
ロッキード・コンステレーション L-1049G 1/144 ミニクラフト

なんでだろう、いろんなジャンルのプラモデルがあるのに、飛行機モノはあまり手を出さない。嫌いなわけじゃなくって、「世界の傑作機」シリーズの8割方を収集して、読んできたくらい好きなんだけどね。まあ言い訳はさておいて、旅客機の中でスタイルがお気に入りの「スーパーコニー」に手を出してみた。鬼収集の中には、縮尺の違うスーパーコニーのキットがあるが、今回はもっとも小さい1/144を作ってみよう。

キットはイギリスの「MINICRAFT」社製で、結構古め。翼端に追加増槽タンクのついたコンステレーションのシリーズでもっとも美しく、性能の高いスーパーGだ。

RC-121D
同じくスーパーGの軍用タイプも一緒に作ってみる。戦後初期の早期警戒、電子偵察機のRC-121は、スーパーGからの派生型であるので、旅客機型にレドームなどが足し算するだけで、他はほぼ一緒。

軍用型は、旅客機よりも後発キットなのか、デカールに高級な「カルト・グラフ」社製が使われていた。

前輪がついた飛行機は、頭にオモリを付けないと尻餅を突いちゃう。組み立て図には、1/2 OZ(14g) のバラストと書いてあるので、キッチンにあった軽量ばかりで適当なボルトを選んでみた。

大型の飛行機模型の縮尺で、1/144サイズってのは、メジャーだろうな。ボルトを埋め込んだ胴体の左右を接着。主翼も上下を接着剤で固定。くっつくまで、輪ゴムやクリップで把持。美しいボディラインを描くスーパーコニーだけど、胴体だけだと「どじょう」みたい(^^ゞ。

左右のつなぎ目、翼と胴体には、スキマが大きく出来ているの、これもパテでうめる。

コクピット部分は、透明パーツで別体。これも接着して、ボディとの段差を削りパテで調整し、ツライチに仕上げる。

同時進行で2機を制作中。と、ここで、トラブル発生。コクピットの透明部品を1つ、無くしてしまった。というか、耐水ペーパーで磨いてるときに、洗面所で流してしまったのだ。慌てて、排水パイプを外して探したけど、みつからず。

となれば、自作するしかないでしょ。整形の終わった機首部分にプラ粘土で型取りする。

熱して柔らかくなったプラ粘土をコクピット部に圧着させて、雌型が完成。

これに、紫外線で固まるレジン液を流し込んで透明パーツを作成する。

紫外線消毒装置にいれて固まるのを促す。

クリアレジンの部品が完成。ほしい部分は、マジックで描いた部分。

カリカリゴシゴシ、無くした部品を新生させた。

これを機体に接着し、機体とのスキマやズレを削り、パテ埋めで調整。

旧レベルのふるーいキットも手元にあった。ヤフオクで手にいれたものだが、新規デカールを前オーナーが用意したあったのも、購入のきっかけ。

古い時代のレベルキットは、縮尺が表示されていないものがあって、これもそう。1/144よりは大きく、1/128という資料が出てきた。オマケのデカール、1/128ものより小さく、1/144にあてがうとピッタシ!! それじゃあ、ストライブの美しい「ルフトハンザ」のデカールを流用させていただこう。前の持ち主は、この間違い、知ってたんだろうか(^^)。

コンステレーションは、1945年の初期型L-049に始まり、1951年には、胴体をストレッチし、エンジンも高馬力(2200hp→2700hp)に換装した「スーパーコンステレーション」L-1049が登場し、大陸横断など長距離旅客機としての主役となった。愁眉を飾ったのが、さらに高馬力(3250hp)のエンジンと翼端の増槽タンク、気象レーダーを取り付けたL-1049G(スーパーG)。ミニクラフトのキットは、ノーズが尖ったレーダー付きの機体だけど、旧レベルは、箱絵のようにレスの丸っこい機首。それじゃあ、この箱絵のルフトハンザ機を再現してみることに。


ノーズをばっさり切り落として、付属していた丸っこいノーズに変更

パテ使ったり、削ったりで、まるっこいかわいいスーパーGのノーズがで再現できた。

ルフトハンザの塗装は、上がホワイト、下がシルバー。窓わくに沿って、ブルーとオレンジのストライブ、デカールの窓わくは透明で色が抜けるため、デカールの上のラインまでシルバーが入るように塗装が必要。型紙を合わせて、塗り分けラインを決める。

上部のピュアホワイトを塗った後で、マスキングで「白」部分を隠す。また、エンジンナセル後方の排気よごれ対策のブラック塗装も先に済ませて下準備。B-29にも搭載されたライトサイクロンエンジンは、高出力と共に、排気の汚れもひどかった。

メタルシルバーを薄く希釈し、エアブラシでジックリと全体にのせてゆく。3,4回の重ね塗り。

シルバーが塗り終わったら、翼端の凍結防止装置のブラックを入れるために、全体をマスキング。これ、面倒くさい。

セミグロスブラックを吹き付けて、やっと大まかな塗り分けが終わる。

マスキングテープを剥がせば、3色の塗り分けが完成し、日の目をみることに。ここまで来るのに、3週ほどかかってしまった。塗装がしっかり乾いたら、コンパウンドで全体を磨きだし、補修すべきところは、筆塗りで色を入れる。。

