
ヂューセンバーグ モデル J アメリカ 1929

トイレが無事に設置できた後、ポッカリ時間が空いたので、「避暑」がてら、トヨタ博物館に行ってみた。名古屋インターからそのまま東へ、4kmほど。もうちょっと進めば、「ジブリパーク」のモリコロパークがあるよ。

真夏日の午後だったので、めちゃあつい。早く館内に入りましょう。

トヨタ博物館 クルマ館
1987年、トヨタ50周年記念の一環として、トヨタ博物館が作られた。世界の自動車とクルマ文化の歴史を紹介している。所蔵しているクルマは220台ほどで、すべてが動態保存されているってのが、さすがトヨタ。そのうち、150台がとっかえひっかえ、常時展示される。正面ゲートの横には、クルマを出し入れするおおきなエレベーター。



トヨダAA型乗用車(レプリカ) 1936年
博物館に入って、最初に鎮座するのは、トヨタ初の量産車AA型。トヨダと「濁点」があるのに注意。4.7mに1.7m、1.5tの車重、3400cc 6気筒 65HPの性能は、当時の外車と比べても遜色のない性能だった。観音開きの車内は、分厚いシート、後席手すりの綱、手の込んだ内装など、起業したばかりのクルマ屋がつくったとは思えない。「豊田」をデザインしたボンネットマスコットがめちゃくちゃ、いかしている。
当時、一軒家が買えるくらいの高級車で、1404台生産されたが、大戦もあって国内には残っていなかった、1987年に50周年記念の一環として、メーカーが図面を頼りに再現した完全なレプリカ。この記念館の開設に合わせて作成されたとも言えるだろう。

博物館は、陸上のトラック競技場のような形状で、3階建て。その2,3階が主な展示場となっている。エントラントのAA型を味わったら、2階に上がって、「自動車の夜明け」から展示が始まる。

ベンツ パテント モトールヴァーゲン(レプリカ) ドイツ 1886
世界最初のガソリン自動車とされるベンツがお出迎え。馬をつないでいない馬車のようなスタイル。1886年は、明治19年にあたり、東京ではじめて「電灯」が灯った頃。

このベンツには、クルマに必要とされる基本パーツがそろっているのも驚きだ。シートの後ろには、デカいフライホイールをはじめとしたエンジンが鎮座。運転席左のながーいレバーがアクセルとブレーキの役割。前に倒すと1段前進、真ん中でニュートラル、後ろに倒すとブレーキ。バックは出来ないんだね、小生のサイドカーGLばあさんと同じだ。

ガソリンタンク、冷却水、気化器などなど、現代のガソリンエンジンと基本は同じ。954cc単気筒!!の水冷エンジンで、0.75HP、時速15km。わずか50ccの原付バイクが、7.2HPを出していたことを思うと、興味深い。排気量換算で言うと、現在よりも1/200のパワーしか引き出せていなかった。

ベルトで動力がデファレンシャルギアのついた車軸に伝わり、後輪をチェインで駆動する。この頃から、内輪差を理解してそのギアがついていたなんてびっくりだね。エンジン始動は、でっかいフライホイールを手で回す。あ〜〜、運転してみたいなあ(^^)。シングルエンジンのいい音がしそうだ。

ロールスロイス 40/50HP シルバーゴースト イギリス 1910
ベンツ3輪車から、25年、こんな豪華な姿にクルマは発達した。完璧な自動車を求めて、RR社が生み出した1906年の傑作と言われる40/50HP。そのシャーシーにシルバーのボディをのせて、耐久テスト1万5000マイルをノンストップで走りきった。シルバーのボディが、幽霊のように静かでスムーズに走る姿から、「シルバーゴースト」と呼ばれるよ。全長4.8m 全幅1.7m 7500cc 。当時から今も ロールスロイスは、エンジンの出力を公開していない。


ベンツ 12/30HP ドイツ 1912
単気筒にこだわっていたベンツも、遅れを取り戻すべく、4気筒エンジンを開発。丸っこいボディ、電気式ヘッドライト、ラジエターグリルなど、他車に与えた影響が大きい。リアシート用のウインドシールドが面白いね。



