メルセデス AMG GT 2016
メイテツレジャック 5:30
GLばあさんと北海道を5日間共にして、今年のGWを満喫、そしていつもの生活に戻った。でも、放浪癖がついてしまったのか、なんだか落ち着かない。GTさんで通勤の毎日だが、そう、そう、この子と久しく遠出をしていないことに気づく。そうとなれば、GTで遠くまで走ってみたい衝動にかられて、雨にもかかわらず、とにかく家を早朝に出発。通りかかった名駅レジャクは、3月で閉館、閉鎖された入口と看板が残っていた。
紀伊自動車道 紀北PA 7:30
名古屋から一気に160km先の紀伊長島、紀北PAまでノンストップでやってきた。そう、行く先は、南紀勝浦♨と決めたんだ。雨は止む気配無し、まあいいや、クルマだし、雨は気にならない。BGMもかけないで、GTのエンジン音、排気音を楽しんで走る。電子制御を外せば、パワーのあるFRはリアを簡単にスリップさせ、幅広のタイヤは、ハイドロプレーニングを容易に体験できる。可及的に走る事に専念して、慎重に、かつ元気よくアクセルを踏む。
鬼ヶ城 8:10
名古屋からずーっと自動車道を乗り継いで終点の大泊まで。そこを降りれば、もう鬼ヶ城。貸し切り状態の鬼ヶ城をさらっと観光。
風強いし、傘は持っていかれそうになるし、鬼ヶ城の険しさをさらに盛り上げるクソ雨の中、ザクザク進む。
猿戻
鬼ヶ城の岬をぐるりと周回できる杣道あり、このあたりは「猿戻」と呼ばれ、サルでも引き返すそうな(^^)。岩を削って、鉄の橋を架けて、高いところが苦手な人には無理だろう。もちろん、小生はダメダメ。横なぐりの雨と強風で、いつも以上に迫力ある海だ。
鬼ヶ城トンネルを抜けると、左手に「パーン」と太平洋が広がり、海岸線がずーっと先につながっている。こんな天候でも、ここに来ると「わーっ」って、声をあげたくなるね。
花の巌神社(はなのいわや)8:50
通り過ぎるわけにはいかんので、花の岩屋にご挨拶。主祭神は、伊邪那美命が葬られた場所として伝承。社殿はなく45㍍の高さの巨岩が御神体で、磐座(いわぐら)信仰のひとつであろう。そこはかとなく、神々しさ、神秘さを秘めた気配は、ただならぬ感じがする。
開いたばかりの社務所で御朱印を頂く。正面には、世界遺産認定証のレプリカが掲げてあった。主務所の方にいろいろ説明を頂く。この神社も「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして世界文化遺産にも登録されている
道の駅 紀宝町 ウミガメ公園 9:30
紀宝町に来たら、ウミガメに逢いましょう。200円でウミガメの餌を購入。これ、レタスだよね。ちっさいカメにあげようとするのだが、よこからデカいのがやってきて、ちっさいのが逃げてしまう。そうだね、人間社会と一緒だわ。なんとか、小さいカメにも食べさせたい。
熊野速玉大社 9:50
熊野三山のひとつ、新宮の速玉大社にさくっと詣でる。神代の頃、神倉山の上にあるゴトビキ岩に熊野速玉大神と熊野夫須美大神が降り立ったのが、始まり。神倉山の磐座はそのまま神倉神社(元宮)とされ今に至る。そして、4世紀頃に、「新宮」として4世紀頃にこの地に熊野速玉大社が祀られた。正面の拝殿を含め、横一列に、6ヶ所のお参りをする。小銭がたくさん要るねえ(^^)。
総本家めはりや新宮本店 10:10
新宮でお昼ご飯といえば、この本店でめはりずしを頂くのがそれっぽい。しかし残念ながら、まだ開店には早すぎた。。。
那智滝(なちのたき) 10:40
新宮からは、那智の滝まではそれほど離れていない。さくっと、滝の門前にクルマを駐める。以前は滝の前に5台ほどの駐車スペースがあったが、ポールで閉鎖されてしまった。鳥居横のパーキングも閉じている。お土産屋の有料駐車場に駐めるしかなさそうだ。
那智滝
