
左手に見える藤原岳南面の採石現場を目一杯拡大して撮影。ショベルやエンジンの音がここまで聞こえてくる。これまでの80年間、採石を続けて、藤原岳が今のような姿になった、さらに、知り得た話では、採石範囲を拡大して、この先50年間は採掘続けるよう。きっと、藤原岳の南半分は無くなっちゃうだろう。

山頂から藤原山荘へ向かう。幅広い稜線は、戦前から「藤原スキー場」として、賑わっていたという。1960年頃は、リフト建設も計画になるくらい人気となり、「藤原山荘」は50名ほどの宿泊も出来たようだ。そう言われれば、なだらかなゲレンデが出来そうな地形。

北に続く稜線を臨めば、手前は1128mの独標、左奥がめざす「天狗岩」で1171m。どちらも、山肌が岩でゴロゴロしている。
藤原山荘 11:53
山荘までもどってきた。この先が稜線の登山路。表示では30分で屏風岩とある。
天狗岩
1144mの藤原岳の1つのピークのようにも見える天狗岩。しかも、藤原岳よりも標高があるので、「〜〜岩」じゃあ、可愛そうだね。「天狗岳」でいかがでしょ(^^)

山荘の先は、カレント地形の丘陵で、紅葉した下草がキレイ。ただし、午後から風が出てきて、帽子が飛ばされそう。陽射しがあるから寒くはないけど、だんだん冬の気配がしてきたね。
登山路標識
いなべ市の統一した案内表示が丁寧に設置されて分かりやすい。鈴鹿の様々なお山で見かけるね。

まだかなあ、って進めば、いよいよ天狗岩が近づいてきたよう。手前の分岐を右にとれば、鈴鹿山脈の稜線をすすみ、お次の御池岳に至る。

そのまままっすぐに行けば、低木の林を抜けて「頂」が見えてきた。天狗岩だ。

天狗岩 12:17
案内表示通り、山荘から25分で天狗岩に到着。大っきな岩塊じゃあなくって、岩がごろごろのピークって感じかな。南端は崖になっていて絶景だけど、先客のために立ち入れず。
藤原岳
歩いてきた稜線の先にさっきまでいた藤原岳がとんがり帽子のように見える。なだらかな藤原岳だけど、見る位置が違うと、山容も変わってくる。山頂と違って「逆光」じゃないから、紅葉、落葉のお山の様子もよく見える。
天狗岩でひと息ついて景色を愛でる。落葉した木々が多いので、紅葉の時期は済んでしまったのか、それとも今が盛りなのか、よくわかんない。どちらにせよ、朱や橙の葉の色がみごと。
さて、山頂でやりたいことはすべて終了、下山しましょう。再び山荘が見えてきたけど、なるほど、こりゃ、ゲレンデにしたら良さそうだね。山荘もゲレンデも、ふもとの三岐鉄道が経営して、戦前から昭和45年まで、「藤原岳スキー場」を営業していたよう。もちろん、ふもとから登山してからのスキーだから、昔の人は体力あったねえ(°0°)。スキー道具の輸送サービスやゲレンデでのレンタルもあったらしい。
藤原山荘 12:44
藤原山荘までもどってきました。今残っている山荘は、避難小屋として機能しているけど、さすがに50年前のスキー場の設備が残ってるわけじゃないだろう。さあ、まだ日が高いうちに下山したいから、先を急ぎましょう。
九合目 12:59
展望が良いのは、この九合目くらいで、そのほとんどが植林された空の見えない登山道。低山では致し方ないことか。
八合目 聖宝寺道への分岐 13:10
ここまで、予定時間で行動できているので、初志貫徹、復路は裏登山道(聖宝寺道)を使ってみよう。

谷に向かって矢印があるのだが、踏み跡がはっきりしないので、ピンクテープとトラロープが頼り。
「注意、この先ガレ場」
木の根っこで荒れ荒れの斜面を、ミスコースを心配しながら、慎重に進む。ガレ場とはあるが、どの程度だろう。単独行はいろいろと余分な心配をする。

踏み跡を拾って、高度を下げる。左は沢になっていて、ドンドンその深さを増して、谷になってきた。
六合目 13:32
ちょいと広場な六合目まで降りてきた。まだ午後1時半なのに、東斜面の登山道は、まるで夕方のような気配。心細い。