モーガン エアロ イギリス 1922
オートバイのエンジンを流用した小型軽量スポーツカー。V型2気筒エンジン、1096cc 40HPで、後ろの一輪を駆動する3輪車、1950年まで生産が続けられた。この位置に、MT-01のエンジンがのかっても、カッコいいだろうな〜、これも運転してみたい。

興味深く3輪車の足回りを観察。車軸からギアを介して、ジョイントが伸びている。なんだろうね、発電機?、スピードメーターの取り出し?こんなところが、クラシックカーの面白いところ。

フォード モデル40 アメリカ 1934
自家用車が普及し始めたアメリカでは、より高級路線の車に人気が出た。フォードは、高馬力のV8エンジンを搭載したモデル40を発表、流線型のデザインと相まって、ヒットとなる。警察から逃げるために、ボニーとグライドが犯罪に使ったのもこのV8フォード。フォードと共に、機関銃で蜂の巣にされたエンディングは、映画の世界でも有名だよね。


イスパノースイザ K6 フランス. 1935
ライトブラウンとアイボリーのツートンが美しいボディ、ショートルーフがさらに雰囲気を盛り上げる。フランスの高級車メーカーのイスパノースイザは、当時の上流階級に人気のあったメーカー。ボディは、一流のコーチビルダーが作ることが多く、この素敵な色の車は、佐賀の華族、政治家の鍋島家の当主(13代鍋島直泰)がシャーシーを購入し日本に持ち込み。自らのデザインで日本の職人が半年掛けて製造した1台きりのオリジナル車両。エンジンは直列6気筒、5084cc 125HP で、全長は5.7m 全幅1.73m 車重1.8t、なかなか巨大だよ。

ラ・シゴーニュ(コウノトリ)

勝利の女神と大トンボ(徴古館HPより)
博物館のマスコット(ラ・シゴーニュ)は、コウノトリをイメージしたレトロモダンな造形。しかし、鍋島家の車には、オリジナルのガラス製マスコットが付いていたのが正解。当時のフランスのガラス工芸家(ルネ・ラリック)の作品で、現在は鍋島家に大切に保管されている。それにしても、鍋島氏は相当にクルマ好きでセンスもあったよう、分かるなあ、そのこだわり。


プジョー 402 フランス 1938
402は戦前のフランスを代表する高級実用車。優雅なバンパー、スラントしたノーズの中に、ヘッドライトが潜んでいる。さすが、芸術の国フランス車と思える、美しいシルエット。常識のように車の左右にあった「ステップ」が廃されて、車幅が延びたことで室内も広がったのも、この車から。直列4気筒、1991cc 55PS。エメラルド色のボディが魅力的。

メルセデス ベンツ 500K 1935
レースで活躍したSシリーズの後をついだ当時のスポーツカーの代表ともいえる人気があったベンツ500K。通常100HPを発揮するが、さらにペダルを踏み込むと「ワルキューレ−の雄叫び」と呼ばれた作動音と共に、スーパーチャージャーが作動して、160HPに達した。サイドのスペアタイヤに、ベルトでサイドミラーが固定されている。これ、振動で見えなかったんじゃないだろうか(^^ゞ。全長4.9m、全幅1.82m、直列8気筒スーパーチャージャー、5018cc、160HP。


ブガッティ タイプ 57C フランス 1938
レースでのブガッティの活躍と同様に、市販タイプとしては、この二人乗りクーペの人気があったよう。ロングノーズにショートデッキ、フロントガラスの傾斜など、エレガンスなクーペ。ブラウンと黄色のツートンもそれっぽいよね。直列8気筒+スーパーチャージャー、3257cc、160HP。先ほどのベンツ500Kと示し合わせたような160HPってのも、業界規制みたいで面白い。


ドラージュ タイプ D8-120
フランスの高級サルーンを手がけていたドラージュでも、後期に属する大型高性能車として世に出た「艶めかしい」カブリオレ。その美しさは、「愛人に贈るならドラージュ」と言われたほど。ブルーメタリックの輝きが、ヌメヌメのボディに映えるねえ。気候のいい時期のビーナスラインあたりをこれで、ドロドロと流したらかっこえ〜ね〜。全長5.2m、全幅1.99m、直列8気筒、4750cc、115HP
戦前のクルマはここまで、後半は戦後のクルマたち
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