戸隠西岳と鏡池
前編はこちら
奥社入口から 奥社〜鏡池、中社へ

戸隠神社 奥社 大鳥居 11:48
さてさて、先が楽しみな奥社の大鳥居から、戸隠五社の〆たる九頭龍社と奥社にむかって出発。梅雨の晴れ間に尋ねることができて、ラッキーだね。


中途にある随神門まで1km、奥社までは2km。じっくり味わって進みましょう。平日ということもあり、人出は少なくゆったり参拝できる。

参道を歩めば、左右に自然林が広がり、全身木々に囲まれる。ブナやトチノキの古木が、ドッシリと威厳をもって立っている。木々を愛でながらゆけば、まっすぐな道も飽きないね。

一の鳥居を出発した時は、すーっと影が伸びていたのに、正午を迎えいよいよ、影は最短となる。半袖、半ズボンの出で立ちは、ナイスな選択で木洩れ日にいる限り、汗をかくことはなかった。

路傍には、かれんな「キク」の仲間と思える野花が懸命に咲いている。Googleさんによると「ミヤコワスレ」とでてきたが、そうだろうか?

歩につれて、随神門が大きく見えてくる。今日は陽射しも差し込んで、野草を抱いた茅葺きの屋根が、青く光っている。

随神門 12:03 戸隠奥社の紹介には、かならず登場する「随神門」。さすが、インパクトあるよねえ。シダの生い茂る屋根は、周囲の緑と同化している。神々しい雰囲気に、気づけばいっぱいシャッターを押している。朱塗りの門の建立は江戸時代中期、1710年。

随神門をくぐる先は、大杉の並木となって、空気が一変する。巨木がのしかかるように連なる荘厳さに圧倒される。背後の森は、江戸の頃から樹木の伐採が厳禁され、踏み入ることも許されない「戸隠神社奥社社叢」として、長野県の天然記念物に指定されている。

密に並んだ大杉たちは、生け垣のよう。強い陽射しも巨木の森で遮られ、木陰の参道は歩いていて気分いい。

入り組んだ根っこは、見えない地下で複雑に絡まって広く枝を伸ばしているんだろう。絨毯のような鮮やかな苔たちが、木洩れ日を受けて光をはなつ。
ウワバミソウ
瑞々しく鮮やかな緑の葉をつけた草木たち。梅雨の合間の貴重なお日様のスポットライトを浴びている。

巨木杉の並木は、左右に約80本ずつ、整然と500mにわたって続く。黙してしずしずと歩けば、心も清められる。徳川家康により一千石を拝領し、顕光寺の参道や境内に400本の杉を400年前に植樹した姿が今に至る。

奥社や九頭龍社は、戸隠山の山腹にあるため、参道の後半は石段ののぼり。ダラダラ続く石段はキツイね。

手水舎
歩き出して5時間、九頭龍社と奥社の手水に到着。やったね! リュックをおろし、メガネを外して冷たい水でゴシゴシ顔と上腕を清める。めちゃ気持ちいい。こんなとき、タオルじゃなくて、木綿の手ぬぐいを使う。この方が、かさばらないし、乾きやすい。同級生のHさんに教えてもらった知恵。

九頭龍社 12:30
戸隠神社、4つ目のお社が九頭龍社。主祭神は、「九頭龍大神」で、「水」「雨乞い」を祈願してきた最も古代からある「地元神」。この地に創建されたのは、他のお社と同様に、平安時代。龍と雨乞いの関連は、各地に残っているよね。
戸隠五社の御本社の奥社についに到達、再訪できたことを感謝して合掌。戸隠神社の創建は、天の岩戸神話に由来する。主祭神の「天手力男命 あめのたちからおのみこと」が岩戸を開けて天照大神を導き、その岩戸が背後の戸隠山に姿を変えた。嘉祥2年(849年)には学門行者が入山し、地元神の九頭龍神の傍らで修験をはじめたのが発起とされる。平安時代以降は、神仏習合の「戸隠山顕光寺」として、高野山や、比叡山と並ぶほどの霊山となった。社殿は、風雪厳しい環境のため、石垣の中のコンクリート作り?は致し方ないか。「本窟」「宝窟」と言われる窟が奥社本殿内部にあるが、非公開なので何があるのかは秘密らしい。


12:50
五社の参拝を終えて、次の目標にしていた「戸隠山登山」にプチ挑戦。登山道は、九頭龍社の手前の参道から左に分岐、お社の背後から始まる。「蟻の塔渡り」という、難所があるそうなので、その景観だけでも見れたらいい。ヤマップでは、山頂までは、1時間半の行程でヘルメットが推薦されるとのこと。