前日からの雨で、水量が多く迫力満点の景観。これまで見てきた那智滝でも、もっとも豪快な印象だ。舞い上がるしぶきと雨で、傘をさしていてもずぶ濡れ(^^)。落差133mは国内12位だけど、一段での落差は国内最高。ちなみに日本三名瀑は、ここと華厳の滝、袋田の滝だそうな。
お次は、那智大社。雨の中、ながーい参道の石段も辛いので、左手のクネクネ道を駆け上がり、本殿近くの駐車場まで「楽ちん」させてもらう。遠望に、三重塔と那智滝。
駐車場からは、この石段を登れば本殿。
熊野那智大社 11:15
今日2つ目の熊野三山。自然崇拝の神代、おとなりの那智滝を崇めるお宮が起源とされ、滝のふもとにお社があったとされる。9世紀以降になって、熊野三山という扱いが広まったようだ。
御縣彦社(みあがたひこしゃ)
八咫烏(やたがらす)
本殿のお隣には、神のお使い、八咫烏を祀る御縣彦社。八咫烏は、初代天皇の神武天皇を熊野から大和国(奈良)まで先導したとされる3本足のカラス。「より良い方向へ導く」ということから勝負の神ともいわれ、日本サッカー協会(JFA)のシンボルマーク。
大楠
境内のご神木となる大楠の木 ふっとい幹とワシワシと枝を伸ばした姿は神々しい。根本のお洞は通り抜けが出来る、これもすごい。
青岸渡寺(せいがんとじ)
那智大社のお隣にたつ、西国三十三所観音霊場の第一番札所。4世紀、インドから那智に渡来した裸形上人(らぎょうしょうにん)が、那智滝で観世音菩薩を感じ得て、現在の場所に庵を造ったのが始まり。でも、4世紀って、古墳時代だよ、すっごいねえ。
青岸渡寺の境内から、那智滝と三重塔、手前には塔頭寺院がならぶ、絵になる構図。もやがかかって、一層神秘的な感じだ。
補陀落渡海(ふだらくとかい)
青岸渡寺で思い浮かぶのが、補陀落渡海。仏教では西方の阿弥陀浄土と同じく、南方にも「補陀落 (ふだら)」とよばれる極楽があるとされた。その浄土を目指し、南の海にむかって「行者」が自殺と同じ航海に望む「捨て身行」で、この青岸渡寺からも20名の行者が海に出て行った記録が残っている。小舟に30日分の食料とともに帆も櫓もない船に乗り込み、出入り口はすべて塞がれ、体には石を巻き付けた状態で沖に流された。小学生の頃、この話を聞いて、身の毛もよだつ思いをしたことを覚えている。
那智大社につづく熊野古道は「大門坂」とよばれ、熊野古道のなかでも美しいところ。ちょいとクルマを駐めて、すこし古道を歩いてみた。
熊野古道は伊勢神宮と熊野三山をつなぐ巡礼の路。歴史を積んだ石垣や参道の古木たち。雨の石畳を歩けば、なにやら空気がピーンと張り詰めて、背筋が伸びる気がする。
さてっと、今日の最終目的地、紀伊勝浦にやってきたよ。ここに来る目的は、ズバリ、温泉。まずは、腹ごしらえと、港近くの食堂でお昼ご飯。折角なので、挑戦して、クジラの刺身を食べてみる。赤身は想像どおりだけど、脂肪の部分は独特な食感と味覚だった。そうだなあ、噛めるんだけど、ちょっとスポンジのような歯ごたえ、いつ飲み込んだらいいのか、分からない。しみ出す油部分は、思いのほかさっぱりとクドくない。イルカの刺身もあったけど、小生には無理と判断(^^)。マグロのステーキも食べてみたが、これは普通に旨い、ガーリックのソースはステーキのソースと同じ、マグロのステーキはこれまでにも経験したことが、あるけど、ここのはその分厚さにおったまげ。。。食べきれない。
ホテル浦島 13:45
お目当ての「ホテル浦島」はこれまでもお世話になってきたお宿。久しぶりにお湯を借りよう。チェックイン、チェックアウトの時間帯は、桟橋から専用の船に乗って、ホテルの玄関に横付けされる。訪れた時間帯は、マイクロバスでの送迎。岬を貫く秘密基地みたいな地下トンネルを通って、ホテルに着いた。
