クスリが無い〜〜
キシロカイン注 1% 5ml
ニューズでもご存じだろうか?、今、医療の現場では、クスリ不足が大きな問題となっている。年末年始のインフルエンザの大流行では、咳止め、去痰剤などがすっかり在庫がなくなり、処方できなくなっていた。しかし、それ以上に大問題なのが「キシロカイン」の枯渇だ。「キシロカイン」は、もっとも汎用で使われる局所麻酔薬で、歯医者での抜歯、怪我したときの皮膚縫合、四肢の骨折手術などなど、外科系の医師には、めちゃくちゃ必須の薬剤だ。そんな薬剤が、1/31現在、支給が滞り、院内在庫分しかないという「大ピンチ」を迎えている。

通常は1アンプル5mlを一人の患者に使い捨てするのだが、現在は1mlの小さなシリンジに分注して、大事に用いている。それでも、外来分は、このケースにある限り。
1%エピネフリン入り キシロカイン
最後の手段としては、E入りのキシロカイン20ml瓶が数個在るので、これを使うしかない。「キシロカイン」の納入問屋からの納品も不十分、今後の展開も読めていない。とりあえず、在庫分を把握して、大事に用いて踏ん張るしかない。
薬品不足
昨今の薬品不足は、様々な要因があるだろう。知り得る情報から考えてみると・・・
#1 ジェネリック製薬の品質不正、規定違反
中小の企業が多いジェネリック製薬会社は、品質維持に届かない問題を起こし、製造中止の規制を受ける事が多くなった。
#2 製薬にかかわるスタッフ、専門職不足
品質を維持しようにも、それを担保する設備投資も不十分、専門スタッフも確保できないので、生産再開が出来ない。
#3 医療費抑制のための低い薬価 毎年国が決める「薬価」は、なるべく安価にしようとする政策のため、利潤を挙げにくく、場合によっては採算割れすることがある。これでは、製薬会社も製造に勤しもうとは思わないだろう。つまり、「足りなければ、増産すればいいじゃん」というような、簡単なお話ではないようだ。

ネオビタカイン注 5ml
上記は一般的なクスリ不足についての考察ではあるが、キシロカイン不足は、もう少しややこしい。キシロカインに似たような局所麻酔薬の「ネオビタカイン」は、肩や腰の痛みなどで、その局所に注射する(「トリガー注射」、「ブロック注射」など)場面に使われる。事の発端は、これを製造する製薬会社の製造過程に問題が指摘され、昨年に製造中止となってしまったことかすべての根源なのだ。

やめてくれ〜〜 トリガー注射
「あそこの医者では、痛いところに注射してくれる。。」なんて、患者からの要望もあり、全国の外科、整形外科外来で、局所注射は数多く行われている診療。これが出来なくなると、その代替え品として、「キシロカイン」を使う施設が増えてしまった。その数は、膨大なため、あっという間に「キシロカイン」が枯渇して、かつ、既存の製造ラインでは、追いつかなくなってしまったのだ。「キシロカイン」は非常に、日常的に使われるため、一度欠乏するとその充足には、途方もなく時間を要するのは自明だろう。これは、すべて、医師自身が招いた「ブーメラン」だ。
冗談じゃ無くって、あと2,3週で、我が病院のキシロカインは欠乏するだろう。そうなったら、麻酔なしで傷を縫うのか? 麻酔が出来ないから、骨折手術は延期するのか、歯医者は、歯が痛くても、麻酔無しでガリガリ削って、抜歯をするのか。。。いやはや、こりゃ、拷問だよね。医療界、全体で緊急の対応しないと、このままでは、現実になって莫大な患者さんたちの不利益を生むだろう。「傷の処置の時、ここのの病院は、麻酔を使ってもらえますか?って?」 って、患者さんが聞かなくてもいいように、「御上」には、なんとかしてもらいたい・