登山届に記入して、さて出発。しめ縄が張られた登山道に進む。

すぐに急坂が始まり、一気に汗が噴き出してくる。

見上げれば、戸隠山のギザギザな山の端が見えてくる。あのどれかが山頂なんだろうね。スゴイ形相のお山だ、古代人がこの山を畏れ、敬う気持ちも分かるね。

登坂路は、つづら折れの部分はわずかで、ほぼ垂直に手足をかけて登る個所が多い。ポールは邪魔で収納、周囲の木や根っこに取りついて上をめざす。

引き返し 13:10
登り始めて15分もしない頃、粘土と岩盤が露出した壁に遭遇。ここを掴んで、あそこに足をかけてと、登れるけど、、、、下りが怖い。半袖、半ズボン、しかもトレイルシューズの装備も不安。数メートルでも滑落して、怪我でもしたら、単独行ではだれも助けてくれない。ここで潔く撤退とした。もう少しで、尾根に出られそうだったから、その先の五十間長屋 百間長屋、そして蟻の塔渡りに出会えなかったことが残念だ。いつか、挑戦してみたい。

たった20分ほどの登山路でしっかり汗が噴き出して、再び手水舎で休息。杉並木の参道を下る。戸隠山顕光寺の時代は、参道の両側には、大講堂や宿堂などの寺院としての建物が整然と軒を連ねていた。しかし、明治の廃仏毀釈により、顕光寺は神社となり、これらの施設も取り壊されれ、戸隠五社と形を変えた。

戸隠森林植物園 13:46
お次の目標は、「鏡池」の景色に出会うこと。随神門の近くから「戸隠森林植物園」の小径をすすむ。

やたら、クマ出現の注意喚起が多い。通りすがりに鳴らすベルまで用意されている。こりゃマジだねえ。こんなとき、ひとりは嫌だ。

初めのうち、先行するご夫婦がいたから心強かったが、単独になってからは、クマのことばかり気になった。クマ除けベルを携行していないので、ポールを叩いて音を出したり、足下のコンクリートを突いてみたり、とにかく賑やかに進んだ。
天命稲荷神社
些細な物音にもびくつきながら、森の中に唐突に赤い鳥居が並ぶ稲荷神社に出くわした。これ、明るい陽射しの元だからいいものの、薄暗い時間帯だったら、泣きたくなるよ。昭和の時代に、戸隠山岳修行を修めた姫野公明師が創建したと分かる。

まっすぐに行けば、鏡池の展望所は近い。右手をとれば、ぐるっと池を周遊する。さあ、どうする、どっちへ・・・。ここまでがんばったんだから、全部見て回ろうと、周遊コースを選択。湿地なのか、木板で歩道が用意されているが、固定が痛んでいて踏めばぐらぐら左右に揺れる。プレートが入っているくるぶしにも、力が入る。

周遊路を選んではみたけど、森の中ばかりで、なかなか池が見えてこない。それよりもますます人の気配を感じないので、クマの事を思うと怖くなってくる。足が辛くなってきたが、競歩みたいなペースで歩いている自分に気づく。

鏡池と西岳 14:22
奥社の参道から外れて森の中を40分、クマ注意の看板に追い立てられるように走破した(^^ゞ。見晴らしのよい鏡池の堤に出たときは、ホッとしたね。それでもって、この雄大な景色。靜かな池と青々した森、ギザギザの険しい山、白い雲をいだく晴天、歩いてきた甲斐があるよね。
鏡池と戸隠山
北の方角は、正面に戸隠山の威容を望む。正面ピークが山頂で、その左から手前に降りてくる尾根が、先ほど挑戦した登山路。日を浴びたキレットが「蟻の塔渡り」あたりだろう。見てみたかったなあ。
西岳
戸隠山と西岳、いずれも鋭利な峰が続く雄雄しい山。古代の人たちの信仰の対象になるってのは、すごく「なるほど」って思う。日照りになって困窮したら、雲を生み出すお山に祈るのは自然の流れ。この景色、この場に流れる空気も、家に持って帰れたらいいなあ。
鏡池駐車場 14:30
堤上には、どんぐりハウスっていう「ガレット」をメインに、軽食とドリンクをテラス席で楽しめる施設有り。クルマでここまで入ってこれるので、オススメのポイントだね。さて、鏡池を満喫して、ひとつ山越えして「バス停のある中社」に向かいましょう。

往来のない森の中を小径を淡々と歩く。と、エンジンの音が聞こえたと思ったら、作業路から無限軌道運搬車が現れた。作業員の方とプチ立ち話。作業路はドロドロなので、トラックでの搬出は無理とのこと。昨今の木材不足から、国内の木材にも需要が増えたそうな。お疲れさまです。

