:40
大門峠から茅野に降りてゆくR152は大門街道とも呼ばれる。その街路樹に深紅の紅葉を見せるドウダンツツジが目を引く。遠くには南アルプスの山の端が見えて、気分よし。空気のきれいな、そして冷え込みのきついこの地域だからであろう。名古屋市内でもドウダンツツジを見かけるが、これほど鮮やかになる事は無いだろう。


茅野市郊外に出てくると、左手に蓼科山、八ヶ岳の雄姿を見る。ちょいと国道を外れて、その裾野に向けてまっすぐな農道に入り込む。真っ青な背景に、わずかな冠雪の頂、ふもとの紅葉。絶景かな。この近くに住まいがあって、自分の部屋からお山の姿から四季の変化を知ることが出来たら、なんていいだろうな。朝、夕の時間の移り変わりも楽しいだろう。

茅野市街
さて、大門峠から賑やかな茅野に入ってきた。茅野市内はいつも渋滞のイメージだけど、やっぱり渋滞。特に中央本線をくぐるあたりは、路側帯も狭いのでバイクにも辛い。時間が勿体ないので、昼食は空いていそうな中華料理屋さんに飛び込んでするっと済ます。


空に浮かぶ茶室 12:10
お腹も満たされ、いよいよ茅野から再びお山に分け入っていく。その前に、ブログつながりの山神さんの記事を思い出す、それがこの「空に浮かぶ茶室」。地元芸術家の作品とかで、他にも木の上の家や半地下の家など、オープンな展示スタイルの奇妙な構造物を見る。この茶室、面白いけど、中に入ることが出来ないね。芸術作品だからまあいっか。以下は山神さんの記事。
R152が杖突峠をよじ登る、その地に、前宮が鎮座する。前宮は古代諏訪信仰の始まりのお宮、つまり諏訪大社の原始の姿とされる。四方を御柱で守られたお社は、あまりに素朴で、いにしえのチカラにあふれている。この先の安全を誓って、手を合わせる。

御室社のケヤキ
山の斜面に広がる境内には、古木、巨木がたちならび、ますます神秘な趣があり、銀杏の落葉の絨毯とあわせ、境内は黄色で埋められる。

中央構造線(Global Geoparkより)


さてさて、R152はいよいよ、諏訪盆地とさよならして、中央構造線の深い谷に侵入する。杖突峠に至るクネクネは、幅員も広く路面も良好で走りやすい峠道。クローズにして、ヒルクライムなんて競技をしたら楽しいだろうね、やってみたい。


杖突峠 展望喫茶 風の詩 12:30
峠のちょい手前、トイレ休憩所に並んで展望施設あり。無料でも構わないのかもしれないが、店に上がってワンコインのコーヒーをオーダする。入れてたのコーヒーを携えてテラスに出てみる。うわ〜、期待通りの雄大な眺めが面前に広がる。コーヒーが旨くないはずがない。

左を見れば、諏訪湖とその市街地。古代の諏訪湖はもっとも広かったようで、俯瞰する盆地のほとんどが湖底だった。つまり、先ほどの前宮も含め、諏訪大社は上社、下社とも湖畔に立地していたとされる。

右を向けば、俯瞰する茅野の街の先に、蓼科山に続く八ヶ岳連峰がどーんと横たわる。背景は真っ青な秋空、あ〜〜、いいときに来ることが出来たね、感謝。たっぷりのコーヒーをお代わりしつつ、小生には珍しく長居をしてしまった。

杖突峠 13:00
登り、下りがはっきりした峠ならいいけど、台地状の地形だと峠の頂がどこだか分かりにくい。杖突峠もまさにそれで、ぼんやりとした峠だね。さあ、ここから約180km先の浜松の二股まで、下道R152を楽しもう。

杖突峠から、高遠までのなだらかな下りは、開けた谷の中を適度なRのカーブが続く快走路。トップギアで、エンジンのゴロゴロ回るのをグリップとお尻で感じながら、スーッと走るのは気分よし。

もう少しで高遠という直線部分で、随分と前から立ちっぱなしのお巡りさん。赤白の警棒が、リアルでドキッとしてしまう。かかしの存在を知っていても、「おっ」て思うので、初めて通る人は間違いなくブレーキを踏んじゃうだろうね。そう、交通安全に役立っているわけだ。

高遠城 13:20
高遠の町までおりてきたら、やっぱり城趾に向かうでしょう。高遠は城址公園の桜で全国的にも知られている。

高遠閣
郷土の観光と高揚のために戦前に建てられた高遠閣が城址公園の中心。この日は祭りと重なり、花笠のお囃子の行進にであった。紅葉の公園には、多くの観光客が訪れていた。

高遠町歴史博物館 13:30
城址公園の近くに歴史博物館があるのは知っていたが、初めて訪ねてみる。あまり時間に余裕はないので、駆け足で回覧。

入館するとまず最初に、記録票なるものを記入。2年前のコロナ禍初期の頃は、感染経路を辿るために、このような事をしていたが。。。地方に出ると、今もかような対策が残されているのに驚かされる。都市部のひとは随分と慣れっこになっているが、地方の人たちは、律儀というか、保守的というか、、、。地域の感染対策の管理者たちは、もっと現実的な対策の推進を啓蒙すべきだろう。