登山道は流水で深くえぐれ、その上に落葉が堆積している。こんなところの下りはとても慎重になる。葉っぱに隠れて大っきな石も隠れて、足をくじきやすい。

ズーッとくだりをこなしているうちに、右膝の外側が痛くなってきた。登るのはいいのだが、下りで痛むのだ。下りの距離が長いと、症状が出てくるので、さっそく、サポーターを右膝に装着。これでちょっとは楽になる。いわゆる「外側膝蓋腱炎」ってやつだ。
四合目 13:48
植林の杉林をジグザグにドンドン高度を下げる。谷はすっかり陽は差し込まなくなって、午後3時前なのに、ずいぶんと暗くなってきた。前後に出合う登山者も見当たらず、ずーっとボッチで歩く。
沢 13:59
陽も届かない夕方の東斜面、暗い谷をつづら折りで下ってると、谷の上からガサガサと草藪の音、「ホーッ、ホーッ」って、動物の鳴き声が聞こえてきた。恐怖を感じて、足の痛みも忘れて、一目散に谷底、沢まで降りる。追ってくる様子もないので、プチ安心したが、水のない沢は「ハエ」がブンブン飛んでいて気持ち悪い。シカなどの死骸にでも出くわすんじゃないかと、再び「恐怖モード」。
ガレ場 14:02
三合目の看板などスッカリ見落として、追われるように降りてきたが、今度は、「落ちたら死ぬ」のガレ場が登場。左は絶壁の深い谷で、頼りないトラロープが張ってあるだけの危険地帯。路肩も崩れ、何かあったら、山側へ倒れる意識で、ゆっくり歩く。

気を付けていたが、左に突いたストックが、崩れて、左に転びそうになった。なんとかその場で右膝が付けたので、難を逃れたが、崩れたガレ石がカラカラと崖下に落ちてゆく。二呼吸くらいして、谷底に落ちる音を聞いて、益々ビビる。ここで滑落して動けなくなったら、ヤバいよ。
砂防ダム 14:16
四合目から二合目までの「動物の恐怖とガレ場の危険」を乗り越えて、砂防ダムを見たときは、「助かった」って思えたね。でも、今度は、左膝まで痛みを主張しはじめた。登ったり、平坦な場所はいいけど、下りは痛くてペースダウン。
聖宝の五連滝
ここで、下から上がってくる女子に会う。「これからですか?」と問うと、五連滝を見に来たという。近くまでいって、滝を愛でる余裕などない小生は、先を急ぐ。

立派でデカい砂防ダムを階段で乗り越えたが、もう膝が限界。後ろ向きで降りれば、膝の痛みが和らぐので、ポールでバランスとりながら、バックで降りてきた。もう、カッコも構っていられない。
聖宝寺道登山口 14:25
天狗岩から2時間ちょっとで、人里までもどってきた。もう大丈夫。

林道を降りてもスタート地点にもどれるが、お寺の脇を通って、下山するようコースガイドあり。
お寺の手洗い
こちらにも、キレイで立派なトイレが整備されている。登山口、頂上に完備していれば、申し分ないね。
釣り堀 サンクチュアリ 14:35
お寺の敷地内?にルアー専用のマス釣り場があり、その脇を通る。ふり返って、下山してきた裏登山道を見上げる。怖かったなあ〜。ニジマス?はお持ち帰りできるようだが、「イトウ」はダメって書いてあった。ホントに、「イトウ」がいるんかなあ。
聖宝寺石段
もうすぐでゴールインなのに、最後の試練、240段の石段が待ち構えていた。荷重がかかった途端に、両膝下に痛みが走る。ここも、後ろ向きに手すりを使って、バックで降りてきた。これまでの山行で、もっとも膝にきてしまった。
鳴谷神社 14:45
降りてきました〜、ゴールの鳥居です。藤原山荘からちょうど2時間、タイム的には決して遅くはないだろう。動物の鳴き声で、追われるように下ってきたのが、その訳か(^^ゞ。
養老温泉
平地にきてしまえば、膝の痛みも和らいで普通に歩ける。遠回りではあったが、好きな泉質の養老温泉に立ち寄った。この日はぬるめの浴槽を選んで、ゆったりと湯治。膝をストレッチ、マッサージして、癒やしたね。めざす鈴鹿セブンマウンテンズの中でも、キツい藤原岳を体験できて、満足だけど、、、辛かった。今度、藤原岳を再訪する際に、裏登山道を使うかどうか、考えものだね(^^ゞ。
往復ルート
Geographica