チェックインの時間帯より早いので、ロビーも閑散としている、収容客数1000名を抱えるフロントだから、チェックアウトの時間帯は殺人的に忙しいだろうね。
ホテル浦島全体図(HPより)
ホテル浦島は、勝浦の岬全体がホテルの施設になっていて、内湾、外湾、山頂などそれぞれに宿泊棟が建っている。それを地下通路やエレベーター、エスカレーターでつないでいて、まるで岬全体が巨大要塞になっているようだ。ホテルフロントから、200mほど進むと地下通路の交差点。真っ直ぐ進めば山頂宿泊棟へのエレベーター、左に曲がれば看板風呂の「忘帰洞」。
忘帰洞(ぼうきどう)
ホテル浦島といえば、忘帰洞だろう。洞窟内で男女に分かれて湯舟がある。さて、楽しみ、楽しみ。忘帰洞の名の由来は、「帰るのを忘れるくらい心地よい」だそうな。
忘帰洞(HPより)
岬の太平洋側にある2つの大きな洞窟が浴場になっている。男、女は入れ替え制。いずれも海岸にせり出した半露天風呂があって、この日の荒れた天気では、ドバーンと磯にぶつかる大波、洞窟に入り込む強風など、大迫力の海を見ながらの入浴。この湯につかるために、はるばるやってきたから、長湯でじっくり温泉を味わおう。砕け散る波とその音、眺めていると時間の経つのも忘れてしまう。
ハマユウの湯
「ハマユウの湯」は、本館にあるこじんまりとした内湯。フロントにも近く、浴槽1つだけの至ってシンプルな内湯。泉質は、ホテル浦島すべてに、「含硫黄ーナトリウム カルシウムー塩化物泉」とも、「硫黄泉」とも、表記されている。白色に混濁し、香りは硫化水素の香りがしっかりあって、かつ塩っぱい温泉だ。硫黄泉で塩っぱいのは珍しいね。
礒の湯(HPより)
ホテル浦島には、ざっくり、4ヶ所の入浴できる浴場があり、昼間は玄武洞を除く3ヶ所が立ち寄り客に開放されている。そのみっつめのお湯が、礒の湯。こちらは、長い長いトンネルをくぐり抜けた岬の太平洋側にある。元は露天風呂だったかもしれない場所に、熱い湯とぬるめの浴槽の2種類でこれもこじんまりとしている。壁の向こう側は、大荒れの海岸だ。さすがに、3つもお風呂に浸かると、もうお腹いっぱいって気になるね(^_^;。
岬の上にある「山上館」には、専用のエレベータと、エスカレーターがあり、こちらは前者。33階の高さに相当する「山上館」と1階ロビーが岬の岩盤をくり抜いてつながっている。なかなかの高速エレベーターだ。
スペースウオーカー
本館から山上館には、もうひとつ長大なエスカレーターが存在する。探検のつもりで見に行くと、ながーい2本のエスカレーターを乗り継いで岬の上に到達する。チェックイン、チェックアウトの時間帯だけ、作動してるようだった。
エスカレーターが出来る前は、ケーブルカーが山の上に宿泊者を運んでいた。1961年に稼動開始、1976年まで活躍していたらしい。往復50円の運賃を要したようだ。閉鎖されたあとは、先ほどのエレベーターが活躍、そして1993年にエスカレーターが追加となった。
行きはマイクロバス、帰りは専用遊覧船がピストン輸送で桟橋まで送ってくれる。船にのってホテルのフロントに着くなんて、それだけでも宿泊客はワクワクするね。同じく紀伊勝浦には、「中の島」というお宿があるが、これは小さな島全体がホテルの施設で、この浦島行きと同じ桟橋から船でつないでいる。中の島も職場の慰安旅行で使ったことがあったが、楽しかったなあ。
紀伊勝浦駅 16:20
さて、ホテル浦島のお風呂、ほぼすべて制覇して本日のお題目終了。紀伊勝浦の駅前で、マグロのみりん漬けを夕飯のお土産にゲット、さあ、名古屋まで一気に帰りましょう。
帰宅 20:07
近所のスタンドで満タンにして帰宅。本日の走行距離、481km 平均燃費 10.1km 燃費はまあまあ、こんなもんでしょ。久しぶりのGTとロングツーリング、雨ではあったけど、GTと会話しながらのお出かけは楽しかったね。