絵島の囲み屋敷
博物館の裏手には、忍び返しの板塀に囲まれた屋敷が展示されている。いわゆる「絵島生島事件」は、大奥の有力な年寄の「絵島」が外出したついでに、芝居役者の「生島」と宴を開き、大奥の門限を破ってしまい、大奥の覇権争いや規律粛正の名目で、1400人の処罰がされたことをいう。将軍の母親の嘆願により、絵島は死罪は免れてこの高遠の地に幽閉された。その時、絵島は30才の花盛り、そのまま30年以上この屋敷の中で生涯を終えた。一汁一散、嗜好品、書物も許されず、ひたすら、般若心経を唱えたとされる。


中央構造線溝口露頭 14:10
高遠の町を出ると、美和湖にそって分杭峠をめざす。その中途、Googleマップで気になったポイントを1つ1つ拾ってみる。まずは、中央構造線を見ることできる露頭に寄り道。露頭は幾つか知られているが、この溝口露頭は断層が分かりやすい。左手の褐色の地層(1億年前)、中央の黒い地層(1500万年前)をはさんで、右手に青灰色の地層(8000万年前)。左右の地層がズレた間隙に新しい溶岩(黒色)が入り込んで出来上がった「中央構造線」だ。


熱田神社
溝口露頭のある伊那市長谷の集落には、「熱田神宮」とあるのを見つけ、現地を探索。しらべれば、名古屋の熱田神宮から、招いた日本武尊を祀る神社と分かる。東征征伐の帰りにここに立ち寄った日本武尊が、三峰川の大蛇を征伐して住民の苦慮を排したことを感謝し、熱田神社から勧請したとされる。北海道でも同じように熱田神宮を見つけたことがあったが、移住者のふる里が熱田であったことに由来した。ひょっとして、この長谷の集落は、同じく名古屋の熱田周辺からの移住者であったかもしれない。なぜここに、熱田神宮とご縁があるのか、おもしろいなあ。

保護のための茅葺き屋根に覆われたお社は、400年近くこの地に残り、重要文化財となっている。境内のご神木のよこには、雅楽の舞台まで残され、集落の人たちの信仰心の深さを知る思い。

古道 秋葉街道
同じく長谷の集落に「白衣観音」というのを見つける。その名前に引かれて、訪ねてみる。観音は秋葉神社に通じる古道の秋葉街道沿いにあり、行けるところまでイレブンで突入、あとは徒歩で探す。

獣除けのフェンスの先は、風情ある秋葉街道が杣道として残っている。枯れ葉を踏みながら古道を歩いて行くと。


白衣観音(ひゃくい)14:40
三峰川の河岸にそった古道を見下ろすような巌、その巌に根を下ろす古木、そして、笑みを含んだような優しいお顔の観音様を見つける。自然の力強さに敬服し、そこに観音をまつった、古代の人たちの気持ちが理解できるような空間。とても落ち着いた気分にさせてくれる。ちなみに、白い衣をまとって、白い蓮の上に座る観音から命名されたと知る。病院の白衣とは関係なかった(あたりまえ(^_^;)。

さて、長瀬の集落をいっぱい味わった先は、いよいよ分杭峠にむかう。すでに、日は傾きかけており、心なしか急かされる気分に。峠の登りにかかる手前、市ノ瀬の集落に向かう直線区間はカーブばかりのR152においては、珍しい。だから、この直線に出くわすと、さあ、次は分杭峠だって、気分になる。


杉島 奥原菓子店 14:50
そうそう、、今宵のお宿へのお土産にと峠の手前のドーナツ屋さんを思いだす。峠の手前、三峰川が左に支流を出すその先に、知らなければ、絶対に行かない山奥に、突然とお菓子屋さんが現れる。おばあちゃんの手作りは万十とはあるが、砂糖がまぶされた丸いドーナツ。こしあんの黒、白いずれかが入っていて、食べてからのお楽しみ。10個いり1300円で分けて頂き、そーっとサイドケースにしまう。


杉島ドーナツ万十
なんでこんな所にドーナツ屋さんがという疑問の回答は、「森林鉄道」だ。昭和20年〜30年代、この地も森林開発が進み、杉島は森林鉄道の基地となり、多くの人が移り住んでいた。その賑わいの中で、ドーナツ屋さんは繁盛した。しかし、森林鉄道は廃止、合わせて人ももどんどんと流出し、ドーナツ屋さんだけが残ったというわけ。とんでもない奥地なのに小生が訪ねると、たいてい他のお客さんもいることが多い不思議なお店。きっと小生と同じような気持ちで、ドーナツを買いに来てるんじゃないだろうか(^^)。

XS1100S 10 R152縦走 2/3 分杭峠 大鹿村 に続く
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