ひさしぶりに、人と話して、ちょっと安堵。1時間に1本のバスに間に合うように先に進む。時折、沢を乗り越える場面に遭遇するが、濡れたくはないし、転びたくもないし、嫌だなあ。
ホタルブクロ
紫色でお寺の鐘のような花を見つける。面白い形だねえ、Googleさんによると「ホタルブクロ」と呼ぶような。ツリガネソウってのも聞いたことがあるけど、これとは違うのかな。

戸隠古道の所々で、倒木が道を塞いでいる個所に遭遇。くぐったり、よいしょと乗り越えれば、OK。きっと、自転車やバイクの進入を防いでいるんだろうな。

硯石 14:56
鏡池から再び森の中、約30分で見晴らしのよい個所に出てきた。硯の形をした巨石がゴロンところがっている。この石には、戸隠、鬼無里に残る「鬼女紅葉」にちなむ言い伝えも残っているよう。復路で立ち寄った鬼無里で、紅葉について知る事になる。その話は、いずれ。
小鳥ヶ池 15:03
鏡池から約30分、森の中を抜けて、小鳥ヶ池に到着。池の向こうは、ちょうど奥社があるあたりの戸隠山。さきの鏡池もそうだが、秋の紅葉の時期は、すばらしい景色に出会えるようだ。再訪できるなら、秋に来てみたい。
学門行者霊舎
もう少しで中社というあたりの古道に、ふるーく、立派な墓標が並ぶ聖地あり。戸隠に九頭龍を封じた学門行者をはじめ、戸隠山顕光寺の歴代の住職たちが眠る場所。言葉に表せない雰囲気に圧倒される。
足神さん 15:14
戸隠古道の訪問地、最後は「足神さん」。「おまん」という盗賊、強賊がいたが、この地で成敗され葬られた。この女傑は身の丈8尺、35人力の力持ち、ひと晩に数十里も駆け抜ける健脚だった。これを偲んで、「足神さん」と呼ばれて、足の健康を願う人が訪れるという。小生も、あやかりたいね。
中社バス停 15:19
予定した行程を8時間、19kmあるいてゴールイン。梅雨なのに、終日すっかりと気持ちよく歩くことが出来た。疲れてはいるが、足はまだまだOK。


クルマを止めた「飯縄山登山者駐車場」まで、路線バスに乗って戻る。乗客のほとんどが大陸系の人たちで、中国にでも来たのかと思うほど、車内は中国語が飛び交っていた。

バス停 一の鳥居 15:39
2時間半かかって歩いた行程を、わずか15分で戻ってきた。バス停「一の鳥居」でよいと、降車したが、、、こりゃ、間違えた。

〆の戸隠古道
降りるべきは、もう一つ先の「登山口バス停」だったのだ。再び古道を1kmほど歩く羽目に。こんなときの1kmは、辛いねえ。。。もう一度、美しい「いにしえの道」を歩めるのだから、良しとしなきゃ。

飯縄山登山者駐車場 15:53
戻ってきました、SAI君、お待たせ。ドアを開けたら、日中の炎天下の名残、熱気が立ちこめていた。さあ、エアコン全開、走りだそう。

戸隠神告げ温泉 湯行館 16:10
お宿に着く前に、温泉にザブンとしたかった。中社うずら家の先に、戸隠でも唯一と思われる立ち寄り温泉で、お湯を借りた。鉱泉ではあるが、オーバーフローの循環形式で、お湯もキレイ。気持ちよかったなあ。
戸隠神社宿坊 築山 16:47
ひとり旅の宿は、予約が取りにくい。楽天トラベルで探すことが多いが、ヒットするのは、数えるほど。宝光社に隣接した宿坊で予約を頂いて、お世話になる。

部屋に上がって、障子を開けると、外は夕立だった。なんて幸運、小生、運をもってるな〜。

宿坊だからお酒はダメかもって、心配したけど自販機があって、冷えた缶ビールをゲット。あっという間に、2本が喉を通り過ぎていった。こんな場面のビールが、旨くないはずが無い。


さてさて、気分スッキリ、夕餉をいただく。お蕎麦の食べ放題?なんて、コースを選んだけど、無理無理。地元の冷酒をちびり、ちびりと、焼き物、揚げ物、椀モノで、もうお腹いっぱいだった。ごちそうさま。明日は、天気が悪くなければ、ぐるっと糸魚川へ回って、雨飾温泉の立ち寄り湯にでも行ってみよう。
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