コクピットは透明部品ではあったが、細かな塗り分けが厳しいので、EC-121のデカールを流用。これをスキャンして、お手製デカールを作成。

自作デカールの窓わくも、キレイに発色。キットの反射防止ブラックのデカールを載せれば、機種の雰囲気が形になってきた。

さて、このモデルの一番の難所?? 貴重なデカールの貼り付け作業が始まる。なるべく余白が無いように切り出して、気合い一発でストライブをのせてゆく。前もって上下の塗り分けに注意しながら、追加のデカールのりと軟化剤で曲面にあわせる。緊張する場面で、写真に残す余裕なし。

左右均等に、前後に流れるようにブルーのストライブを載せて、ルフトハンザのロゴが入るとぐっと気分が盛り上がるね。シルバーとホワイトの塗り分けとデカールの位置合わせも合致して、満足な出来。機首の部分のブルーを筆塗りで追加して調整。

機体下部の360度パラボラアンテナを収容するどでかいレドームと潜水艦の艦橋のような高度測定レーダーが、RC-121の外観上の特長。

ディスプレイスタンド 童友社
キットには展示スタンドが付属していないので、別個に用意した。ずいぶん前に、手に入れていたスタンドで、現在はすっかり廃盤になって見つからないだろう。

重心近くにスタンドのピンを差し込む3.5mmの孔をうがつ。

こんな感じで差し込めば、飛行状態の再現ができる。

RC-121は、ギアアップの状態にするので、ギアのドアは全閉の状態で接着。のりしろなど考慮されていないので、これはこれで接着するのが難しい。

レドームのスカイグレー、末端のオレンジを順にのせてゆく。その度に、ぐるっとマスキングテープが登場。2種類のシルバーとオレンジ、グレー、ブラックと塗り分ける度にマスキングテープで下準備が必要。飛行機は組み立てるのは、簡単だけど、塗り分けをスプレーでやろうとすると、手間暇かかって面倒だね。なるほど、小生が飛行機に手を出さないのは、この点か(^^)

どちらの機体も、水性艶有りクリアーで3回塗りをして、艶を出す。これで、デカールもガッチリと定着。その後に、壊れやすい脚やタイヤをクリアボンドで接着。

プロペラも形を整えてから、塗り分けし、小さなデカールをのっける。

ナセルにプロペラを固定、いよいよ完成間近。

翼とナセルの組み付けに苦労。塗装分の厚みが出るので、すっぽりはまってくれない。翼側に差し込む段差をガリガリとナイフで薄く削って、ナセルがはまるように加工。

スーパーコニーG L-1049G ルフトハンザ航空 の完成。導入直後はレーダーを持たない仕様もあったそうなので、そんな感じ。

スーパーGは、1955年当時、しのぎあっていたダグラスDC-7との競争の中で生まれた長距離タイプ。大陸横断のみならず、太平洋、大西洋航路の花形として活躍した。巡航速度500~530km/h、航続距離は最大9400kmまで延長。理屈上は、東京からロサンゼルスまで無給油で飛べる。ちなみに、同じタイプのエンジンを積んだB-29は、最高巡航速度500km弱、航続距離は7000kmほどであった。

3枚の垂直尾翼もコンステレーションを印象づけるスタイル。航空会社の格納庫の屋根が低くて、背の高い尾翼に出来なかったのが原因。性能的には、3枚は不利だったようだ。

コンステレーションの美しさをもたらしているのは、ヘッドからテールにつながる胴体が描く独特なラインだろう。空気抵抗を減らすために、テールを引き上げ、前脚の差が差を短くするために、ノーズが下げられた。これにより、側面から見ると胴体は優雅な「S字」を描くようになった。だけど、このキット。。。胴体中央で小山のように盛り上がる「ライン」がすこし崩れているように見えるのが残念。

大出力エンジンに取り付けられた大口径のプロペラをクリアするために、前脚、主脚ともすらりと長め。この足長スタイルもコニーの特長だろう。

伸びやかな機体、翼端の増槽タンク、ふくよかなテールなど、優雅なシルエット。しかし、高出力エンジンが4発そろえば、豪快な爆音だろう。

近くでコニーを見上げたらこんな感じかな。ちょっと下げたノーズが動物のようで、優雅。対抗馬の無骨なダグラスDC-7とは対照的。ただし、いずれも、ジェット旅客機の登場で、現役路線から引退。高性能はイコール、手のかかる機種だから、急速にその姿を消した。

RC-121D
コンステレーションは、開発時点より軍用タイプも開発され、第二次世界大戦にも輸送機として存在した。しかし、主だった活躍は戦後の空軍で電子偵察機として活用であろう。旅客機と同じように19555年に、スーパーGをベースに電子偵察機(早期警戒機)が任務開始。

RC-121は高度なレーダーと電波傍受で冷戦時代を支えた。旅客機タイプはジェット旅客機に早々に取って代わったが、アメリカ空軍では、1970年代まで現役。

上下にレーダーを積んで、ますますコンステレーションは、独特な姿となる。軍用機は「厳めしい」シルエットになることが多いが、このRD-121は優美な姿に感じてしまう。

ショーケースに収まって、制作終了。そう、飛行機を敬遠してしまう理由に、出来上がると「場所」をとるって事だね。1/72クラスで、爆撃機など作って見たいけど、出来上がった後が困る。鬼集のリストに、エレール製のA380の1/125があるけど、出来上がりが恐ろしくて作れない(^^)。
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