
カール自走臼砲 1/72 ハセガワ

小生のプラモ奇集の中に、「列車」のシリーズがある。ひとつはアメリカのビッグボーイに代表される海外の蒸気機関車たち、もう一つは、第二次世界大戦のドイツの「列車砲」だ。馬鹿でかい「80cm砲のドーラ」、細身の「28cm砲のレオポルド」なども手元にあるが、今回は、口径60cm !!のカール自走臼砲を組み立ててみよう。

組み立て図には、「51.11」と記載されて、1976年の初版キットとわかる。箱はボロボロの状態で、随分昔に手に入れていた。これも、ざっくり50年前のプラモ・・・小生のコレクションは、こんなジャンクモノばかりだ(^^ゞ。

一定の面積を砲弾で制圧しようとする「臼砲」は、口径がでっかくて、超短砲身。それを搭載した自走砲戦車を、移動させるための貨車がセットにされている。前後で5軸の台車に吊り下げた状態で、自走臼砲が支えられる。

1/72プラモと鉄道模型OHの縮尺が類似しているので、プラスチックの車輪の代わりに、OH規格の車輪と車軸に代えれば、OHレールの上を走らせる事もできると組み立て図にあった。左右1mmのスペーサーを追加するといいようだ。

臼砲戦車をつり上げるトラス形状のアームも、機能優先の形状がカッコいい。

臼砲を載せる車体の制作。通常の戦車の2倍くらいの大きさ、1/72でもそれなりに大きい。キャタピラを支える足回りは、一体形成で貼り合わせるだけ。このあたりの、割り切り方が潔い。

時速10kmほどのノロノロした速度で、移動して臼砲を発射。発射時の反動を受け止めるため、発射時は、車体を地面につけて、足回りが壊れないようにしていた。自走時は、手前にある露天の小さな操縦席に操縦手が乗った。

さすが、口径60cmの砲弾を飛ばすだけあって、1/72のスケールでも「ふっとい」砲身だ。その反動も凄いだろう。駐退機の構造も、スプリングで再現されていて、砲身が前後に動く。

パーツには上下があって、組み間違えやすいが組み立て図の説明がいまひとつ、、、組み上がりの写真をよ〜く見て最終確認。


約60cmの線路も、枕木やレールをマスキングして、枕木、レールをそれぞれ塗り分けた。マスキングって、面倒だけど、仕上がりが期待できるから、がんばれる。

さあ、およそ組み立ても完了し、下地塗装の開始。ミリタリーものは、深みと立体感を強調できるよう、つや消しブラックですべてのパーツを塗装。

3種の「迷彩」、「ジャーマングレー」、「ダークグリーン」の塗装例があったが、ダークグリーンを選んでみた。使うのは、タミヤアクリル塗料。

アクリル塗料を溶剤で3倍に薄め、エアブラシでジックリ吹き付ける。パーツ、車体の凸凹に、グリーンのノリの強弱ができるが、下地のブラックのおかげで、より立体感が生まれてくる。均等にグリーンだけで塗ってしまったら、メリハリがなく、のっぺりとした仕上がりになるだろう。

柔らかい樹脂で出来たキャタピラは、凸部を熱したドライバーなどで焼き潰して接合。これも、1/72サイズのキャタピラではよくある組み立て方法だね。ただし、熱しすぎたドライバーだと、一気に溶けてしまって失敗するよ。

砲の内側にグリーンが乗らないようにマスキング。チマチマとエアブラシで吹いて、全体の塗装が完了。

60cm臼砲の完成。50年前の硬化したデカールをだましだまし貼って終了。そう、デカールに艶があるので、乾いた後に、デカールの上からつや消しクリアで塗装を追加した。

自走臼砲と台車は、前後4ヶ所の穴にピンを通して接合。「手すり」を接着するとピンを通せないので、先に台車と戦車を接合する。

ピン4本で台車と戦車がつながった。メカメカしていて、作っても、眺めても楽しいね。

反対側もくっつけて、カール60cm自走臼砲、台車付きが完成。コンパクトな縮尺のハズだけど、前後で60cmほどの大きさ。120tの巨体を運ぶには、かような大げさな台車が必要だったんだ

1/72のドイツ兵を横に置いてみる 大きさが伝わるでしょ。真横から見れば、自走臼砲がつり上げられているのが分かる。陸路を運ぶ際には、自走臼砲は幾つかに分解されて、巨大トレーラーに分乗して輸送した。

兵隊さんと60cm迫撃砲弾。戦艦大和が46cm砲弾だったから、いかに臼砲カールの砲弾がデカかったか。しかし、一発打ったら、最低でも次弾は10分後で、4号戦車を改造した砲弾運搬車が横にはりついて、クレーンで給弾した。


カール自走臼砲は、第二次世界大戦で要塞攻撃のために7台だけ製造した秘密兵器。独ソ戦の要塞攻略が代表的な戦歴で、陥落に大きな役割を残した。砲弾の威力は大きく、2.5mのコンクリート壁も貫通し、制圧範囲も大きかった。しかし、有効射程が4000~6000mと短いため、自軍が圧倒的な優勢を保っている状況に運用は限られた。今回は、「Thor」と名のついた4号機を再現しているが、後期には、射程の延ばした長砲身に交換されている。
ロシア クビンカ戦車博物館
現在、カール自走臼砲が残っているのは、ロシアの博物館のみ。横に立つ人と比較すると、その巨大さがわかるだろう。自重120tの自走臼砲に、20名以上の兵隊が取り憑いて、10分ごとに2tを超える巨大砲弾をぶっ放す・・・トンデモナイ兵器だね。メカニック好きな小生には、ささるなあ。


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